表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

98/147

第98話 さあ、宴

お待たせ致しましたー



『『『「『『いただきまーす!!』』」』』』



 龍羽(リュウハ)様以外の全員で簡易体となり、ガラクタ達を肴に……宴を開くこととなった。


 何故、龍羽様は簡易体を取らないと言うと。



「僕の簡易体は精霊王だから、めちゃくちゃ大きいんだー」



 あの時の。


 龍羽様へ最初にガラクタを召喚した時の、巨大な岩のようなお姿。あれが……どうやら、龍羽様の簡易体のようだとか。


 たしかに、それではたくさん用意したとは言っても、このガラクタゴミらをすぐに食べ終えてしまうだろう。


 とりあえず……まだ二回目だが、ガラクタの一つを手に取った。


 鏡の破片だが……何か、甘い香りがするのだ。


 怪我をしないように、そっと持ち上げて……かぶりついた。



『……甘い』



 噛むのはまだ難しいが、ぺろぺろと舐めていくと……溶けていくようだ。


 これは、あれだ。


 二日前に、珀瑛(ハクエイ)様にいただいた……飴玉。キャンディーと同じ味わいだ。酸味はなくて、ただただ優しい甘さが広がっていくが。



 バリ、ボリ!


 ゴリ、ボリリ!!



 他の方々は……慣れていらっしゃるからか、強靭な歯をお持ちでかみ砕いて食べていらっしゃった。


 私もやってみようとしたが……鏡の破片のはなかなか難しかった。



『おん? ミラ、噛めへんの?』



 同じ破片を召し上がっていらっしゃった珀瑛様は、美味しそうに噛み砕いていた。



『……どうも難しくて』


『せやなあ? 慣れもあるやろうし……あ、酒飲んでみるか?』


『お酒……ですか?』



 人間だった頃は……成人はしていても、あの王族らは口にもさせようとしなかった。


 まだ子供だ、早いとかなんとか言われたからだけど。


 珀瑛様は、凰華(オウカ)様が出現させたお酒の瓶の方に行き……鼻をすんすんさせてから、ひとつを持って戻ってこられた。



『これなら、ジュースみたいに甘いで〜』


『……大丈夫でしょうか?』


『とりあえず、ひと口でええよ』



 コップらしきものを出現してくださり……瓶の中身を注ぐと、薄ピンク色の可愛らしい液体が入っていく。香りが甘い以外に何かがあったが……これがお酒の香り?


 破片を一度置いてから受け取り……香りを良く嗅いでから、口につけてみたが。



『ハク!? それは一番酒精が強いものぞ!?』


『『え!?』』


『あ』


「あ〜……」



 皆様の反応が……少し遠いところにあるような気がした。


 けど、ふわふわして……お酒は甘くて美味しくて。


 コップの中身を……私はすべて飲み干してしまったのだ。

次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