第65話 たしかなこと
お待たせ致しましたー
あれだけ……恐れていた相手だと言うのに。
心が……満たされたお陰なのか、私は彼らを何故か憐れんでいた。
憎む……とかの気持ちがあったかもしれないけれど。
龍羽様から、彼らの事情を聞いても……怒るとか、笑うとかそういったものは浮かばなかった。
ただただ……彼らのことが、心配になったのだ。
一度は惹かれてしまった……私を追放宣言した、あの王太子にも。
「……ミラ。嬉しくないの?」
龍羽様に聞かれても……私は首を横に振った。
「……正直、彼らは育ての親がわりでもあったので。体罰などは受けましたが……それでも、彼らを憐れむことしか」
「一番酷い目に遭ったのは君でも?」
「……はい」
「んもぉ!? ミラはいい子過ぎだよ!!」
緑斗様が可愛らしく怒られても……私には、苦笑いしか出てこなかった。
「……うん」
「ほんにのぉ? お主は、善の心が強い。それだけ、辛き道を歩んでおったのに……何故、そこまですれておらぬ?」
「すれて?」
「純真な心の持ち主っちゅーことや」
珀瑛様に力強くおっしゃっていただけたが……まだ、自信がない。
大精霊になったとは言え……まだまだ私には人間の感覚が強いからだろう。
「自覚は……特に。けど、ひとつだけたしかなことはあります」
記憶はあまりないが。
まだ、両親のところで生活していた時に……母親に何度も言われたことがあった。
『愛される子。私達の愛しい子。大丈夫、あなたは幸せになるために……生まれてきたのよ』
その言葉があったから……強く、自分を保てたかもしれない。
皆様にも母の言葉を伝えると……何故か、苦しいくらいに全員から強く抱きしめられたのだった!?
「「いい子過ぎ!!」」
「ほんにのぉ」
「……いい、子」
「ええオカンおったんやな!!」
びっくりしたけれど……皆様から、母を褒めていただけて……正直嬉しかった。
思わず、涙があふれてしまったが……皆様の体についても、どなたも気にされなかった。
だんだんと皆様にも涙が移ったのか……全員でしばらく声を上げて泣いた。
次回はまた明日〜




