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ビバ!政略結婚  作者: よだ ちかこ
第12章 気弱な私
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~その1~ 怒る一臣さん

 午後、矢部さんが翌日の会議の資料を作成すると言うので、私はその手伝いをした。20部資料をコピーして、中を確認しながら、ホチキス止めをする。

「これって、海外事業部の資料ですね」

「はい。そうです」


 中を確認している時に、兄の名前も出てきたので気が付いた。

「明日、我が社で会議があるんですか?」

 江古田さんに聞いてみると、

「はい。10階の会議室で、合同会議があると聞いています」

と江古田さんはパソコンを打つ手を止めて教えてくれた。


「確か、一臣様からの依頼でしたよね?矢部さん」

「はい。明日、この会議に出席するとおっしゃっていました」

 矢部さんもホチキス止めをしながら、そう言った。


 そうか。海外事業部の会議には、私は出ないでいいと言っていたけれど、一臣さんは出席するんだなあ。


 一臣さんっていったいいくつの仕事を掛け持ちしているんだろう。機械金属のプロジェクトもあるし、海外事業部の会議にも出るし、他にもいくつか今問題を抱えているみたいだし。

 私が関わっているのは、機械金属のプロジェクトだけ…。


 資料を作り終え、細川女史からファイルを渡され、エクセルの資料作りを私は始めた。すると、そこにいきなり一臣さんが現れた。


 一臣さんはバタンとドアを開け、中にズカズカと入ってくると、

「矢部。頼んでいた資料はできたか」

と、矢部さんに向かって聞いた。

「はい。もう20部作り終えました」

 矢部さんは、テキパキとそう答えた。その隣で、目を輝かせながら、鴨居さんが一臣さんを見ている。


「じゃあ、預かっておく。それから、アヒル、データ入力はできたか」

「はい。午前中に終わらせました」

 鴨居さんは、頬を高揚させ嬉しそうにそう言った。すると一臣さんは、鴨居さんが打ちこんだデータをUSBメモリーにコピーしながら、

「仕事早くなったな」

と、優しく鴨居さんに声をかけた。


 鴨居さんはすぐ隣に立っている一臣さんを、うっとりとした顔で見つめている。

 ああ。またジェラシーだ。私ってなんだってこんなに、心が狭いんだろう。一臣さんはちゃんと鴨居さんの仕事を認めて優しい声をかけているのに、そんなことにまで嫉妬してしまうなんて。


 仕事に集中、集中。気持ちを切り替えないと!


「細川女史、樋口が打ち合わせをしたいと言っているんだ。今、席外せるか?」

「はい。わかりました」

 細川女史は一臣さんと一緒に、秘書課の部屋を出て行った。


「あら。行っちゃった」

 大塚さんがそう言って、私の顔をちらっと見た。

「上条さんには何も声、かけなかったわね」

 小声で大塚さんはそう言うと、前を向いてパソコンを打ち始めた。


 大塚さんの言葉を聞いた鴨居さんが、私をちらっと見てから、少し口元を緩めた。それから、必死に顔を真顔に戻そうとしているのがわかった。

 きっと、自分だけ仕事を褒められ、嬉しかったんだろうな。


 ダメだ。また暗くなってしまった。私には何も用がないんだもん。用もないのに声をかけてきたりしないよね…。

 だとしても、暗い。こんなことぐらいで落ち込んじゃうなんて…。


 細川女史は、30分もしないうちに戻ってきた。そして自分の席に江古田さんを呼んで、何やら仕事を教え始めた。最近やけに江古田さんに、仕事を教え込んでいるな。江古田さんは「はい、はい」と顔を険しくしながら答えている。


「ダメだ。仕事に集中しないと」

 突然、鴨居さんの独り言が聞こえた。ちらっと鴨居さんを見ると、また顔がほころんでいる。

「でも、一臣様に仕事を認めてもらえるのって、嬉しいものですよね。上条さんもそうでしたか?」

「え?」


「やっぱり、一臣様ってお優しいですよね。私、もっともっと頑張って、一臣様の秘書になりたいって、本気で思っているんです」

「そ、そうですか。頑張ってください」

「上条さんは一臣様の秘書なんですよね?」


「え?」

「羨ましいです。でも、私も頑張ります。ほら、前に信頼関係を持てたら、秘書になれるって上条さん言っていましたよね?私、最近、一臣様と信頼関係を持てそうな予感がするんです」

 チクリ。なんだ?今、胸に何かが突き刺さったような痛みが走った。


「頑張ってください」

 私は必死に笑顔を作り、鴨居さんにそれだけ言って、またパソコンのほうを向いた。鴨居さんからは、幸せオーラが私のほうまで飛んできていた。


 ちらっと大塚さんの視線を感じた。

「明日、勝負して」

 声を出さず、口だけ動かして大塚さんが私にそう訴えた。

 勝負?あ。ガーターベルトのこと?


