1年生
HDDあさったら出てきたので投稿
簡潔まであと少しのところなので指摘がなければ完結するかも
ああ、なんていうか元ネタわかりますねレベルです
・・・マジかよ!
俺は今全てを思い出して戦慄していた。
『聖ヒルデガント学園』
俺が前世でやったことのあるゲームに出てきた学園だ。
内容は恋愛ゲームなんだが、困ったことにADVではない。
俗にいうパラメータ方式のゲームで、各種パラメータを調節してイベントを発生させ、卒業後に伝説の木の下で告白を受けるのが目的のゲームである。
ちなみにイベントと言ってもたいした事はない。
週末にデートをしたりちょっとした会話だったり、たまに選択肢が出てくるぐらいの好感度上昇イベントのみである。
ちなみに現在は夜で俺は家の自室でそろそろ寝ようかとしたときにコマンドウィンドウが開いて全てを思い出した。
俺、立花隆二は転生者である。
神のミスで死んで特典を貰い今の世界に転生した。
ちなみに転生するときに特典を聞かれたので貰ったのが『ドッペルゲンガー』である。
これは複数の自分を創り出し経験の共有を行う能力で、俗に言う忍者漫画の影○身を元にしたものだ。
しかし前世の記憶が戻ったのは高校入学式の時なので、特に身体能力とかが優れているわけではない全くの一般人である。
値で言うと平均より下のステータスだ。
そしてこのゲームのヒロインは俺の幼馴染の藤岡花梨で、恐らくスペックは上位3位以内が確実であろう本ゲームのヒロインだ。
ゲームのストーリーでは『幼馴染に相応しい男になる為にがんばる』と主人公が奮起するのだが、主人公が転生者の俺のためそんなものはない。
なので取り合えず俺は『高パラメータなら就職に有利じゃね?』という打算的な理由により、パラメータの完ストを目指して行くことにしたのだった・・・
さて、このゲームでのパラメータは体調、文系、理系、学力、芸術、運動、雑学、流行、容姿、魅力、根性、気配りとなっている。
これをそれぞれ上げるわけなんだが入学してから実験をしたところ、根性と運動、容姿と魅力は本体でしか上げることができなかった。
仕方ないので俺は知識などのパラメータはドッペルに、運動と容姿は本体で分けて実行することにした。
4月中旬・・・
俺はひたすら筋肉トレーニングとマラソン、ストレッチなどの運動で鍛えていた。
その間ドッペルは高校デビューを果たし、クラスになじもうとがんばっていた。
結果、そこそこ友達にも恵まれ楽しい学園生活を送っている・・・という記憶を毎日受け取っている。
ちなみに部活は剣道部に所属したようだ。
で、そのほかにもドッペルを出し勉強にも励んでいる。
おかげでそこそこのパラメータが上がりだしたので将来が楽しみだ。
容姿・魅力は初期より低下した・・・
運動ばっかりしていたからなぁ・・・
6月になってから変化がおきた。
ゲームのヒロインが増えていた。
このゲームはヒロインの登場条件にパラメータが絡んでいるため、上げ過ぎると処理できないほどのヒロインが発生する。
そしてこのヒロイン達、一回しか顔あわせたことがないのにご機嫌をとらないと情報通の友人からなぜかいきなり『お前の悪い噂が流れているぞ・・・』とご忠告が来るようになるのだ。
なんという理不尽!
なんで一回しか顔あわせてないのにデートに誘わないといけないんだよ!!
