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ビバ!政略結婚  作者: よだ ちかこ
第10章 甘いフィアンセ
139/195

~その8~ 出張

 わくわく。ドキドキ。わくわく。ウキウキ。

 いや、ダメだって。仕事なんだから、気持ち引き締めないと。でも…。


「わくわくですね~~。温泉旅行」

「とっても楽しみ!景色もいいらしいし」

「温泉、肌にいいんですって。きっとつるつるになりますね」

 ダイニングにいる亜美ちゃん、トモちゃん。ううん、それだけじゃない。日野さんも他のメイドさんも、喜多見さんや国分寺さんまで、今日はなにやら浮き足立っている。


 それに時々、キッチンから、

「片付け30分で終わらせて、温泉、行くぞ~~」

とか、

「料理長!なんかお弁当でも作っていきますか?」

なんて声が聞こえてきて、コックさん達まで浮かれているのがよくわかる。


 みんなが、そんなだから、私まで浮き足立つ。

「弥生様は二日間、一臣様と二人きりなんですね」

 トモちゃんが顔を染めた。

「いいえ。仕事で行くんです。視察に行った後に寄るだけで、だから、二人きりの旅行ってわけじゃ」


「お二人は離れに泊まられるんですよね。パンフレットに載っていましたけど、離れってすごいところみたいですよ」

 私の言葉も聞かず、亜美ちゃんがそう話しかけてきた。


「え?す、すごいって?」

 どうすごいの?おんぼろだったり?

「ウッドデッキに露天風呂があって、そこから渓谷が見えるんです。渓谷を見ながら露天風呂に入れて、お部屋も二部屋あって、とにかく贅沢なお部屋らしいですよ」


「そうなの?」

「はい。それも、私たちは広間で、みんなで食事をするんですけど、離れはお部屋で夕飯を召し上がるようです」

「そうなんだ」

 大広間でみんなと食事、楽しそうだなあ。


 あ、いけない、いけない。こんなこと言い出したらまた一臣さんに怒られちゃう。


「弥生様、お時間はよろしいんですか?」

 国分寺さんがそう言ってきた。私は時計を見て、

「うわ。今日は早くに出るって言われてた」

と慌ててダイニングを飛び出した。


 朝も、昨日わくわくでなかなか寝付けなくて、さっさと私を抱きしめ、グースカ寝てしまった一臣さんに、鼻をつままれ起こされた。


 部屋に戻り、歯を磨き、口紅を塗るかどうか一瞬悩んだ。

「ん~~~。時間ないし。でも、キスしてほしいし」

 口紅を手にして私は、一臣さんの部屋に行った。


 一臣さんは、すでにスーツまできちんと着ていて、出かける準備万端だった。

「あの…」

「行くぞ」

 え?もう行くの?


「は、はい」

 慌てて部屋に戻ろうとすると、

「弥生!ちょっと待て」

と引き留められ、一臣さんは私の背中に腕を回し、キスをしてきた。


 きゅわん。キスしてもらえちゃった!

「口紅は車で塗ってやる。ほら、出るぞ」

「はい」

 

 鞄に口紅を仕舞い込み、ボストンバッグを持って部屋を出た。

「持ってやる」

 部屋の前には一臣さんが待っていて、私のボストンバッグを持ってくれた。私のバッグと一臣さんのバッグ、軽々と持って一臣さんは階段を颯爽と降りた。


 はあ。今日のスーツ姿も髪型も、とにかく全部が決まってる。

 ユリカさんに時計を返した後、おニューの時計をはめている。それもまた、男らしくてかっこいい時計だ。よくわかんないけど、ロレックスではないらしい。前のよりちょっとごつい。でも、似合っている。


 車に乗り込み、亜美ちゃんたちの、昨日よりさらにテンションがアップしている声に見送られ、車は発進した。等々力さんも、わくわくしている様子だし、樋口さんだけがいつもと同じテンションで、スケジュールを一臣さんに伝えだしたが、心なしか一臣さんも、わくわくしている感じに見える。


「そうか。宿には6時前には着けるんだな?」

「はい。道路が混んでいなければ、5時半には到着できると思います」

「よし」

 よしって…。やっぱり、一臣さんも、わくわくしているよね?


