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ビバ!政略結婚  作者: よだ ちかこ
第7章 ついにその時が!
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~その8~ 一臣様のお父様

 亜美ちゃんと一緒に一階に降りた。エントランスのドアは開け広がり、大広間のドアも解放されていた。

 それどころか、庭園へと続く窓もすべて開いていて、今日は雨も降っていないからか、庭園のほうにまで、明かりがともり、ベンチやテーブルが用意されていた。


 6時から始まるパーティに続々と人が押し寄せて来ていた。

「すごい人」

 私は圧倒されていた。男性はスーツの人もいるが、タキシードの人もいた。女性はほとんどの人がドレスだ。


 すごい。ちょっとしたパーティなんかじゃない。本格的なんだ。

 

 ロビーで人に埋もれそうになっていると、

「弥生様。もう少し落ち着くまで、ダイニングにいますか?」

と、亜美ちゃんに聞かれ、私はそそくさとその場から離れ、ダイニングに行った。


「すごい人ですね。あんなに大勢の人が来るとは思ってもみませんでした」

 そう私が言うと、

「そうですね。今年は特に、一臣様のフィアンセが決まるということを聞いて、一族以外の人も来ているんだと思います」

と、亜美ちゃんは言いながら、私にお茶を出してくれた。


「ありがとう」

 椅子に腰かけ、入れてくれたお茶を飲んでいると、そこに京子さんが静かにやって来た。淡い水色のドレスは、胸や腰のあたりが体の線にぴったりとしていて、裾はひらひらと広がっているロングドレスだ。


 肌の色も白いし、水色のドレスがとても似合う。髪は黒い髪を左側に束ねて、可愛い水色の小さな花が散らしてある。はかなげで可憐で、清楚なイメージだ。

 京子さんにぴったり…。


 京子さんは私を見ると、

「弥生さん、お着物なんですね。とても綺麗な色。弥生さんの可愛らしさがひきたつ色と柄ですね」

と、褒めてくれた。


「何色と言うのですか?綺麗なピンク」

鴇色ときいろといいます」

「柄は菊ですか?」

「はい。1年中これなら着れますと、祖母から教わりました」


「可愛らしいお着物。本当に弥生さん、似合っているわ」

「京子さんもドレス、似合っています」

「そうかしら。母が揃えてくれたものなんですが、これを着るとさらに病弱に見えません?」

「とんでもないです。はかなげには見えますが」

「それが嫌なんです」

 え?私、変なこと言ったかな。申し訳なかったな。


 でも、はかなげだけじゃない。細いのに胸があるから、どこかセクシーだ。それに比べて、私はどこもセクシーさがない。

 祖母が作ってくれたこの着物は私も気に入っている。でも、子供っぽくないかな。一臣様はどう思うんだろう。

 ドキドキしてきた。なんの興味も示してくれなかったらどうしよう。


 もっと、大人っぽい色っぽい着物がよかったかな。


「弥生様、京子様、そろそろパーティが始まりますから、大広間にお移り下さい」

「あ、はい!」

 喜多見さんに呼ばれて、私は亜美ちゃんと一緒に大広間に移った。


 一臣様はどこにいるんだろう。まったくどこにいるのかわからない。

 さっきまでロビーにあふれていた人が、みんな大広間に集まっている。


 今夜は立食パーティなんだな。それもそうか。これだけの大人数、テーブルに着くのは無理だよね。いくら大広間が、ホテルの大広間なみに広くたって、この人数は座りきれない。


 いったい、何人の人が集まっているんだろう。父や兄もいるんだろうけど、見つけられやしない。


 丸いテーブルがいくつか並んであり、そこにお料理が並んでいた。従業員のみんなは、トレイに飲み物を乗せ、みんなに配っている。


 大広間の壁際には、椅子が並べてあり、お年を召した人はそこに座って休んでいる。でも、他の人はみんな立ったまま、わいわいと話したり、お互いを紹介し合ったりしている。

 

「弥生」

 後ろから声を掛けられた。振り向くと兄たちと、葉月だった。

「あ、葉月も来たの?」

「なんだよ。いいだろ?招待されたんだから。向こうにおじいさんとおばあさんも来てるよ」


「本当?」

「ああ。父さんと緒方財閥の社長と一緒に、話をしている」

 社長?


