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ビバ!政略結婚  作者: よだ ちかこ
第4章 ロマンもムードもない
51/195

~その11~ 動き出した企画

 携帯をトイレから引きあげ、開いてみた。やっぱり、機能は停止していた。

「ああ…」

 がっかりだ。


 知り合いのメールアドレスや携帯の番号は、自分のPCにもきちんと保存してあるので、そんなに問題はない。ただ、最近メールをいただいた、一臣様のアドレスも携帯の番号も保存しておかなかったので、また聞かないとならない。

「教えてくれるかな」

 そんな不安がちらりと浮かんだ。


 それに、一臣様からのメールも消えてしまった。短い文章だったとはいえ、たまに家で一人でいる時に見て、励まされていたのに…。


 秘書課の部屋に戻ると、素知らぬ顔で三田さんはもう仕事に取り掛かっていた。

「くすくす」

 三田さん派の秘書たちが私を見て、なぜか笑っている。


「トイレに携帯落としたのにも気づかなかったんだって」

「絶対に、ぼけてるよね。きっとまた、失敗でもして、こっぴどく一臣様に叱られるんじゃない?」

「それで、クビにでもなったらいいのに」


 聞こえてるってば!こういうことを平気で今までも、この人たちは言ってきたわけ?そりゃ、精神的に弱い人なら、3ヶ月で鬱になるかもしれない。

 でも、残念でした!私はそんなに弱くないんです!


 一臣様に嫌われたり、一臣様と別れる、なんてことになったら、めちゃくちゃ凹むけど、それ以外だったら、そうそう落ち込まないし、凹まないし、へこたれたりもしないんだから。


 どっちかっていえば、なにくそって、力湧いてきちゃうくらい、私はパワフルな人間なんですーーーー!


 てなわけで、午後は一臣様に呼ばれていたので、とっとと私は細川女史に、

「15階にいってきます」

と言って、部屋を出た。手には水没した携帯と、自分の手帳を持って。


 15階に行くと、一臣様のオフィスの受付に樋口さんが座っていた。

「あの、樋口さん」

「弥生様、一臣様がお待ちですよ」

「その前に、報告しておいた方がいいかと思って」


「…何か問題でも?」

「はい。実は、私の携帯なんですが」

 なんだか、ちょっと告げ口をしているみたいで嫌だけど、でも、このままほっておけないし、自分でどうにかできる範囲のことじゃないもんなあ。相談って形でしてみようかな。


「今日、秘書課の部屋のデスクの引き出しに入れて、そのままお昼に行っちゃったんです。それで戻ってきたら、引き出しにはなくて、トイレの中に落ちていたんです」

「トイレ?14階のですか?」


「はい。水没していました」

「…ふ~む」

 樋口さんは、しばらく腕を組んで黙り込んだ。


「あの…。以前にも、そんなことがあったと聞いたんですが」

 私は思い切って、そう切り出してみた。

「はい。板橋さんという、昨年3ヶ月で辞めてしまった秘書の人がいまして。その人の携帯もトイレに落とされていました」


「…」

 やっぱり。

「このことを知っているのは?」

「江古田さんと、大塚さんも知っていますし、トイレには他にも秘書の方がいました」

「……そうですか。わかりました。ちょっと調べてみましょう」


「はい。よろしくお願いします」

「それで、携帯は?」

「あ、これです。もう使えなくなってしまっていて…」

「貸してください。データは修復できるかもしれません」


「え?本当に?」

「はい。ただ、携帯は買い替えるようになるかもしれませんが」

「あ、はい…」

「一臣様にも知らせておいた方がいいですね。今、話しましょう」


「大ごとになったりしませんか?」

「大丈夫ですよ」

 樋口さんはそう言うと、インターホンで、

「弥生様がお見えになりました」

と一臣様に告げた。


「ああ、入れ」

「それと、一つ一臣様にご報告することがありまして。よろしいですか?」

「なんだ?」

「では、弥生様とご一緒にお部屋でお話しさせていただきます」

 そう言うと、樋口さんはインターホンを切り、私と一緒に一臣様の部屋に入った。


「どうした?何か、秘書課で問題でも起きたか?」

 一臣様は、デスクでパソコンを開いて仕事をしている最中だった。

「はい。どうやら、誰か秘書課の人間が、弥生様の携帯を引き出しから盗み出し、トイレに水没させたようなんです」


「……板橋の時と同じ手口だな?」

「はい。同一犯かはわかりませんが」

「三田だろ」

 うわ。一臣様、ずばっと言い切った!


