第54話 王妃の愚かさ
お待たせ致しましたー
……痛い。
痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い……痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!?
(なんなの、この痛み!?)
日を重ねるごとに……痛みはどんどん増していくばかり。
我ら王族だけでなく、侍従や臣下らまで……痛みに悶え苦しんでいる。まだたったの三日とは言え、城の中は誰もが苦しんでいる事態だと。
まだなんとか動ける臣下から聞けたが……妾は、なんとか寝かしつけられたベッドの中で、日夜悶え苦しんでいるしか出来ぬ。
何故……何故なの??
いつから……あの子供を役立たずだと、いい加減追放した憂さ晴らしから解放されただけなのに。他国との交易を……与えた財が土くれだとわかった途端、この痛みに襲われた。
夫である陛下も……息子の王太子も、同じように苦しんでいるらしい。だが、一向に快癒の兆しも何もない。
何が……我らを苦しめていると言うのだ!?
「あ……の、子供」
称号を剥奪したと言うのに……何か、我らに魔法でもかけたと言うのか??
いいや……必要最低限の教養以外、傀儡とすべく育てていただけ。そのような高度な魔法など……教師役には押し付けていない。
なのに……それしか思い当たることが浮かばぬ。
陛下は……城の財が土くれになる前にあれを呼び戻すべく、早馬を送ったらしいが……戻った知らせが特にない。
これでは……妾らに襲い掛かる痛みが、まったく軽減できぬではないか!!?
「……うう。痛い……い、たい……!!」
いつになれば、この痛みから解放されると言うのだろうか。
あの子供を罵ったところで、引く感じも何もない。
早く……早く、あの子供になんとか元のように財を召喚させねば。
他国の怒りが……ただでさえ、我が国に矛先が向き。戦が起きるかもしれないと言うのに!?
「……ひ、妃殿下。は、早馬……が」
近習の一人が、痛みに苦しみながらも……妾の部屋近くまで来てくれたようだ。
「……ど、どう……だったの」
痛みは妾の方が上なので、辛くとも王妃らしくは出来ない。それは近習も気にしている場合ではないからか、報告はしてくれた。
だが、
「……元……あの聖女であった、子供が……どこにも居らず。近辺で痕跡を探したものの、何も……」
「な……に?」
どう言うことだ?
逃げたにしても、何かが残るはずなのに。
あの子供は……まさか、神に魅入られたなどで……消え失せたのか!!?
次回はまた明日〜




