第99話 元聖女、酔っ払い
お待たせ致しましたー
ふわふわして……とても良い気持ちになれた。
『ふにゃぁ〜〜〜〜…………』
お風呂の時とはまた違う。
ふわふわ、ふわふわ……とても気持ちが良かった。
頭がぐるぐるするが、全然気にならない。
もっと、もっと……と、コップのお酒を飲もうとしたら……どなたかに持って行かれてしまった。
『あ、あかんで、ミラ!?』
珀瑛様だった。
珀瑛様が勧めてくださったのに……何故? どうして?
少し悲しくなったので、私は……今まで出来なかった行動をすることにした。
『……何故、ですかぁ』
『……み、ミラ?!』
珀瑛様に、抱きつくことだ。
緑斗様は進んでしてくださったことを、私が出来ないはずがない。
ほわほわ、もこもこの珀瑛様の毛並みは触り心地が良くて……やはり、触れていてとても気持ちが良い。
お慕いする相手だから……もっと触れてみたい。
けど、あのお酒ももっと飲みたい。
ぎゅーっと抱きつくと、珀瑛様は固まったように動かなくなってしまった。
『……ハクぇいしゃまぁ……返ちて、くだしゃい』
『え、え、え、え』
もう一度訊ねても、珀瑛様は人形のように固まってしまうだけだ。これは、自力でお酒のコップを取り返せるだろうか?
『……見ていて面白いが』
『……けど、オーカ? ミラに飲ませ過ぎはまずいよ? お酒初心者だし』
『……め、だと思う』
「んー。僕が止めようか?」
『お願いおたのもうしますー』
ぎゅーぎゅーに抱きついても、珀瑛様が動かないでいると……ふわっと、柔らかい力に引き寄せられ、抱っこされてしまった?
「はいはい。ミラ? 落ち着いて?」
龍羽様だった。
私もだが、珀瑛様もお膝の上に乗せて抱っこしてくださったみたいだ。
『……りゅーは、様?』
「ミラ、お酒美味しい?」
『! おいちーですぅ!』
「うんうん。それはよかった」
素直に答えると、頭を撫でてくださった。
しかし、龍羽様はお酒を渡してくださる気配はなかった。
『……りゅーは様ぁ?』
「けど。お酒はちょっとお休み。いきなり体調崩したら、ハクも心配するよ?」
『……ハクエぃしゃま?』
「そうそう」
ほら、と指を向けられた方向には、同じようにお膝に乗せられた珀瑛様が、首を上下に振られていたのだった。
『……あかん。じょ……徐々に、少しずつ……慣れてこ?』
『……いま、ダメ……でしゅ?』
「うんうん。ガラクタたくさん食べて、少し落ち着こ?」
はい、と龍羽様に渡していただいたガラクタを持ち。
私は……今なら出来そうだと、ガキッと齧ることが出来たのだった。
次回はまた明日〜




