第75話 お風呂にて
お待たせ致しましたー
【はい、お湯かけるよー?】
風珀様に、ゆっくりとお湯をかけていただくと……髪から、少しずつ泡が床の上に流れていく。
その感覚はまだ慣れないが……なんと言うか、スッキリしていく感じがするのだ。
今日も色々あったが……体を綺麗にしていくのは気持ちが良い。
苦手以上に、嫌いだと思っていたお風呂が……こんなにも気持ちが良いとは思わなかった。
泡のお風呂に、ゆっくり浸かるのも気持ちが良い。
タオルで、お湯に髪が入らないように風珀様がまとめてくださるようだったが、自分でも出来るようにと教えていただきながら……何とか出来た。
「……はぁ……」
泡の間に見える、薄緑の湯に浸かると……疲れなどが溶けていくようだった。
今日は、きちんと自分が大精霊になったこともだが……まだ、『聖女』の称号がきちんと自分に刻まれていることにも驚いた。
自身の鑑定スキルで見ても……なかなか見れなかったのに。
どう言うことなのか、今になって深く気にしてしまうが。
気にしてしまっても、お風呂の気持ちよさには勝てずに……考えていることまで、溶けてしまいそうだった。
【ゆっくり浸かって? ミラは今日もたくさん頑張った】
「……はい」
大精霊になる前も、皆様のお役に立てられるように……たくさんの『ガラクタ』を召喚出来た。
糧とするべく、皆様は美味しそうに召し上がっていただけた。
魔力の方が心配になった時もあったが……今の私は大精霊。感じ取れる魔力量は……豊富とまではいかないが、前よりは確実に多い。
また明日、龍羽様にお聞きすればわかるかもしれないが……大精霊に『聖女』である今の状態はどうなのだろう?
【ミラは、きちんと大精霊になった。今日もいーっぱい、ご飯食べよ?】
「はい。あの……風珀様」
【んー?】
「……私も。皆様のように、『ゴミ』や『ガラクタ』を口にした方が良いのでしょうか?」
糧と嗜好は違う。
珀瑛様も……昨日と今朝もおっしゃっていた事。
食べ物を食べられなくないが、魔力などの糧は……私が召喚したようもの達だ。
なら、大精霊となった今は……私も同じようにしなくてはならないのかと。
【……んー? 私は大精霊ではないけど、糧は主から定期的にもらう魔力。でも、ミラは大精霊になったのなら……必要かもしれないね?】
「……珀瑛様にお聞きした方が良いのでしょうか?」
【そうだね。ご飯の前に聞こう】
とりあえず、お話はそれくらいにしてからゆっくりお風呂に浸かったが……初めて、『のぼせる』と言う状態になり……風珀様を大層慌てさせてしまった。
次回はまた明日〜