「今から、監視室に行って、秘書課のカメラをチェックしてまいります」

 そう言うと、樋口さんはさっさと部屋を出て行った。


「秘書課のカメラ?」

「監視カメラだ。秘書課にもちゃんとついているんだ」

 知らなかった。


「板橋の時には、とうやら、ロッカー室で携帯を盗まれたようだから、犯人が誰なのか特定できなかったんだがな」

「え?」

「ロッカー室では着替えもするかもしれないだろ。さすがに、女子の着替えを監視カメラで撮るわけにはいかないからな。ロッカー室には監視カメラはついていないぞ。廊下側のロッカー室の入り口にはつけてあるんだが…」

 あ、そっか。着替えをする可能性もあるのか…。でも、制服があるわけでもないし、着替えることってあるのかなあ。


「本当はつけたいくらいなんだがなあ。監視カメラもないし、ロッカー室で何か起きても、すぐに助けに行くこともできない…。だから、弥生はあまりロッカー室を使わないほうが…。ああ、そうか。お前これから、お前の荷物、いつも俺の部屋においておけ。ロッカー室を使わないで済むんだから、安全だ」

「え、えっと。でも…。お弁当とか取り出しにくるの面倒かも」


「面倒だと?俺の部屋に来るのが面倒なのかよ。ああ、そうか。わかったよ。じゃ、もう2度と15階に来るな!」

「い、嫌です。誤解です!」

 そう慌てて言ってから、はたと気が付いた。


「あれ?じゃあ、朝会社に来たら、すぐ15階に来ていいんですね」

「…」

 あ、一臣様、へそ曲げた。口きいてくれない。


「それで、お昼にも15階に来ていいんですね。荷物が必要なたびに、一臣様の部屋に来れるってことは、そのたびに一臣様にも会える…」

「そんなに頻繁に俺は、部屋にいるわけじゃないっ。ふん!どうせ、俺に会いたいわけじゃないんだろうけどな」


「会いたいですっ!本当だったら、一分一秒だって離れていたくないくらいに」

「ストップ。それ以上言うな、気持ち悪い」

 グッサリ。

 なんなの?さっきは、へそ曲げたくせに~~。


「さてと」

 一臣様は真面目な顔になり、椅子に深く腰掛けなおした。

「もし、三田だってわかったら、どうするかな」

「板橋さんの時には、板橋さんが辞めちゃったんですか?」


「ああ、鬱になっちゃってな…。お前は大丈夫か?大塚にもやられていたし、エロ専務にもセクハラされたし」

「一臣様にもセクハラ…」

「俺?していないだろっ!っていうか、俺はフィアンセなんだからいいんだよ!」


「……」

 ちょっと、いつも嫌味を言われるから仕返してみただけなんだけど、怒られちゃった。

「う…。いや、俺のことはさておき、お前、大丈夫なのか?」

 さておいちゃうわけ?


「何がですか?」

 キョトンとして聞くと、一臣様は、

「…あ、ああ。なんか、大丈夫みたいだな」

と、私の顔をまじまじと見てから、そう呟いた。


「あ、まさか、私が鬱にでもなっていないかって、心配してくれたんですか?」

「板橋がなんで鬱になったかまでは、俺も調べなかったんだが、どうも、秘書課内で精神的に辛いことがあって、鬱になったんじゃないかと、そう葛西が言っていたからな」


「葛西さんはどんなことがあったかまでは、把握していなかったんですか?」

「三田が何かやったんじゃないかと、そんなことを大塚が言っていたらしいが、葛西は、三田に聞いたら何も知らないと言うので、その言葉を信じたらしいんだが」

 え。信じちゃったのか…。


「三田と大塚は派閥争いまでしていたらしいし、いいように大塚が三田を貶めるために、そう言ったんじゃないかと、そう葛西は判断していたが、樋口は、なんとなく三田を疑っていた」

「……」

「でも、真相はつかめないまま、板橋は辞めてしまったしな…」


「あの、私だったら、本当に大丈夫ですよ。それに、何かあったら、樋口さんや細川女史に相談しますし、江古田さんも力強い味方なんです。それに、秘書課だけじゃなくって、私には庶務課の臼井課長もいます。あ、日陰さんも守ってくれてるんですよね」

