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亡き人  作者: あしゅ
12/40

亡き人 12

ゼロと血まみれちゃんは、公園に来ていた。

「アパートからちょっと離れているけど

 一緒に来れたねえ。

 うちら半径どれぐらいまで移動できるんだろうねえ?

 んで、基準って何なんだろう?」

 

考え込むゼロに、血まみれちゃんは首をかしげる。

「まあ、その実験は、追々やってみよう。

 血まみれちゃんも、今度アルゼンチンやってみてよ。

 太郎んとこに行けるかどうか。」

 

いやいや、と首を横に振る血まみれちゃん。

「したくないの?」

うんうん、とうなずく血まみれちゃん。

「えーと、何でかな。」

 

 

しばらく考えたゼロが言う。

「1.血まみれちゃんの土着は太郎じゃない

 2.血まみれちゃんは、そもそも地縛していない

 3.マジでアルゼンチンに行けそうだから

 4.迷子になったら困るから

 どれ?

 1? 2? 3? 4?」

 

血まみれちゃんは、1と4でうなずいた。

「迷子になった事があるの?」

うんうん

「そん時、どうやって戻った?」

いやいや

「自動的に?」

いやいや

「戻ってないの?」

うんうん

「じゃ、迷子のまま?」

うんうん

 

ええ・・・?

じゃあ、血まみれちゃんは浮遊霊って事?

血まみれちゃんに移動制限はないんか?


私は地縛霊?

でも太郎に呼び出されるよねえ?

ゼロは益々考え込んでしまった。

 

 

「て言うかさ、考えてもわかるわけないじゃん、って話だよねー。」

ゼロが顔を上げて、血まみれちゃんの方を見ると

血まみれちゃんが青ざめていた。

 

「ちょ、何フリーズしてんの?」

血まみれちゃんの顔の前で、手の平を上下させた時に

その目が一点を見つめているのに気付き、振り返るゼロ。

 

視線の先には、真っ黒の巨大な綿菓子のようなものが

ウニャウニャしながら、こっちへゆっくりと近付いて来ていた。

 

「あ、あれ何? とか質問しているヒマがあったら

 とっとと逃げるべきじゃない?」

ゼロが慌てる程に、“それ” は嫌な雰囲気をかもし出していた。

 

 

「逃げろ!

 おい、血まみれちゃん、正気に戻れ

 とにかく逃げろ、あれ、ヤバいって!!!」

ゼロの剣幕に、血まみれちゃんがようやく反応した。

 

「おらおらおらおら、全力で遁走せえーーーーーっ!!!」

ゼロの叫びに、血まみれちゃんも必死で飛ぶ。

 

 

次の瞬間、血まみれちゃんがヨロめいた。

「って、ああっ、浮いてるのに何でコケる!」

前を飛ぶゼロが振り返りつつ突っ込む。

 

血まみれちゃんはコケたわけではない。

黒綿菓子から伸びた手みたいなものに捕まれたのだ。

 

「ああああああ、触手プレイきたーーーーーーーーっ!!!」

 

 

もうゼロ、ピンチ過ぎて、わけわからん状態。

 

 


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