「あ、そうだった。口紅塗ってやるぞ」

 一臣さんにそう言われ、口紅を渡した。一臣さんはいつものごとく、私の顎を持って、丁寧に、でもすばやく私の口紅を塗った。


「うん。上出来だな」

 自分の腕すら褒めるようになったか…。

 そんな私と一臣さんを、樋口さんと等々力さんはちらっとバックミラー越しに見て、

「ほ~~~」

となぜか、感心したような声を上げた。


「なんだよ?」

「いえ。なんでもございません」

 樋口さんはそう言って黙ったが、等々力さんは、

「いたれり、つくせりなんですねえ」

と、そんなことを言い出した。


「う、うるさいぞ。等々力」

 一臣さんは耳を赤くしてそう言うと、ふいっと窓の外を見てぶつぶつ言いだした。

 何を言っているのかなあ。耳をそばだてて聞いてみると、

「ったく。なんなんだ。いたれり、つくせりって。俺はかいがいしい世話女房か…」

と、そんなことをぶつぶつ言っていた。


 でも、そうかも。なんか、お屋敷にいる時の一臣さんって、私の体洗ってくれたり、髪を洗ってくれたり、お腹が痛いとさすってくれたり、朝起きれないと起こしてくれたり、いつでも世話を焼いてくれている気がする。


「ああ、そうか。ペットだからな、弥生は。ちゃんと世話しないとならないわけだ。うん」

 突然、一臣さんの声の音量が上がった。今のはどうやら、みんなに聞こえるように言ったみたいだ。

 ……。ペットの世話?


「だから、弥生は手がかかるんだな。ペットだからな」

 それ、わざと言ってるよね。手がかかるしょうがないペットだから、俺が世話してやらないとならないんだって感じで。

 微妙。なんでいっつも、ペットになっちゃうのかなあ、私は。


「そりゃ、可愛らしくて、可愛らしくて、ついお世話がしたくなるペットなんでしょうねえ」

 等々力さんがそんなことを言い出した。すると、

「だから、等々力は黙って運転しろ!」

と、一臣さんはとうとう怒りだした。でも、耳、真っ赤だ。


 照れてる。

 時々一臣さんは照れる。耳を赤くして。そのあとはたいてい、

「コホン」

と咳払いをする。


 でも、こんなふうに照れるくせに、やっぱり車内では手を繋ぐし、べったり私に引っ付き、私の頭に頬ずりもする。

 なんて言いつつ、私からもべったり、くっついちゃっているんだけど。


 もし、この車がリムジンで、運転席からまったく見られないとしたら、もっともっといちゃついているのかなあ。キスしちゃったり、それも、大人のキスまでしちゃったり。

 きゃあ。やっぱり、そんなの恥ずかしい。いくら見えないとしても、やっぱり恥ずかしいよ。


 なんて、わけのわからない妄想をして、私は真っ赤になった。

「そういえば、今日は綱島も視察に行くって言ってたな。確か、日吉と行くはずが、急遽菊名と行くことになったと昨日メールが来た」

「そうなんですか?」


「ああ。日吉が体調を崩したって言っていたな」

 いきなり真面目な話になって、私の顔の火照りもおさまった。

「日吉さん、大丈夫でしょうか」

「大丈夫だろ。それより、あいつらの行く場所も、栃木じゃなかったか?樋口」


「そうですね」

「向こうで会ったりしないよな」

「それはないと思いますよ。わたくしどもが行くのは塩原のほうですが、綱島さんが行かれるのは確か、宇都宮だったと思いますので」


「そうか。あいつらは、日帰りだったよな」

「はい。そう聞いておりますが…」

「じゃあ、会うことはないな。会ったらやっかいだからな。特に菊名」

 もしかして、毛嫌いしているのかな。


「どうも、ああいう女は苦手だ。やたらと気が強く、自信過剰なタイプ」

「そうですか?でも、そういう女性とのお付き合いが多かったのではないですか?」

「何が言いたいんだ。樋口は」

「いいえ。今までの方はつまり、一臣様のタイプではなかった…ということですね」


「……ふん。そういうことだろうな」

「そうですか。気が強い方ではなく、本当に心が強い方がお好きなんですね。あとは、武道をなさる女性とか」

「だから、何が言いたいんだ、樋口は」

「いえ。ちょっと小耳にはさんだものですから。一臣様の初恋のお話を」

「え?!」


 一臣さんが一瞬真顔になってから、眉間にしわを寄せた。

「どこで聞いた?」

「どこででしょう…」

 あ、樋口さん、すっとぼけた。

「わたくしも聞きましたよ。幼少の頃、柔道で投げ飛ばされた女の子に、一臣様が恋をしてしまったお話…。可愛らしい話ですね。そんな頃もあったんですねえ。それで、結婚するとまで言い出したとか…」


「どこで、そんな話を等々力は聞いたんだ?」

「確か…、喜多見さんが前におっしゃっていました。一臣お坊ちゃまの初恋の相手は、可愛らしい武道家なんだとか。喜多見さんにも可愛い友達ができた。僕は将来、あの子と結婚する。この屋敷に出迎えるからよろしく頼んだぞと、そうおっしゃったとか」


「へえ。それは初耳です。喜多見さんに教えてもらっていませんよ。ただ、柔道で女の子に投げ飛ばされてから、一臣様が熱心に武道を習いだした…というのは、知っていましたが」