全く持って意味がわからない・・・
それはともかく俺はひたすら筋肉トレーニングをしていた。
それ以外の行動は全てドッペル任せになっている。
ちなみにヒロイン達にはドッペルを張り付かせてご機嫌をとっている。
じゃないと爆弾の処理が間に合わないのだ。
8月になった
やっとパラメータが上がり、各種イベントが起き出した。
といっても公園で偶然会ったりデート中にボートに乗ったりと、とても健全なイベントである。
だってコンシューマゲームだったからな。
夏休みということでドッペルたちは普段以上にバイトに精を出している。
ちなみにバイトは30件掛け持ちで行っている。
そうしないとデートの数が頻繁なので金の消耗が激しいのに加え、各種消耗品の購入費で出費が激しいのだ。
そして俺は今もずっと筋力トレーニングを行っている。
理由としては他のパラメータとの開きが激しいからだ。
勉強とかはドッペル20人体制でやっているため半端なく進みが速い。
さらに最近は武道、CQC、刀剣術やサバイバルなど無駄にドッペルを投入して経験を蓄積している。
理由は『人間関係がウザイ!いっそ将来は無人島サバイバルでもするか?』と考え出したため、体がそこそこできてきたためその手の技術に手を出したのだ。
おかげで技術だけはぐんぐん伸びているが、運動は俺一人のため十全に技術習得が早くなりすぎで現在の体では100%再現不可となっている・・・
よし、今年は運動で全てを埋めてやる!
10月となりイベント多発の時期だ。
運動会に文化祭、両方ともドッペル達が大活躍だ。
特に文化祭では各種アルバイト経験で得た無駄に高くなっている雑学で一流の紅茶やコーヒーを提供した。
俺、容姿さえまともなら執事になれるかもしれないとおもった。
そしてヒロイン達の好感度も多少上がった用である。
どうも容姿と魅力が足をひぱっているようだ・・・
ちなみに俺はいつもどおり筋肉トレーニングをしていた。
つまり全てドッペル情報である。
12月となりクリスマスイベントと正月イベントの時期となった。
クリスマスには同学年にいる鳳凰院 麗の家に全学園生徒が招待されている。
鳳凰院は俗に言う財閥の家系で、学園の出資者でもある。
ちなみに金髪長髪のイケメンだ。
なので俺も参加するべくパーティー会場へおもむいた。
一応失礼のないように本体でスーツを着ていたんだが門前で断られた。
多分容姿と魅力の値が足りなかったんだろう・・・
仕方ないので帰ろうと踵を返したところで引き止められた。
「ああっ!でも私には貴方のその筋肉の眩しさに目を奪われて何も見えません!!ささっ今のうちにお早く・・・」
・・・なんかパーティーに参加してもいいらしいので参加した。
ただ、門番の目線に寒気が走った。
しかたないので歳が明けるまで筋肉トレーニングをしてすごした。
歳が明けて1月・・・
ドッペル達はヒロインの火消しで初詣に行っている。
俺は三が日ぐらいはゆっくりしようと町をぶらついていると、鳳凰院とその彼女がチンピラに絡まれているのを発見した。
見ていると鳳凰院は荒事が苦手なようだ。
しかたないので俺がチンピラを片付け、初めて武術系の技術が役に立った。
なんでも習得しておくものである。
鳳凰院にはお礼を言われたが、なんか目が潤んでいた。
よほど怖かったんだろうか?
取り合えず武術系などに続いて民間軍事会社の訓練キャンプに参加することにした。
金ならドッペルのアルバイト代がたくさんあるので大丈夫だ!
2月、茶色い悪魔が跋扈する月である。
ドッペル達は茶色い非常食をヒロイン達から受け取っていた。
一応幼馴染の藤岡花梨からも義理で貰った。
まだまだ好感度が低いらしい・・・
が、それはドッペルの話で本体である俺は筋肉トレーニングをしていた。
学校に行っている記憶があるのにずっと家にいる・・・
何なんだろうなこの感覚。
しかし、机の中に入っていた超有名高級店のチョコはなんだったんだろうか?
カードに一言『ありがとう』のみでは俺が困るんだが・・・
3月、倍返しどころか3倍返しの風習の月である。
返さないと理不尽なことに情報通の友人から『お前の悪い噂が流れているぞ・・・』と電話がかかってくること必至なのだ。
ミッション『WD』は無事終了したが、これが後2年続くのか・・・
まあ何とかなるだろ、がんばれドッペル!
で、俺は今日も今日とて筋肉トレーニングである。
先月の茶色い非常食はありがたく頂いたのでカロリーオーバーだったのだ。
一応名無しさん用に前日、俺の机に仕込んでいたお返しがなくなっていた。
名無しの人が受け取ってくれたのだろうか?
そうだとしたら嬉しいな・・・
一応3年の中盤までは執筆済み
むしろなんでこのゲームでその描写になったのか作者でも不明です