「あ、社長に私、挨拶に行った方がいいかな?」

 私がそう聞くと、如月お兄様が、

「じゃあ、一緒に行くよ。弥生」

とそう言ってくれた。


「弥生、馬子にも衣装だね。でも、なんか七五三みたい」

「葉月、それ、思っていても言わないで、傷つくから」

 そう葉月に言うと、葉月はべろっと舌を出した。


 ああ。一臣様も嫌味っぽく言いそう。七五三だな。全然色気がないぞ。とか…。わあ。言いそう。覚悟しておこうかな。


「弥生、そんなことはない。とっても似合っているよ」

 卯月お兄様がそう言ってくれた。さすがだ。優しいなあ。

「おばあさんが作ってくれた着物だろ?おばあさんに見せたら、絶対に喜ぶよ」

 如月お兄様はそう言うと、私の背中に腕を回し、そして部屋の奥へと進んで行った。


「父さん!」

 如月お兄様が父を呼んだ。父の隣には社長が立っていた。

「ああ、弥生!」

 父は私が兄の隣にいるのを見て、にっこりと微笑ながら私を呼んだ。


 父の後ろで影になっていた祖母が、私を見つけて、

「まあ。弥生ちゃん。着物似合ってるわ」

と、嬉しそうに微笑んだ。


「弥生。こっちに来なさい。緒方氏に挨拶をして」

 祖父がそう言って私を手招きした。私は祖父の隣に立ち、

「はじめまして。じゃないですね。前に会議でお会いしましたよね。上条弥生です。よろしくお願いします」

と、緊張しながらお辞儀をした。


 ドキドキだ。会議の時も何も話しかけてくれなかったし、私、嫌われていたりしていないよね。

 

 すると、社長はなぜか笑いだし、

「ははは。やっぱり弥生ちゃんは覚えていないか。残念だなあ。あの会議の前にも何度か会っているんだけどね」

と、そう優しく言った。


「え?!」

 私はびっくりして言葉も出てこなかった。いったい、いつ会った?社内で?それとも…。


「弥生はまだ、6歳か7歳の時だからなあ。覚えていないのもしょうがないかな」

 祖父がそう言うと、

「え?弥生と社長は面識があるんですか?」

と、如月お兄様が驚いて社長に尋ねた。


「ああ。僕は上条家にある道場で、君たちのおじいさんから武術を習っていたことがあってね。合気道や柔道を、護身術として習っていたんだよ。まあ、数年でやめてしまった、情けない門下生だったんだけどね」