 樋口さんは、興味を抱いたのか、いつもよりも声が若干高い。

「喜多見さん、口が軽い。っていうか、俺は親父にだけじゃなくて、喜多見さんにまでそんなことを言っていたのか」


 一臣さん、また耳が真っ赤だ。

「お強い女性がやはり、好みなんではないですか?」

 樋口さん、一臣さんをからかっているようにも見える。


「ふ、ふん!俺は投げ飛ばされたから、惚れたわけじゃない。可愛かったんだ。笑顔とか、目がクリンとしているところとか、髪を結わいているところとか」

「へ~~。じゃあ、可愛い方が好みだったんですね」

 樋口さん、その相手が私だって知っててからかっているのかなあ。


「ああ。お前の言いたいことが見えてきたぞ。結局あれだろ?俺に弥生がタイプだって言わせたいだけだろ?」

「いえ。そういうわけでは…」

「ああ、そうだよっ。俺は8歳の頃から惚れてるよ。あの頃と弥生はまったく変わっていないし、人懐っこくて、犬コロみたいだった。今もだけどな」


「え?!」

 樋口さんと等々力さんが同時に驚きの声をあげた。

「なんだよ、何を驚いているんだ」

「その、初恋のお相手っていうのは、弥生様だったんですか?」

「知ってたんだろ?知っててわざと、からかっていたんだろ?樋口も等々力も」


「知りませんでしたよ。それこそ、初耳です。え~~~!では、初恋の相手と一臣様は結ばれるわけですか」

 樋口さんの声が、いつもより高い。

「知っているだろ?お前、親父がどこの道場に行っていたか、知っていたんだろ?」

「いえ。知りませんでした。あの頃はまだ、わたくしは一臣様に仕えて間もない頃で…。一臣様のお世話をしていたのは喜多見さんですし、わたくしは屋敷で勉強や武術を教えるくらいでしたし」


「そうだったのか」

「……は~~~~~~。そうだったんですか。なるほど」

 樋口さん、さっきからずっと何やら感心している。それに、等々力さんはちらっとバックミラーで私たちを見て、

「ほほえましいですね。初恋の相手と結ばれるとは」

 なんて言いながら、にやついている。


「ふん!」

 あ、一臣さん、へそ曲げた?ううん。耳赤いし、照れているだけかも。

 

 その後、2回ほどサービスエリアで休憩をしながら、目的地に着いた。最初に訪れた工場は、ただただ広く、敷地内には、稼働していない機械が何台か放置されていた。


「お待ちしていました」

 工場長は、バーコード頭の太った50代くらいのおじさん。かなり疲れた様子で私たちを出迎えた。一臣さんを先頭に、樋口さん、私の順で工場内に入っていった。


「あの機械は放置したままか?もったいないな」

「買い取ってくれるところがないもので」

「じゃあ、調べさせて機械金属部で買い取れるものなら買い取ろう。まだ、動くんだよな」

「もちろんです。売るために時々動かしたり、手入れをしたりしていますからね」


「…そうか」

 一臣さんは眉をしかめて、工場内を工場長と一緒に歩き出した。

 私は今日もまた、事務所に居残りだ。事務員は一人。多分、工場長の奥さんだろう。


 大きな工場なのに、事務員がたった一人。それに、動いている機械も何台かだけだし、従業員の数も数える程度。


 さびれた感のある工場。一臣さんは一通り見て回り、事務所にやってきた。そこに、どうやら息子らしい20代後半の男性が現れた。

「あなたが、一臣氏?緒方商事の次期副社長?」

「…そうだ」

「今さら、視察しに来て何の用です?この工場をつぶすために来たんですか?だったら、とっとと売るなりなんなりしてください。こんなさびれた工場、俺は継ぎたくもないんでね」