 そうだった。そんなものを私は買っちゃったんだっけ。でも、そんなものを履く勇気もないし、見せる勇気もないよ。


 いけない、いけない。仕事に集中。さっきから、まったく仕事がはかどっていない。

 私は気合を入れるために、水をゴクンと飲んで、ほっぺをパンパンと叩き、また集中し始めた。そして、4時も過ぎた頃、また一臣さんが秘書課にやってきた。


 だけど、今度は怒りのオーラを出しまくっていた。

 バタン!!!ドアを開ける音も違ったし、入ってくるなり、仁王立ちをしている。


 なんだろう。何に怒っているのかな。あ、もしかして、さっき鴨居さんの入力したデータを持って行ったけど、何かミスでもあったのかな。まさか、またデータ消しちゃったとか?


「矢部!」

 え?矢部さんのミス?

「はい?!」

 矢部さんが、一臣さんの冷たい怖い声を聞き、一瞬飛び上がった。


「資料、20部ちゃんと作成しましたと、さっき俺に報告したな?」

「はい」

 え?明日使う資料だよね。

「中まで確認して、揃えたんだよな?」


「はい…」

 矢部さんが体を小さくしながら返事をした。すると、一臣さんは矢部さんのデスクにバサッと資料を一部開いたまま置いて、

「この部分はなんだ。重複して印刷されているし、次のページは抜け落ちている部分があるぞ!」

と、声を大にして矢部さんに指摘した。


「え?」

 矢部さんは顔を青くして、資料を見た。

「あ!私の入力ミスです」

 一瞬資料を見た矢部さんは、すぐに一臣さんのほうを向き、謝った。


「このデータ入力のチェックは誰がした?弥生か?」

「はい。私です。今日の午前中チェックしました」

「このページもチェックしたんだよな?」

「はい。全部チェックして、何も問題がなかったから…」

 待って。そういえば、きっと矢部さんのことだから間違いもないだろうって、私、かなりいい加減にチェックしちゃったかもしれない。


「資料作成は矢部が全部したのか?」

 また、一臣さんは矢部さんを見ながらそう聞いた。

「中身のチェックは私がしました」

 私は一臣さんに、正直にそう言った。


「弥生が?」

「はい…」

 秘書課全体が静まり返っていた。大塚さん、江古田さん、町田さんはじっと席に座ったまま、大人しく俯いていた。

 矢部さんも暗い顔でじっと俯いている。だけど、鴨居さんは違っていた。しっかりと一臣さんのほうを体ごと向けて、話を聞いている。


「データのチェックも、資料作りのチェックも弥生がしたんだな?」

 一臣さんは、怖い声で確認してきた。

「はい。すみませんでした。ミスに気付けませんでした」

 私は頭を下げた。


「やり直しだ!明日の朝から使う資料だ。今日中にさっさと入力間違いを直して、資料を作り直せ!」

「はい」

 私と矢部さんがほとんど同時に返事をした。そして、すぐに矢部さんはパソコンでデータを直し始め、私は資料のホチキスを外しだした。


「手伝います」

 大塚さんと江古田さんがそう言って、ホチキスを外すのを手伝ってくれた。


「弥生」

「はい」

 一臣さんが仁王立ちをして私のデスクの横に立った。

「たるんでいるぞ。秘書課の新人の教育は、お前が任されているんだろう?新人のミスはお前の責任なんだぞ」

「はい」


 一臣さんが怒っている。本気で怒っている時の顔つきだ。声も怖い。

「以後、気を付けます」

 私は、席を立ってまたぺこりとお辞儀をした。


「すみませんでした。私の不注意でした。申し訳ありません」

 慌てて、矢部さんも立ち上がり、一臣さんに謝った。

「矢部はいい。ミスを気づけなかった弥生に責任がある」

「え?」

 矢部さんが驚いた顔をして、顔を上げた。


「お前はこれから、いろんな人間の上に立つことになるんだ。そういうやつらのミスも、お前が責任を持って対処しないとならないんだぞ」

「はい」

「もっと気を引き締めろ!」


「はい。すみませんでした…」

 私のミスだ。だから、怒られて当たり前だ。ちゃんと受け止めないとならないし、一臣さんが怒るのも理解できているはずなのに、ものすごく心が弱っていく。


「直し終えたら、弥生、俺の部屋に持って来い」

「はい…」


 一臣さんはそう言って、秘書課の部屋を出ようとした。だが、ドアのところに、青山さんと龍二さんが立っているのを見て、一臣さんは立ち止まった。


「龍二?なんの用だ」

「親父に、会社を見ておけって言われてさ。青山さんに一階から案内してもらってるんだよ」

「それで秘書課も見に来たのか?」


「ふ~~~ん。あんた、仕事もできないんだな。使えないね」

 龍二さんは私に向かってそう言ってきた。ああ、またいつもの嫌味か。でも、今は元気がない分、龍二さんの言葉が堪えるな…。


 きっと、いつもみたいに嫌な顔つきで私を笑ってみているんだろうな。そんな顔見たくないと思いつつ、ちらっと視線を上げて龍二さんの顔を見ると、龍二さんはなぜか、目を細め、苦しいような、切ないような、そんな目で私を見ていた。


 ?!いつもと違うけど、なんで?