「知りませんでした。僕とは面識はなかったですよね?」


「如月君とはなかったね、そういえば。君はもう高校の寮に入っていたんじゃないかな?卯月君と、葉月君のことは覚えているよ」

「あ!」

 卯月お兄様は、目を見開いた。


「お、覚えています。弥生によく、金平糖や飴などをあげていて、弥生がすごくなついていた方ですよね。確か…、総おじさん…」

「ああ。卯月君とは、何度か対戦をしてもらったっけ。僕が負けてばっかりだったよねえ。まだ、卯月君は、中学に入りたてくらいだったかな」


「そうですね。小学校6年か、中1くらいです」

「僕も覚えていますよ。総おじさん。僕にも金平糖をくれたりしましたよね?」

「ああ。葉月君は、とってもやんちゃな子で、よくいたずらをしてきたよね?」

「え?!ぼ、僕がですか?」


「一回、僕の袴の中に、カエルを入れて来たっけ。それに、カバンの中には蛇の抜け殻も入っていた」

「カエルは弥生です!可愛いから総おじさんにも見せると言って、道場に連れて行って、弥生の手から離れて、総おじさんの袴に入っちゃったんですよ」

「そうだったのか?弥生ちゃんのしわざか~。はははは!」


 え~~~~~~~~~~~~~~~。

 だらだら。冷や汗が。でも、それ、なんとなく記憶に残っている。それに、総おじさん…。金平糖に、飴…。

「あ!!!!私が大好きだった、ドロップをくれた総おじちゃまだ!」

「弥生ちゃん、思い出してくれたかい?」

 社長は顔をほころばせた。


「え~~~~!でも、あの頃、髪が真っ黒でふさふさ…」

「弥生、失礼だろ」

 如月お兄様に怒られた。


 いや。今、禿げているわけじゃないけど、白髪交じりで綺麗にきりりとオールバックにしてて、ちょっとおでこが広くなってて、体ももっと、前のほうが大きかったような。あ、太っていらしたのかな?それとも、スーツ姿だから、印象が違うのかしら。


「もう、17年か、18年前のことだもんなあ。葉月君はよく覚えていてくれたね」

「はい。金平糖、美味しかったから」

 ガク。葉月ったら、子供か。いや、ドロップで思い出した私も人のこと言えないかな。


「でも、あの頃、総おじさん、本当によく弥生のことを可愛がっていましたよね。道場での練習が終わると、道場から繋がっている離れの家の縁側に座って、膝の上に弥生を乗せて飴をあげて、楽しそうに話していたのを覚えています。僕は、金平糖や飴をもらうと、さっさと庭に行って遊んでいたので、あんまり総おじさんと話をした覚えはないんですけど」

 葉月がそう言うと、総おじちゃま…じゃなくて、社長はにっこりと笑った。


「弥生ちゃん、可愛かったもんなあ。本当になついてきてくれて。思わず、そのまま家まで連れて帰ろうとしたこともあるよ」

「え?それって、誘拐ですか?」

 葉月がまたバカなことを言った。


「ははは。誘拐じゃなくて、養女にしたかったんだ。一回だけ、半分本気で半分冗談で、大成君にうちの養女にしたいと言ったことがあったよね」

「覚えていますよ。でも、弥生は我が家にとっても、たった一人の女の子でしたからね。大事な一人娘をあげるわけにはいきません。あげるとしたら、嫁に出すときですねと、冗談をそのまま返したら、それを上条氏は覚えていて、本当にその10年後に申し出てきましたね。弥生さんをぜひ、うちの一臣の嫁にって」


 え~~~~~~~~?!!!

「何ですか?それは初耳ですよ。父さん」

 如月お兄様が、驚きの声をあげた。私も心の中で思い切り、驚きの声をあげていた。


「まあ、弥生が幼い頃の話だったんだから、いいじゃないか。そんないきさつは」

「よくないですよ。いや、いいですけども」

 如月お兄様はそう言った後、何も言えなくなり黙り込んだ。だが、釈然としないものがあったのか、また口を開き、父に話しかけた。


「でも、婚約者候補の一人として、弥生を選んだんですよね?それで、弥生が一臣氏に恋してしまったから、弥生が…」

「し~~~」

 父が話を止めた。そして、

「あまり、ここで大きな声でその話をするのはよそう。何しろ、今日、婚約者は決まるんだからな?」

と如月お兄様に小声で言った。


「あ、はい」

 如月お兄様も頷いた。だが、なぜか社長はまだにこにこしていて、

「それも、真実ではないんだよ。いや、大成君は確かに、弥生ちゃんが一臣を気に入ってくれたから、婚約者候補になることを引き受けてくれたんだけどね?」

と嬉しそうに話を続けた。


「真実ではない?」

 如月お兄様が不思議そうにそう聞いた。私も、いったいなんのことかわからず、その先を聞くために社長の話に耳を傾けた。


「これは、大成君にも言っていなかったね。僕は確かに、弥生ちゃんのことをすっかり気に入って、可愛くて、養女にしたいくらいだったんだが、もっと弥生ちゃんを気に入ってしまった子がいてね」

「え?というのは?」


 父が声を潜めて聞いた。

「一回だけ、道場にうちの息子たちを連れて行ったことがある。一臣が8歳で、龍二が5歳の時だ」

 え?うちの道場に?一臣様が?うそ。じゃあ、私、一臣様と会っているの?


