第87話 名はどんなものか
お待たせ致しましたー
龍羽様のところに向かうと……重大なご報告をいただくことになった。
「ミラの『形』はね! 神が仰るにはそのままに等しいんだって!」
どうやら……わざわざ『神』にお伺いしてくださったようだ。
「本当……ですか?」
「うん! だから、無理に精獣化の特訓はしなくていいと思うよ?」
「……そうですか」
私としては、珀瑛様と同じもこもこの獣となり、共に空を駆けるのを楽しみにしていたのだが。
無理に出来ないのであれば、仕方がない。神のお考えもあるのだから。
「んふふ〜、一個朗報があるよ?」
「ろーほー?」
「良いことって意味や」
「そ! ミラにね! 大精霊としての【名】を神から授かることになったんだよ!!」
「おお!」
「……名前、ですか?」
たしかに、皆様のお名前は少し変わっているとは思っていたけれど……それが私にも?
どのような名前を……しかも、神からいただけるのであれば……嬉しく場合わけがない!!
「僕らの名前にはね? 【字】と言うのが与えられているんだ」
と仰って、龍羽様は魔法か何かで宙に【文字】を書き出した。
どれも初めて拝見するものばかりで……しかしながら、美しいと感じた。
「この字は神から与えられた……特別なモノ。大精霊もだけど、精霊にもつけることが出来るんだ。許されるのは最低大精霊だね」
「俺んとこやと、フーはそれや」
「……なるほど」
「人間から転身するのは少ないけど……大抵は力のつけた精霊から選ばれるんだよね?」
「……私はよろしいのでしょうか?」
「大丈夫! 神自らお決めになられたことだから」
楽しみだね? と龍羽様は微笑んでくださるが……私はやはり、畏れ多いと思ってしまう。
いくら、大精霊になっても……まだまだ人間だった時の気持ちが大きいから。
でも、だけど。
(その名前……珀瑛様にお呼びいただけたのなら!!)
私は、天に舞い上がる気持ちになってしまうかもしれない!!
そう思うと……少し楽しみになって仕方がなかった!!
次回はまた明日〜




