第71話 決めたこと
お待たせ致しましたー
うたげ……と言うものが、まだよくわからないけれど。
人間から、大精霊となった私を……皆様はとても祝福してくださった。
精霊王でいらっしゃる……龍羽様からも、何度も頷かれて。
珀瑛様や、緑斗様には……まるで奪い合いのように、抱きつかれたり庇われたりしたが。
そのようなことは……あの王族からは、一度とてなかった。
だから……彼らを今は憐れむとは思っても。
決めたことが、ひとつ出来たのだ。
「あ、あの!」
「「ん??」」
お二人の騒動に、出来るだけ大きな声で止めに入れば……お二人はすぐに私の方を見てくださった。
「え……と、自分で決めたことを、お伝え……したくて」
「なになに〜? 馬鹿虎やめて、お姉ちゃんとこ来る〜?」
「……おい」
「いえ……それではなく」
「違うの!?」
緑斗様は、物凄く落胆なされたが……決めたことは、きちんと決めようと私は両手を祈るように強く合わせた。
「私……だ、大精霊となりましたので! 両親は別ですが……彼ら……あの王族のことを、気にしないように……えっ……と、出来るだけ忘れようと思うのです!!」
人間ではもうない。
宙と地の大精霊となったからには……もう、あのような記憶の数々と……離れようと思うのだ。母達は別だが……人間との生活から、決別したい。
だから……決めたのである。
理由もきちんとお伝えしてみれば……皆様は強く首を縦に振ってくださった。
「「「「「ようこそ、精霊の同胞」」」」」
皆様がとても笑顔になってくださった。
今まで……口にしたことは、すべて否定された……あの王族の者達とは違う。
ここが……私のきちんとした、『居場所』となったのだ。
だから……凄く嬉しくて。飛び上がって、皆様に自分から抱きついた!!
次回はまた明日〜