「会長が息子たちに柔道を教えてくれたんだが、龍二はまったくやる気なし。でも一臣はけっこうやる気を出していて、会長が、弥生ちゃんと手合せをさせたんだよ」

 私と?!か、一臣様が?まったく覚えていないんだけど!!


「そうしたら、一臣は簡単に投げ飛ばされ、そのまま寝技になり、弥生ちゃんに押さえつけられてしまった」

 うそ。


「一臣は女の子に負けたことを、そうとう悔しがっていた。そしてそのあと、離れでお茶を飲んだり、お菓子を食べてゆっくりとして、葉月君と龍二が庭で走り回って遊んでいて、弥生ちゃんは一臣を縁側に誘って2人で座り、仲よさそうに話し出したんだ」


 私が、一臣様と?

 あ。なんか、それ、覚えてる。一緒に一回だけ、柔道をした男の子。

 うわ。思い出した!くるくるって巻き毛をした男の子で、あんまり笑わない子だったのに、私が総おじちゃまからもらったドロップをあげて、なんか言ったら、赤くなって笑って…。その顔がやたらと可愛かった。


 なんて言ったんだっけなあ、私。そこまでは覚えていないなあ。


「弥生ちゃんにその時、一臣は、柔道の素質があると褒められ、そのうえ、ずっとお友達でいよう。また遊びに来てね。そうしたらここで、またお話いっぱいしようね。って可愛い笑顔でそう言われてね。ほっぺにチュッってキスまでされて、家に帰ってから一臣が言ったんだ。僕は強くなる。強くなって、あの子を迎えに行く。あの子と結婚するって」


 え?け、結婚?


「なんだ~~~~~?それ」

「え~~~~~~~~~~?!」

 兄たちが、びっくりしてそう叫んだ。


 私は驚きのあまり、声も出なかった。

 一臣様が?結婚するって!?


「ただ、それからどんどん一臣は忙しくなってしまって、上条家にも遊びに行けなくなり、勉強を詰め込まれ、武術を習うのも、家で樋口から習うくらいで、弥生ちゃんとの約束もすっかり忘れてしまったみたいでね」

「……」


「いや、覚えていることは覚えていたみたいだな。どこかの道場で、女の子に投げ飛ばされた。っていう記憶は残っていて、強い女の子が苦手になったみたいだ」

 なぜ、そこだけ記憶に残るの?それ、もしやトラウマになってる?また、私のせい?まさか、それが原因で華奢な女性がタイプになったとか?


「まあ、だから結局は一臣が言いだしたことなんだ。覚えていないとはいえ、ことの発端は一臣だったんだよ。弥生ちゃんが一臣を気に入ってくれて、こっちは本当にほっとしているよ」

 ………。私も兄も葉月ですら、目が点になっていた。


 だが、父や祖父、祖母は嬉しそうに笑っていた。

「あの頃はまだ、弥生ちゃんのお母さんの冬子さんもいたね。弥生ちゃんはお母さんにどんどん似てきたねえ」

「私がですか?でも、母のほうがずっと…、綺麗でおしとやかで」


「いやいや。冬子さんはなかなか活発だったよ。何事にも一生懸命で、そういうところは弥生ちゃん、そっくりだ。弥生ちゃんの成長を、大成君からずっと聞かせてもらったり、時々ビデオを撮って送ってもらったりしていたんだ。きっと、一臣と一緒になったら、一臣も楽しい毎日を送れるんじゃないかと思いながら、見させてもらったよ」

 えええ?私のビデオ?いつの間に?


