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「2016.12月の感傷人格が書いたもの」

「遺書」

作者: ちなつ。

 頭のなかに溜まっていたモヤモヤを言葉に書き起こしたら、あたしのなかで何かが終わった。

 満足したというか、なんて言うのだろう。

 糸が切れたような感覚。

 虚しさとは違う空っぽな感じ。

 冬の晴れた日に青空の下で冷たい空気に包まれながらお日様をぼーっと浴びてるのを思い出す。

 そんな感じ。


 心のなかで解けなかった毒を言葉にして吐き出した。

 そしたら、もうすべてがどうでも良くなった。

 何もかもが馬鹿馬鹿しくなってしまった。

 生きているとか、生きていくとか、死んでしまうとか。

 もうわからなくなってしまった。


 文豪はこんな感じで自殺したのかなって、

 自分勝手に親近感を募らせてみたり。


 剃刀は使わない。


 ホントにするときは5年前に逃げ出すように卒業した高校の屋上からって決めている。


 入れなかったら仕方ないからマンションでいいや。


 良く晴れた日。

 青空の日。

 冷たいけれど清々しい平日の午前中。


 こんな日が良い。


 条件ももう決めてるの。


 一度だけでも幸せになりたかったけれど、


 そんなものはあたしに相応しくなかったらしい。

 そんなものをあたしは求めてはいけなかったらしい。


 どれだけ頑張っても殴られる人生に変わりはないみたい。


 なら、もういいや。

 頑張って生きる必要なんてないじゃん。


 殴られて捨てられて泣いて、苦しい思いばかりするのだし、

 これからもどうせずっとそうなのだから。


 人間どうせ死ぬんだから、今死んでも一緒。

 人間どうせ死ぬんだから、頑張っても一緒。


 痛い思いにもう耐えられない。

 癒してくれる人がいれば良かったのだけれど、

 あたしは今までそんな人に会えなかったから。


 だから、もういいや。


 心のモヤモヤを言葉にしたらすっきりしたし。

 決心だとか、覚悟なんてたいそうなものではなかったけれど。

 未練みたいなものを消せたから。


 だから、もういいや。


 死んじゃえ。


 あたしのなかで声がした。


 うん。きみの言うとおりだと思う。


 そうだね。


 さよなら。


 ばいばい。


 


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