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17話
7月10日
実家に帰ってからというもの時間の流れが速く感じる。
週5日、弁当屋で仕事。
それが終われば休む間もなく病院へ。
そして面会時間が終わるまで沙弥の隣にいる。
いつ終わるか分からない兄妹2人の時間を1秒でも多く刻んでいたかった。
今日も仕事終わりに車を運転運転して病院へ急ぐ。
この道を運転するのは何回目だろう。
気付けば実家に帰ってから4か月が経過していた。
病院も嫌というほど見た。
早く沙弥と一緒に家に帰宅したい、と心の底から思った。
病室に入ろうとすると笑い声が聞こえた。
4月には6人部屋にいた沙弥だったが、今は1人部屋にいる。
沙弥の病状は悪化しており、いつ急変してもおかしくない状態だった。
ドナーが速く回ってくることを心から願うことしか俺にできることはなかった。
笑顔をつくって扉を開ける。
扉の先にいたのは、、、 匠海だった。
驚きと嬉しさが隠せなかった。




