表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
本当の居場所  作者: 佐野はる
第2の人生
19/36

19話

重い足を引きずりながら沙弥の病室へと戻る。


「沙弥、売店行こう。」


俺には何もできないという無力さを痛感していた。

沙弥に心配をかけないように笑顔を無理矢理つくる。

『ごめんね。しんどいんだ。。』


「大丈夫。俺、行ってくるね。」

突然涙が流れてきたため、急いで病室を出る。

一人で行くほうが気が楽でよかった。

売店に行こうとはしたが、行く気になれず、病院の外のベンチに座る。



最近、沙弥の症状が悪化してきている。

笑うことも少なくなってきた。

兄妹の会話も徐々に少なくなってきた。

命について考えることも多くなった。

俺の考え方も過去とは全然違う。

良いことばかりを考えていた過去。

何もなくていいから、ただ過ぎていくだけでもいいと考えている今。

朝起きて一番に思うことは沙弥のこと。

今日も元気にしているかだとか、生きているかだとか。



もう涙が止まらない。

できることなら沙弥と変わりたい。

辛い運命を沙弥に与えた神様に土下座してでも俺と沙弥を交換させてもらうことはできないであろうか。

真面目にそう思った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