「緒方商事に入ってからの活躍ぶりも、見たり聞いたりしているよ。あの新しいプロジェクトも楽しみだ」

「あなた」

 そこに、お母様がいつの間にか近づいて来ていた。


「あ。妻が来た。大成君のことを紹介したことがなかったな。芳子。こちらは、上条グループの会長と社長、そしてその息子さんたちだ」

「はじめまして。緒方の妻の芳子です」

「はじめまして。いつも弥生がお世話になっています」

 祖父が代表して挨拶をした。他の人はみんな、頭を同時に下げた。


「弥生さんのお着物、おばあ様が揃えてくれたと、弥生さんが喜んでいました。とても、弥生さんにあった、素敵なお着物ですね」

「まあ。ありがとうございます。弥生、今日はちゃんと着付けもできたのね」

 祖母がそう嬉しそうに言った。


「弥生さんの着付けは、おばあ様から習ったと聞きました。とてもお上手にできていましたよ」

 お母様は私を褒めてくれた。すごく嬉しいかも。

 祖母は、一臣様のお母様が私のことを受け入れていないと、そう聞いていたからか、かなり驚いた表情を見せた。


「おばあ様。着付けをお母様が手伝ってくださったんです」

「まあ!良かったわね。弥生」

 その言葉で、お母様が私を受け入れてくれたんだとそう祖母は思ったのか、目を潤ませた。


「今日は、弥生さんの琴の演奏があると聞いています。とても楽しみにしています」

 お母様は静かにそう言って、軽く会釈をすると、

「では…」

と言ってその場を立ち去り、それから広間にいたいろんな人ににこやかに挨拶をしていた。


「弥生。良かったわね」

「はい、おばあ様」

「この分だと、今日のお披露目もすべてがうまくいくな」

 社長はそう言うと、にこにこと私たちに微笑み、人ごみの中へと消えて行った。


「お披露目?」

「弥生を候補者の中から選び、みんなにお披露目するんだろ」

 如月お兄様は一言そう言うと、

「社長と社長夫人が弥生を気に入ってくれたのは認める。だが、本人の一臣氏はどうなんだ?だいたい、彼はどこにいるんだ?」

と、怖い顔で聞いてきた。


「如月。一臣氏はいろんな人にとっつかまっているよ。見たことのある顔ばかりだ。政治家や、ホテル王、それから、銀行の頭取。多分候補者の親御さんだろう」

「父さんも候補者の親ですよね?一番に挨拶に来てもいいんじゃないですか?」

 父の言葉に、ますます如月お兄様は怒り出した。


「まあ、まあ。そんなに怒るなよ」

「怒りたくもなりますよ。一度は弥生を悲しませ、婚約を解消するとまで弥生は決意したのにもかかわらず、また勝手に屋敷に連れ戻して」

「勝手に連れ戻されていません。自分の意思でです」

 私は強気で兄にそう言った。


「如月兄さん。一臣氏は、ちゃんと弥生のことを大事に思っていますよ。ね?父さん」

「ああ。確認しに行ったからな」

 父は卯月お兄様の言葉に頷いた。だが、如月お兄様はまだ、納得していないようで、

「騙されたんじゃないですか?」

と眉間にしわを寄せ、父に聞いた。


「そんなことないですっ!いい加減、如月お兄様も一臣様のことを認めてください」

 私がそう言うと、如月お兄様はたじろいだ。

 そうか。私がこれだけ強気でいたら、如月お兄様も何も言えなくなるんだな。

 よ~~し!


 社長やお母様という、強い味方もいるんだし、強気になっちゃうぞ!

 向かうところ敵なし!


 ………。かな?一族の皆に受け入れてもらえるかどうかは、多少不安はあるけれど、一臣様だっていてくれるんだから、大丈夫。


 さあ、琴の演奏も頑張るぞっ!


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