「龍二、ここはいいから、他のところを見学に行け。青山さん、龍二を他のところに連れて行ってあげてくれ」

「はい。では、龍二様、14階にある会議室と応接室を案内します」

 青山さんはそう言って、龍二さんを引き連れ部屋を出て行った。でも、部屋を出て行く時にも、龍二さんは私をちらっと見ていた。


「終わったら、すぐに持って来いよ。弥生」

「え?はい」

 一臣さんも、ドアをバタンと閉め、秘書課を後にした。

「こ、怖い。やっぱり、一臣様、怖いじゃない。でも、弥生…じゃなくって、上条さんをあんなに怒らないでも」

 大塚さんがふうっと息を吐きながら、そう言った。


「すみません!私のせいで、上条さんが怒られて。私がミスをしたのに!」

 立ち上がり、深々と矢部さんが私に謝った。

「いいえ。私のミスです。私が気が付いていたら、一臣さんに迷惑もかけなかったし、矢部さんも怒られることがなかったんです」


「だけど、あんなに怒らないでも」

 大塚さんはまだ、そんなことを言っている。

「話はあとで!早くにその資料を作り直して」

 細川女史の一声で、私たちはまた黙々と作業を始めた。


 15分もしないうちに、資料を20部直すことができた。大塚さん、江古田さん、そして細川女史まで手伝ってくれたので、あっという間だった。


 なぜか、鴨居さんが手伝うと言った時に細川女史が、

「鴨居さんは自分の仕事を早く終わらせて」

と言って、手伝わせなかった。


「じゃあ、私、一臣さんのところに届けてきます」

「明日の朝使う資料だから、そんなに急がないでも大丈夫よ」

 細川女史にそう言われたが、

「でも、また一臣さん、チェックをするのかもしれないし、早くに持っていきます」

と、私はすぐさま秘書課を出た。


 そして、14階のエレベーターホールで、龍二さんと青山さんに出くわしてしまった。

「あ、さっきの無事終わったわけ?」

 私を見て龍二さんはそう聞いてきた。

「はい」


 私は龍二さんの顔も見ず答えたが、龍二さんは私をまじまじと見てきて、つい気になり龍二さんの顔を見てしまった。

「泣いてないのか」

「泣きません。あんなことくらいで」


「へえ。逞しいんだな」

「……」

「もしかして、兄貴に怒鳴られ慣れているとか?」

「……」


 私は何も答えず、また真ん前を向いた。エレベーターはすぐにやってきて、青山さんが私と龍二さんを、

「どうぞ」

と先に通してくれた。

 

 だが、その気遣いが悪かった。龍二さんは、

「あんたはいいや、こないでも。俺、こいつに話があるから」

と言って、青山さんがエレベーターに乗るのを遮り、閉じるボタンを押してしまった。


「あ!」

 私は慌ててエレベーターを開こうとしたが、さっさと龍二さんはカードキーも差し込み、15階のボタンを押した。


 エレベーターのドアは閉まった。閉まる寸前まで、青山さんは何もせず、ドアの前に突っ立ったままでいた。

 なんで?乗り込んできてくれても良かったのに!


 どうしよう。こんな密室に二人きりだよ。

 ううん。15階まであっという間だし、大丈夫だよね。


「あんたさあ」

「はい?」

 私は、龍二さんから離れて立って、警戒しながら答えた。


「兄貴と結婚しても、不幸になるだけだよ」

「え?」

「上条グループの子育て方法は一風変わっていて、逞しく生きられるようになるとは聞いているけどさ、でも、いくら逞しくなったとはいえ、あんた、一応、兄貴のことは大学の時から好きなんだろ?」


「知っているんですか?」

「ああ。ストーカーと言われるくらい、兄貴につきまとっていたって」

「つきまとってなんていません…」

「だけど、兄貴のことを好きだったわけだろ?」


 私はコクンと正直に頷いた。ここは嘘をつかないでもいいところだよね。

「それで、大好きな相手と結婚できるって、あんたは喜んでいるかもしれないけど、兄貴に思い切り嫌われているみたいだしさ」


 そうか。龍二さんの目からはそう映って見えたのか。そう演技をしていたわけだから、喜ぶところかな。でも、あんまり嫌われている、嫌われているって言ってほしくないな。今は、そんな言葉も傷ついてしまう。


