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実はかなりすごいスキル

「内部構造がわかるものを作れる?」


 リアに聞かれてシュンは今度は銃の半分を作って見せる。


「もっとも俺のイメージで作るものだから、構造が正しいとはかぎらないのですが」


「使えれば何でもいいでしょ?」


 リアは割り切りがよかった。


「そりゃそうですね」


 シュンはもっともだと思う。


「俺のスキルで作るんだから、自分で使いやすいように変化させちゃってもいいですよね」


 と言った。


「そうよ。呑み込み早くなってきたじゃない」


 リアは微笑んでから興味深そうに銃を見る。


「ふーん。石や矢を道具を使って射出する、投石器やクロスボウと発想の系譜は似ているみたいね」


 彼女は初めて見たにもかかわらず、ある程度理解してしまったようだ。


「これに弾を込めるの?」


「ええ。いちいち弾を込めるのはたぶん不利なので、そこをどうするかが問題になりますけど」


 とシュンは話す。


 弾を込めなおしているうちに距離を詰められてしまう、というのは彼もちょくちょく聞いたことがある。


 モンスターと近距離戦闘をやる自信がまったくない彼だが、弾をすばやく込めなおせるかという点に関しては、同じくらい不安だった。


「装填の問題か……これ、魔力を弾丸に変換して撃つタイプに変更できないの? それだったら構造の問題も解決でしょう?」


 リアのアイデアにシュンはなるほどと感心する。

 だが、同時に新しい疑問も浮かぶ。


「弾丸を魔力にして、俺は使えるんでしょうか? 魔力あるかわからないんですけど」


 魔力を使えるならあんなひどい仕打ちを受けずにすんだのでは──そんな思いも彼にはある。


「え?」


 リアはきょとんとした。


「スキルが発動する時点で魔力があるに決まっているでしょう?」


 彼女は怪訝な顔をして答えた後、「ああ」と一人で納得する。


「そこも説明しなきゃいけないのね」


「初歩的なことも知らないようでごめんなさい」


 何となく申し訳なくなってシュンは謝った。


「あなたはいきなりこの世界に放り出された、被害者だから」


 リアは笑って許した後、同情を込めて彼を見る。


「だから気にしないで。わからないことがあったら何でも聞いてね」


「ありがとうございます」

 

 彼女の優しさにシュンはホッと息を吐き出す。


「魔力量がどれくらいあるのか、一度図っておいたほうがいいわね。どれくらい自分が戦えるのか、知っておきたいでしょう?」


「あ、そうですね」


 リアの言葉に彼は同意する。


「と言っても今日は無理だから、明日にしましょう」


「はい。けっこう魔力使いましたもんね」


 彼がうなずくとリアはたずねた。


「疲れや倦怠感といったものはない?」


「今のところ特にないですね」


 シュンは自分の手を見ながら答える。


 もしも疲労を感じていれば、スキル発動に魔力を使うということを実感できたのだろう。


「そう。ならあなたは魔力が少ない心配はなさそうね」


「え、そうなんですか?」


 確信に近い考えを持ったらしいリアを、シュンは不思議そうに見つめる。


「単に魔力の消費が少ないスキルって可能性は?」


 彼は自分の疑問をぶつけた。


「否定はしないけど、限りなく低いと思うわ。強力なスキルほど消費魔力は大きいから」


 リアはきっぱりと答えてから、彼に質問を返す。


「消耗を抑えるスキルは存在しているけど、あなたが持ってるスキルは一つだけなんでしょう?」

 

「そうですね」


 もしスキルが二つも持っているなら、あの人たちはそう言っただろう──シュンはそう思い首を縦に振る。


「ならあなたの魔力量が大きいのよ。明日を楽しみにしていればいいわ」

  

 と言ってリアは微笑んだ。


「はい」


 もしかしたら今の自分はけっこう使えるのか──シュンは少しドキドキしたし、わくわくもする。


「今日のところは魔力を発射する武器を作れるようになりましょうか」


「はい」

 

 リアの提案に彼は賛成した。

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