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とある死志望者の日記  作者: 冬真 春
てきとうなとこを書くだけの只の自己満足
14/14

感情という光と闇を内包した不確定要素

 感情というものは常に変化していて完全に理解することなんて絶対に出来ない。

 昨日までは大人しかったのに、今になると少しイライラしていて、明日になるとどうなっているかわからない。

 今現在の感情を言葉にして表しても、表したことが感情に変化を与え、今とは違うものに変化していく。


 とある親友に「それはあなたらしいね」と言われたが、それはあなたが私をそういう人間だと決めつけて、そうであるように誘導しているだけではないだろうか。

 相手を知ろうとする意識をしたときに、たまたま相手の行動が同じだったために、こういう行動をするのがあなただという決めつけをする。

 だから、私が知っているのはそういう行動するあなたしか知らないから、それ以外の行動はしないでね。と強要しているのではないのか。と考える。


 私自身はその親友を「約束は必ず守る人」だと決めつけていたが、いつまでもそれを演じる人間ではなかった。具体的には貸したお金は帰ってこなかった。連絡も取れない。

 金の切れ目は縁の切れ目という諺を実践してしまったのだ。


 一番驚いたことは、自分が、お金が帰ってこないとわかったときに、それほど落ち込んでいなかったということだ。親友という言葉で囲っていたのに、結婚式を行うなら呼ぶ知人リストに入っていたであろう関係だったのに、別にどうとも思わなかった。

 こんにちはと言われたら、反射でこんにちはと行ってしまうぐらいに何も感じなかった。

 向こうが心を入れ換えて連絡をとるか、こちらが無理矢理会いにいこうとしなければ、もう会うことは無いはずなのに悲しいと思わなかった。自分の中ではそんな感じなんだろう。


 感情というものを簡単に言葉には出来ない。

 言葉にするのは、相手に伝えるため、自分を理解したいために言葉にする。

 相手には言わないと伝わらない。自分には言わないと理解できない。

 一言言葉にしても、完全に伝わるわけではない、理解できるわけでもない。それは、人それぞれ言葉の感じ方は違うから。

 だからこそ言葉を重ねる。限りなく近い意識を持つために。そうやって人同士が繋がっていく。

 お互いを理解した気になって、少しの歪みを見ないふりして、一人と一人が二人になっていく。


 作るのに時間がかかっても、壊すのは簡単である。砂浜に作った砂の城が波で崩れていくように、一生懸命建てたトランプタワーが完成したときの気の抜いた吐息で崩れていくように。

 たった一つの行動や言動で、繋がりは簡単に無くなっていく。

 だから、人間関係は難しい。


 なら、始めから感情がなければどうなるのだろうか?

 全員が全員、合理的に行動する。自分が決めた目標に最短で移動して最短で達成する。そこにはめんどくさいと思うことなく淡々と目標に向かって歩く。

 テスト勉強中にいつの間に部屋の掃除をしている、なんてことはなくなる。

 みんながみんな、同じ指標の本同じ道を歩いていく。

 それが一番いいと知っているから。

 例えば公務員。公務員にさえなれば、将来が安泰だと言われているから、そこには夢も希望も無い。事実だけが残っている。

 こうなりたいやこうしたいという感情は無い。

 あいつには負けたくない、他とは違うことがしたいなどと思うこともない。


 結局、今の世界は感情というものが存在している世界なので、なかった世界を想像しても知識と思考には限界がある。

 あり得ない世界を想像するのではなく今を生きていくしかない。


 自分は一人でいるのが好きだ。

 誰にも迷惑をかけないし、予定も全て自分で決めることが出来る。

 旅行に行っても、好きなときに好きなことを出来る。ふと、帰りたくなったときもすぐに帰ることが出来る。

 彼女に束縛されることもない、一日に一回は電話しようと強要されることもない。


 だが一人には限界がある。どれだけたくさんの事を知ろうとしても、知らないことはたくさんある。知識も感情も。


 感情については、完全に形成されてしまっているので、変えることはできない。可愛いものを気持ち悪いと思うことはできないし、不味い物を美味しいと思うことも出来ない。口に出すことは出来るが。


 だからこそ、一人が好きだが、四六時中一人で居たいわけでもない。


 お一人様禁止のカラオケやカップルでしか行けないケーキバイキングなど。

 一人では不便なことはたくさんある。

 なぜ世の中は、結婚していないとダメだとか、独り身はダメだとかそういう空気が流れているのだろうか。

 一人の方がずっと楽である。一人最高!


 都合のいい異性の友達が欲しい。願っているが、叶わないことは知っている。

 だからこそ、少しずつ許容していって、関係を築いていく。


 いつか、壊れることがわかっていても、終わることがわかっていても、いつも一緒に居たいだとか、一人で居ることに違和感を感じてしまうような思いになってしまうのなら。


 それは、好きだっていうことなのだろう。


 本当に感情は不思議だなと思います。

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― 新着の感想 ―
[良い点] まだ、生きていますか? 生きる意味がわからなくて、それについてネットを漁っている時に、あなたの小説に出会いました。 同じことを考えてる人って他にもいたんですね。私はまだ大学生で社会の厳しさ…
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