「ああ、日陰にも話を聞いてみるか」


「それから、庶務課にもう一人、力強い相談相手ができたので」

「……誰だ?今は臼井課長だけだろ?」

「来週から庶務課に行く、大塚さん…」

「…………は?」


 しばらく無言になってから、一臣様が、口をあんぐりと開けた。

「大塚ってのは、秘書課にいる…あの大塚か?」

「はい」

「何を言ってるんだ。あいつは、やばいだろ?」


「いいえ!確かに、新人いびりをする、ちょっと、いえ、かなり嫌な奴ですけど、意外と私、仲良くなれそうなんで…」

「は…。はははははは!」

 あ、また笑われた。


「何だってお前は、誰でも仲良しになっちゃうんだよ。って、まだなっていないのか?もし、無理に仲良くしようとしているなら、無理するなよな」

「もう、仲良くなっちゃいました。大塚さん、いつでも相談に乗ってくれるようです」


「……」

 一臣様は眉間にしわを寄せて私を見てから、また、

「ブハ!はははははは!」

と大笑いをしてしまった。


「お前、なんだっていっつも、俺の想像を上回るんだよ。ほんと、お前のこと、俺は読めないよ。意表突かれる!」

「すみません…」

「ははは。面白いよな。お前。面白すぎだろ!」


 まだ笑ってる…。そんなに面白いことだったかな。そりゃ、私も、自分でびっくりはしていたけど…。

「腹いて~~~。そうか。まあ、大塚の本性はまだわからないし、それを調べるつもりで庶務課に飛ばしたんだ。だから、そんなにお前も大塚に深入りするなよな」

「本性?」


「ああ。あいつはコネで緒方商事に入ってきた。あいつは、緒方商事の取引先の娘なんだ」

「…」

「取引先とはいえ、ライバル社でもある商社だ。あまり、信用できない会社なんだよ」

「え?」


「なんだって、そんなやつ、秘書課に入れたんだか、人事部の考えもわからんが…。裏で何かあるのか、ちょっと調べてみたくてな」

 そうなんだ。そうやって、一つずつ、怪しい人物は調べていくんだな…。


「人事も、変なやつばっかり秘書課に入れて来るし。まともなやつなんか、今の秘書課にいるか?いないだろ?」

「そんなことないです。江古田さんはちゃんと仕事していますし」

「ああ、江古田くらいだ。あとは、まあ、湯島はましなやつだな。だが、女子社員はどうも、なんかあるみたいなんだよなあ」


「……なんかっていうと?」

「う~~ん。なんかだよ、何か…。人事のやつらを、今、臼井課長が探っているんだが…」

「そんなことも、臼井課長はするんですね」

「いや、そんなことじゃなく、そっちが本来の仕事だ」


 あ、そうか。そうなんだ。

 なんだか、刑事みたい。じゃなきゃ探偵?すごいなあ。


「おい。何を目を輝かせている。それより、仕事だ!」

「あ、はい」

 一臣様から資料をドバっと渡された。

「それを、ちゃんと読んでおけよ。今日の3時半から会議だ。お前にも出てもらうからな」

「あ、はいっ!」


 私はソファに座って、その資料を読みだした。一臣様も静かにまた、パソコンで仕事を再開した。そして、時々一臣様は、コーヒーを飲んで、ふうっと溜息を吐く。


 大変なのかな。それとも、疲れているのかな。

「肩でも揉みましょうか?」

「いや、いい」

 あちゃ。断られた。揉んであげたかったのになあ。


「弥生」

「はい?」

「………」

 何かな?黙って私をじっと見ているけど。あ、化粧が変とか?


「なんでもない」

 一臣様はそう言うと、またパソコンに向かった。


 なんだったんだろう…。


 そして3時半から、10階の会議室で、機械金属部の会議があり、それに出席した。一臣様は、どこの会議にでも駆り出されるのかなあ、なんて、呑気なことを思っていると、会議室には、子会社の社長や、町工場の工場長が次々に入ってきた。


 これは、もしかして?と思いながら、会議室の隅で邪魔にならないよう立って入ってくる人を見ていると、私が勤めていた鉄工所の工場長も現れた。


「あ!大門だいもんさん~~!」

 思わず私は、工場長のもとに駆け寄ってしまった。

「弥生ちゃん!久しぶりだね」

「本当にお久しぶりです。お会いできて嬉しいです!大門さん、元気そう!」


「ああ、元気だよ。弥生ちゃんはなんだか、垢抜けちゃったね。一瞬わからなかったよ。綺麗になっちゃったんで」

「えええ?そ、そんなに変わらないですよ」

「いやいや。こんなに綺麗になっちゃうなら、息子も嫁にしたいって言っていたかもしれないなあ」


 ゴホンゴホンゴホン!

