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名前
少年はいきなりの訪問者に戸惑っていた
「随分と可愛い悪魔さんね」
先に入ってきた大人びた感じの女がそう言った
後から恐る恐る入ってきた少女は、大きい声で言った
「君の名前は?」
名前・・・考えたこともなかった、そもそも必要としていなかった
「名前は・・・無いんだ、そもそも人と会うことすら無いしね」
少年は申し訳無さそうに言った
「そう・・それじゃあ今日から貴方は兎ね!」
「兎・・・分かった!」
少年は満面の笑顔で答えた
(かわいい!)ズキューン
(天使はここに居たのですね!)ズキューン
そのまま二人の少女はがっしりと手を握り
「お姉さまと意見が合うなんて珍しいですね」
「これからは敵ではないな同志よ」
その光景を黙ってみているしか無い兎であった
なかなか異世界行きませんが許してください