第68話 第三者からの観察
お待たせ致しましたー
いい子。
いい……子。
とっても、良い子過ぎる……いい子。
僕ら……と同じ、大精霊に転身出来た……無垢な、存在。
僕らを……助けてくれた、稀有な存在。
ヒトだった時もだけど……僕ら、大精霊と関わったヒト。
頼ろうとしていた……欲の強い、ヒト達とは全然違う。
ミラを……痛めつけていたヒトとも、違うんだ。
ただ……ただ、ミラは僕らを……尊敬してくれていて、尊重も……しているんだ。
可愛くて……とても愛らしい、愛し子。
でも、僕らとは違って……ハクだけは、ひとつ違った想いを持っていた。
(……ミラ、大好きなのは……皆一緒だけど。ハクは……それ以上)
まだ、里に迎えて数日程度……なのに。
ハクは、それ以上の……想いを持っている。
ミラは……どうなのか、はわかんないけど。ハクは、ミラが危ない時……いつもすぐに駆けつけた。
僕が……試しに聞くと、ハクは自分で『そうだ』と強く頷いたんだ。
びっくり……したけど、正直……嬉しかった。
風の属性……自由なハクに、大事な相手が見つかったことが。
それが……ミラなら、僕は……凄く嬉しい。
僕は……恋、とか、愛は……まだよくわからないけど。
ミラは……僕ら、精霊の大恩人。
一緒の大精霊になったのなら……ハクとずっと一緒に居られる。
その二人が……もし結ばれたのなら。
僕は……すごく、応援するよ。
祝福を少しでも分け与えた大精霊として。
二人を……祝福したい。
そう……なんだけど。
「り、り、りょ……く、さ」
「さ〜?」
「……ま」
「だから、なんで!?」
今は……。
僕が、提案した……龍羽様以外の呼び名を……ミラに変えてもらおうと、皆で応援して……いたんだけど。
やっぱり……すぐに、ミラは変えられないのか。リョクに……何度も肩を揺すぶられて、ハクやオーカが止めに入るくらい大変そう……だった。
「うう……無理です」
「呼び方変えるだけだよ!? キスとかじゃないじゃん!?」
「……キス?」
「知らない? 口付けと同じこと」
「く、くくく!?」
あ……僕でも、わかった。
ハクが……たしか、ミラに魔力渡す時に使ってたけど。
ミラも……ハクが、大好きなんだ。
次回はまた明日〜




