第80話 元聖女もがっつく
お待たせ致しましたー
素敵なときめきを受けたけれど……翌日は、あることを試すことになった。
大精霊となった私が、『精霊』だからこそ口にする出来るかもしれないと言う事。
つまり、珀瑛様達のように……『ガラクタ』や『ゴミ』を食べられるかどうか。
『聖女』の称号はそのままなので……例の召喚魔法も可能なままのはず。
ならば……ご飯を食べることは出来ても、魔力の糧を得るには……私も口にしなくてはいけないのだろうか?
そう思い、珀瑛様に朝ごはんの時に提案して、お屋敷の裏庭で召喚魔法をすることにしたのだ。
『あまねく光! 光、光よ。我が身に宿る光を使え。彼の地とこの地を繋ぐ、綱となれ!! ……とこしえに結ぶ、盟約を紡ごう。我が望みを、今ここに召喚せん!!』
魔力がいくらか吸い上げられるが……人間だった時ほどではない。
ほんの少し……体から離れる程度だ。
そして……召喚されたものだったが。
【桃の世界での、木の葉。見た目は普通の木の葉、噛めばひと味違う】
赤、黄、翠……色とりどりの木の葉が召喚されただけ。
鑑定のステータスには……いつもの言葉と少し違う感じではあったが。
(……食べられる、のかな?)
珀瑛様や風珀様はうずうずされているが……これは、私が食べられるかどうかの召喚。
木の葉のひとつを手に取ると……ふんわりと軽い羽根のよう。
それと……何故か、クッキーを食べた時のようないい匂いがして……迷わず、口に入れてしまった。
「ふぁ!?」
サクサク、ボリボリ
木の葉を口に入れただけなのに……味が、噛んだ感触が!!?
クッキーを食べているのと、全く同じ感じだったのだ!!
甘くて……ほんのり、塩の味がして。
ひとつでは物足りない!!
いくらでも食べ進めてしまう!!
私は夢中になって、木の葉を食べていった!!
「み、ミラ?」
【む。ちゃんと食べられている……羨ましい】
と、半分ほど食べたところで、自分ひとりでないのを思い出したのだ。
「お……御二方も、召し上がります?」
「……ええの?」
【いいの?】
「は、はい。……とても美味しいです」
「どないな味?」
「クッキーみたいな、味わいです」
「ほな!!」
そこからは、三人で空っぽになるまで食べすすめ……無くなった時には、お腹は全然だが魔力がさらに膨れ上がっているのを感じることが出来た。
(……大精霊としての、魔力)
人間でなくなったこの身。
召喚魔法もだが、これからどのような役割を担うのだろうか?
属性の一部は、珀瑛様と同じだと言うことで……しばらくは、こちらでご厄介になることに決まったのだが。
次回はまた明日〜