 ひょえ~~。なんか、強烈だ、この人。もしや、どら息子って感じなのかしら。工場長が赤い顔をして、突然怒り出したし。

 修羅場なの?これって。


 工場長とその息子は、喧嘩まで始めた。私はあたふたとしていたが、一臣さんと樋口さんは冷静に二人を遠目から見ているだけだ。

「やめなさい、二人とも。みっともない」

 そう言って、工場長の奥さんが止めに入り、ようやく喧嘩はおさまった。


「どこも似たようなもんだな」

 ぼそっと一臣さんがそう漏らした。

「何がですか?!」


「いや。俺も緒方商事ははっきり言って継ぎたくなかったし、いつも親父には反発していた。だから、どこの家も同じようなもんなんだなって思っただけだ」

 一臣さんは苛立ちながら聞いてきた息子さんに、そう冷静に答えた。


「…へえ。でも、結局言うことを聞くしかなかったわけですか?」

「あんたもだろ?嫌だったら、家を出るなりなんなりしたらいい。だけど、ここにいるってことは、捨てられないんじゃないのか?家族も、この工場も」

「………」


「俺もだ。反発しながらも、結局受け入れた。だが、受け入れた以上、やるだけのことはやらないとな」

 一臣さんはそう言うと、息子さんの前を素通りして工場長のもとに行き、

「もっと詳しく、今の状況を説明してくれ」

と、話しかけた。


「はい」

 工場長と一臣さんは、椅子に腰かけ、長々と話を始めた。私は工場長の奥さんから帳簿を見せてもらったり、息子さんの話を聞いたりした。


 息子さんには、どうやら長年付き合っている女性がいるらしい。でも、つぶれかかっている工場に嫁がせるわけにもいかないと、悩んでいるようだった。


「あの…。確かに、今後大変な状況になるかもしれないし、未来もはっきりしないのに結婚するだなんて、不安になるとは思いますけど。でも、考え方を変えてみてはいかがですか?守るものができると、人って強くなれますよ」

「へえ。君には守るものがあるっていうのか?」


「はい。私は一臣さんのことも守りたいし、屋敷で働く従業員のみんなも、できたら、緒方商事で働く人たちのことまで守れたらって思っています。ただ、そこまで今の私には力がないから、せめて、一臣さんのことだけでも、守りたいんです」

「君は単なる秘書だろ?あの、一臣氏の…」


「…はあ」

「違うぞ。弥生は俺のフィアンセだ。次期副社長夫人、のちのちは社長夫人だ」

 今の私と息子さんの会話を聞いていたらしく、一臣さんが突然こっちを向いて、そう言ってきた。


「え?フィアンセ?」

 息子さんも工場長の奥さんもびっくりしている。

「えっと」

 見えないってことかな?この驚きようは。


「そうなんですか。フィアンセを連れて視察に来たりしているんですか?」

「弥生には俺の仕事の補佐を頼んでいるからな」

 一臣さんはそう言うと、工場長から何やら資料を受け取り、

「また改めて検討して、連絡する」

と、工場長に言った。工場長はその言葉を聞き、丁寧にお辞儀をした。


「守るものって、あなたにはあるんですか?」

 一臣さんに息子さんが椅子から立ち上がり、唐突に聞いた。

「守るもの?」

「このお嬢様は、守るものがあるから強くなれると言った。あなたにもあるんですか?あなたを強くさせるようなものが」


「……」

 一臣さんはしばらく黙り込み、私を見た。それから、視線を息子さんに向けると、

「ある。確かに守るものがあって、俺は強くなっているのかもしれない。ただ、今まではそのプレッシャーがでかくて、自分が潰れそうになっていた。だけど、今は支えがあるからな。なぜか、前よりも強くなっていると自分でも思っている」

と、はっきりと言い放った。


「…支えというと、彼女ですか?」

 息子さんはそう言って私を見た。

「そうだ。弥生だ」

 一臣さんはまっすぐに息子さんを見据え、そう答えた。


「……そうですか。なるほどね。守るものと支えがあって、強くなったということですか」

「そうだ」

 一臣さんは一言そう返事をして、すぐにまた工場長のほうを向いた。


「仕事中、邪魔して悪かったな。じゃあ、これで失礼するぞ」

 工場長、奥さん、そしてなぜか息子さんも工場の入り口まで私たちを見送りに来た。


「お気をつけて」

 工場長と奥さんはぺっこりとお辞儀をした。息子さんはお辞儀をせず、

「君は、一臣氏と結婚することは幸せなのか?」

と突然聞いてきた。


「え?はい。もちろんです」

 即答すると、息子さんはほんのちょっと口元を緩ませた。

「一臣氏は、ずいぶんと素晴らしいフィアンセがいるんですね。驚きました」

「ああ。こいつは俺の自慢のフィアンセだ」


 う、うわ!いけしゃあしゃあと、のろけた!こっちが恥ずかしくて顔から火が出そう。

 

 車に乗りこみ、工場を後にした。私は車内で赤くなりながら、

「あ、あんなこと言わないでください。恥ずかしいです」

と一臣さんに訴えた。

「なんでだ?いいだろ?これも作戦だ」


「は?」

「俺と弥生はとても仲がいいと、どこに行ってもそう思わせる」

「…作戦だったんですか?」

「当たり前だ。そうじゃなかったら、あんなこと俺が言うわけがないだろう。あんな場所でのろけて何の意味がある?」


「………」

 そうだったのか。今、私、ちょっとショックを受けているかもしれない。

「さあ、次に行くぞ。確か次はもっと危ない状態の工場だよな」


「はい。今までよりも小さめの規模の工場で、従業員の数も少ないようですね」

「そうか。また暗い顔で出迎えられるのか…」

 一臣さんはため息をした。


 そんな会話をしながら、車は次の工場に向かった。

 次はいったい、どんな工場なんだろう。



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