ミニ物語~とおりゃんせ~
とおりゃんせ とおりゃんせ
ここはどこの細道じゃ
天神様の細道じゃ
ちっと通してく下しゃんせ
御用のないもの通しゃせぬ
この子の七つのお祝いに
お札を納めに参ります
いきはよいよい 帰りはこわい
こわいながらも
とおりゃんせ とおりゃんせ
「沙智はこの歌に二番あるって知っとう?」
一通り歌い終わって友達の美和子は得意げに言った。
「え、2番なんかあんの?あの歌」
「え~、知らんの?」
美和子はくすくすと笑いながらとおりゃんせの2番というものを教えてくれた。
とおりゃんせ とおりゃんせ
ここは冥府の細道じゃ
鬼神様の細道じゃ
ちっと通して下しゃんせ
贄のないもの通しゃせぬ
この子の七つの弔いに
供養を頼みに参ります
いきはよいよい還りはこわい
こわいながらも
とおりゃんせ とおりゃんせ
「・・・なんか怖い唄やね」
歌を聞き終ると、沙智は率直な感想を言った。
「え~?そう?」
美和子は、まだくすくすと笑っている。
「うん、だって冥府とか、鬼神様とか・・・。怖いやん」
「そうね~。元々この歌、食糧難で親が自分の子供を山に置き去りにするって話らしいし」
「え゛まじ」
「ほら、いきはよいよい帰りは恐いって歌詞にあるやん?あれ、置いてきた子供が自分を恨んで付いて来るのが怖いんだって」
「なるほどね~・・・」
やっぱ怖いんじゃん!と沙智は心の中で思ってものの、それを口に出しはしなかった。
「あとはかえ帰りゃんせってのもあるんやけどメロディが合わないから歌わない」
美和子はにこっと笑って言った。
「別にいいよ。歌わなくて」
沙智はため息をもらしながら呟いた。
いきはよいよい帰りは怖い・・・。
沙智の家を出て家に帰ったはずの美和子は、次の日捜索願が出されていた。
我ながら変な終わり方・・・。台詞はここ、僕の出身地?現在地の福岡で使う、ってか僕が普段使う言葉を取り入れました。読みにくかったらごめんなさい。
ここらへんは方言が薄いのか、あんまなまってはいないと思うので大丈夫と思いますが・・・。