「あんたが上条グループのお嬢様だから、兄貴だって仕方なく結婚する気になったんだ。おふくろは気に入ったって言っていたけど、でも、結局あんたは、上条グループって肩書きだけで、緒方家にやってくるわけだしさ」

「…そ、それが何か?」

「肩書きだけしか、あんたは見られていないってこと。あんた自身は、どうでもいいんだよ」

 グサリ。そんなことはないってわかってはいても、その言葉に傷ついてしまう。


「あのでかい屋敷にいたって、あんた、兄貴にも相手にされず、会社でまであんなふうに怒鳴られて、逃げたくならない?」

「え?」

「兄貴、会社では仲いいふりしているのかと思ったら、違うんだな。本当に外だけで仲いいふりをして、社内ではあんたにあんなに冷たいんだな」


 あれは、きっと私がミスしたから…。いつも冷たいわけじゃないんだけどな。


「よく、あんたは平気でいられるね。いくら逞しいって言っても、限度あるだろ」

「………」

「まあ、いいけどさ」

 15階にエレベーターは着いた。


 龍二さんは、先にエレベーターを降りた。私もそのあとに続くと、龍二さんは私に一歩近づき、

「社内でも、どんなやつがいるかわかんないし、スパイとかも潜んでいるからさ、あんた、一人ではうろつくなよ。まあ、15階まで変な奴は入ってこれないと思うけどね」

と、そんなことを耳打ちして、廊下を歩いて行ってしまった。


 ???

 なんだったんだ。龍二さんは。いつもの嫌味ともまた違う。だいいち、いつもみたいな憎らしい口調でも、顔つきでもなかった。最後なんて、本気で心配しているふうだったし。


「はあ」

 一回息を吐いた。それから、深呼吸をして気を取り直し、私は一臣さんのオフィスにIDをかざした。

「失礼します」

 そう言ってドアを開けると、樋口さんがいた。


「一臣さん、お部屋にいますか?」

「今はいらっしゃいません。資料でしたら私が受け取りますよ」

「え?いないんですか?」

 かなり、勇気を持ってきたのにな。また、怒られるかもって思いながら。


「一臣さんはどこに?」

「社長室です」

「樋口さんはご一緒じゃなかったんですか?」

「弥生様が資料を持って来たら受け取ってくれと頼まれましたので。早かったですね。さすが弥生様です。きっと10分か、15分で来ると、一臣様もおっしゃっていましたよ」


「そうですか…」

 ドヨン。怒られるのは嫌だったけれど、顔は見たかったな。


「じゃあ、私はこれで」

「弥生様。お昼に何か買い物に行かれたとか」

「は?」

「いつも、日陰氏が報告しに来られるんですが、その買い物に関しては、あまり詳しく報告がなかったので」


「あ。あれは、その、大塚さんに付き合って、女性ものの下着を…」

「あ!そうでしたか。失礼しました」

「そんなにいつも、日陰さんは私のことを見ているんですか?」

「はい。お守りしていますよ」


 お守りしている…。でも、監視されているとか、見張られているっていう気もしちゃう。


 あ。だけど、龍二さんも一人でうろつくなって言っていたっけ。そんなに、危険なことがあるかもしれないってことなのかな。


「では、弥生様。この資料は確かに受け取りましたので、14階にお戻りになって仕事の続きをしてくださっていいですよ」

 樋口さんは優しく微笑みながら、そう言ってくれた。


「はい。それじゃあ…」

 私はまたとぼとぼと、14階に戻った。

 ああ。気持ちはあがらないままだ。


 秘書課に入ると、矢部さんが心配そうに、

「怒られませんでしたか?」

と聞いてきた。

「今、一臣さんいらっしゃらなくて、樋口さんに渡してきました」


「そうですか」

 矢部さんは、また私に謝った。でも、私は「気にしないで」と矢部さんに言った。

 誰だって失敗はある。矢部さんに至っては、今まで完璧だったんだもん。逆にすごいと思う。


 でも…。

 鴨居さんは、なぜか意気揚々とした表情でパソコンを打っていた。心のうちはなんとなくわかる。自分だけが一臣さんに優しくしてもらっている。そんな気持ちでいるんだろうな。


 なんでかなあ。そりゃ、私は鴨居さんをとっちめないでと一臣さんに言ったし、セクハラの時も、鴨居さんは泣いたりして、そりゃ、あんまり強くないのかもしれないなあと私も感じたけれど。

 矢部さんに対しても、直接怒らないで、矢部さんの指導をしていた私を怒った。


 この違いって、なんなんだろう。

 ああ。また、落ち込んでいく…。もう、そろそろ立ち直ろうよ、私。


 そう思いつつも、気持ちはずっと沈んだままだった。



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