 大門さんがそんな冗談を言うと、私の後ろから一臣様が咳払いをしながら近づいてきて、

「弥生。私語は慎め。会議が終わってからだ」

と小声で注意されてしまった。


「あ!もしや、緒方財閥の御曹司の一臣氏ですか?」

「はい、そうですが」

「いや~~。何か新しいことを考えて、子会社や町工場の人間を集め出したって…。まさか、工場閉鎖や、大幅なリストラなんかじゃないですよね?」


「違いますよ、大門さん!その逆です。子会社や町工場に埋もれている素晴らしい人材を、これから伸ばしていこうっていう、そういう画期的な企画なんです」

と、私が勝手なことを大きな声で口走ると、会議室の中が騒然としてしまった。


「弥生!」

「すみません。違ってましたか?」

「いや。その通りだが…。そうだ。弥生、お前も会議の中でちゃんと発言しろよ。これはお前の言い出した案なんだからな」

「は?」


「は?じゃない。お前が言いだしっぺだろ?責任もてよな」

 え~~~~!!!!

 真っ青になっていると、隣で大門さんがにこにこしながら、

「すごいなあ。そんなアイデアを提案してくれたのかい?さすが弥生ちゃんだ。それももう、弥生ちゃんの案を会社が取り上げてくれるなんて、すごい出世じゃないか!」

と、喜びだした。


「え、えっと」

 すると、千川さんも会議室に入ってきた。顏がおどおどしていて、かなり緊張しているようだ。なんだって、自分がこんなところに呼び出されたんだろうっていう、そんな顔をしている。


「千川さん」

 私が呼ぶと、私と大門さんに気が付き、千川さんの顔はほころんだ。

「ああ、弥生ちゃんじゃないか。君、なんだってここに?あ、そうか。今、緒方商事にいるんだっけね。ああ、知っている人がいてほっとしたよ」


「千川さんも呼ばれたんですねっ!一臣様、覚えててくれたんだ」

「え?な、なんのことかな?弥生ちゃん」

「楽しみですね!」

 さっきは、真っ青になったが、だんだんとワクワクしてきた。


 一臣様はまた私の横にやってきて、

「君が千川君?」

と、千川さんに声をかけた。


「千川君、緒方財閥の御曹司の一臣氏だよ」

 大門さんがそう紹介すると、千川さんの顔は思い切り引きつり、

「あ、あ、あ、あ、初めまして。えっと、わたしはなんで今日、呼ばれたのでしょうか。何か、問題でも起こしてしまったのでしょうか?」

と顔を真っ白にさせた。


「いいや。千川君は弥生が、ものすごい設計図をかくと俺に推薦した。だから呼んだんだ」

「え?!!!や、弥生ちゃんが?!!」

「はい。千川さんの素晴らしい才能、埋もれさせていてはもったいないですから。緒方財閥の宝になりますよ!」

「い、いや。僕なんて、そんな…」

 千川さんの顔色はもっと悪化したように見えた。


「弥生。会議が始まって、俺が呼ぶまでは、端の椅子に座っていろ」

「はい」

 私は、樋口さんの座っている椅子の横に腰かけた。


「いよいよですね」

 樋口さんは、小声でそっと私に話しかけてきた。

「はい。びっくりしました。さっき、資料を渡されて見ていたんですが、機械金属のことばかりで、特に他のことは書かれていなかったので」


「あれ?そうですか?じゃあ、これは読まれていませんか?」

「え?この資料はもらっていないです」

「じゃあ、一臣様、渡しそびれたのかもしれないですね。はい。今、ざっと目を通したほうがいいですよ」

 そう言われて、私は慌てて斜め読みした。


 その資料には、各子会社、各町工場の名前や所在地、それから、何を製造しているか、業績などなど、そういった情報が書かれていた。


 そして、機械金属部の部長の挨拶で会議が始まった。そのあと、一臣様が正面に立って話し出した。

 わあ。なんか、今までああやって、会議中に説明をする一臣様を見てこなかったからか、とっても新鮮だ。


 かっこいいなあ。声も、眼差しも、立ち姿も全部素敵。

 なんて、うっとりと一臣様を見つめていると、ふっと視線が合った。

 わ。目が合っちゃった!


 なんて喜んでいると、

「この企画の提案者の上条を紹介します。上条、前に来て挨拶をしてくれ」

と、私に向かって一臣様が言って来た。


 あ、挨拶?うわ。そうだった!すっかり忘れてた!

 私は緊張しまくりながら席を立ち、ぎくしゃくと一臣様の隣まで歩いて行った。

 ドキドキ!会議で話をするだなんて初体験だ!




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