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10話
強い日差しが照り付けていた。
まだ寝ていたい、という思いを隠しきれないままベッドから下りる。
つい2日前までベットと机と棚しかなかったシンプルで殺風景だった部屋が段ボール箱の山で埋め尽くされかけていた。
その段ボール箱を開けることすら面倒くさい。
収納するとなるとさらに面倒だ。
段ボール箱を開ければlemonのことを嫌というほど思い出すし、かと言ってそのままにしておけば邪魔になる。
もうどうしていいのか分からなかった。
どうしていいか分からないのは「沙弥のこと」もだ。
お互い分かり合おうとしているのだが、何と話せばいいのか分からない。
そのため、何も考えないことにした。
時間に任せようと…。




