表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/147

第52話 心配をかけた

お待たせ致しましたー

 珀瑛(ハクエイ)様が、泣いていらっしゃる。


 私のために?


 私だけのために?


 不謹慎ではあるが……とても嬉しく思えた。


 痛みがなくなってからは、すんなりと起き上がることが出来て……まだ握っていただいていた、珀瑛様のお手を上を空いている手で包み込んだ。



「……ミラ?」


「ありがとうございます……珀瑛様。私はもう大丈夫です」


「痛うない?」


「はい。もうすっかり」



 強く頷くと、いきなり目の前が真っ白になった。しかし、気絶とかではない。何か……もっと温かなものに包まれたような。



「ほんまか、ミラぁああ!? もうどこも痛くないん!? 身体は熱くないけどぉ!!」



 理由はすぐにわかった。


 珀瑛様に……抱きしめられたのだ!!


 ヴェールの上に、少し冷たいがあたたかな水が落ちてきたけど……それほど、珀瑛様にご心配をおかけしたことに、だんだんと冷静になれたのだ。



「…………ご心配をおかけしました」


「……ほんま、平気?」


「はい。大丈夫です」



 少し顔を上げて、出来るだけ笑顔になると……珀瑛様はさらに泣いてしまわれた。



「……馬鹿虎。早く離しなよ? ミラが涙と鼻水で汚れる〜」


「ほんにのお?」


「仕方……ない」



 他の大精霊の方々にも、とてもご心配をおかけしたから……私は、珀瑛様に断りをいただいて、最敬礼で皆様に謝罪をした。



「ご心配をおかけしました……」


「ミラは悪くないよー?」



 服を軽くつまみ、龍羽(リュウハ)様が私に話しかけてくださった。



「龍羽様?」


「今ステータスも見たけど、ミラは完全に精霊化したね? しかも、大精霊のクラスまで進化出来た。だから、ずっと、ずーっと……この里に居ていいんだよ?」


「……本当ですか?」



 私が珀瑛様と同じ大精霊に?


 自分でもまだ信じられなかった。


 だけど、龍羽様は強く頷かれた。



「しかも、属性も面白いね? (そら)と地だよ」


「「「「(そら)!?」」」」


「これ以上にないってくらい、最高の同胞だよね?」



 どうほう……つまりは、お仲間になれたと言うことだろうか?


 それが本当なら……とても、嬉しい!


 珀瑛様と同じ、大精霊になれたのなら!!


 だけど、ひとつ気になったことが。



「龍羽様……私のステータスに、聖女の称号がまだあると言うのは?」


「あるよー? ミラ、自分では鑑定出来なかったの?」


「……以前は。けど、どうして」


「神が勝手に、愛し子から称号は取らないよ? それに、僕らを救ってくれたんだから……付与されたままで当然!!」


「……そう言うものなのでしょうか?」


「そうだよ」



 まだ信じられないが……精霊となっても、聖女の役割を与えられているのなら。まだまだ、皆様のお役に立てると言うことだ!

次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