第47話 大精霊、わしゃわしゃ
お待たせ致しましたー
何が起きたのか、よくわからんかった。
『ほへ?』
俺は、簡易体のままとは言え……ミラに礼を言っただけのはず。
元に戻ろうかな〜、と思ったら。なんのご褒美なんか、ミラに……ミラに抱っこされたんや!?
いきなりのことに、抵抗出来んかったんやけど……それ以上に!
ミラの柔らかい身体が!?
特に胸が!?
「……もふもふ」
俺をぎゅーっと抱きしめれば、ミラはそう言って俺の頭に頬擦りもしてきた。どうやら……ミラは俺の簡易体が好みのようや。そう言えば、昨日出会った時にもわしゃわしゃされたような気がした。
『あ、いいな〜?』
『ほんにのぉ?』
『ハク……だけだと、思う』
他の連中も嬉しそうにしとったが。
大好きなミラが、俺を堪能しとるんやで?
んなもん、そう簡単に譲るわけない!!
『んふふ〜〜』
ミラが俺のあちこちを撫で回すのに、俺もいい気分になって……ついわしゃわしゃされるのが嬉しくなってしまう。
(ミラはこう言うのも好みなんか?)
『俺』だからと言うのはわからんが、考えれば精獣型の時も毛並みが気に入っていた気がする。となれば、ミラは獣の毛並みとかが好きかもしれん。
他の連中らは、残念ながらこれは一切ないからなあ?
「……あ」
そして、触れ合い? はあっちゅー間に終わってしまい。ミラはパッと俺から手を離して……反動で浮いた俺に、何度も腰を折って謝罪してきた。
『え、ええんやで?』
「で、ですが! 不躾な事をしたのに変わりありません!!」
『悪いことないやん』
とは言え、この子はこれまで虐げられた環境の中におったんや。普通の生活をすることも出来ず、ただただ搾取されるだけの日々を。
せやから、俺はそんなミラを安心させたくて……人型になって、ぎゅっと抱きしめた。
「! はく……えい、様?」
「ええ子やええ子。ミラはええ子やで?」
「え?」
全然ダメな子やない。
可愛くて可愛くて……愛おしい、俺の好きな女の子。
もっともっと、堕落するくらい甘やかしたいのに……まだまだ遠慮しがちな部分も可愛らしい。
せやから……大精霊からの厚意や祝福も、控えめに受け取るだけで自慢する風態もない。
それが、実にいじらしい。
だからこそ……俺はこの子が好きなんや。
「ミラはもう、里の存在と言ってもいいんやで? 何も遠慮はいらん」
「そう……なのでしょうか?」
「もうちょい魔力が馴染んだら、変わってくるやろうなあ?」
いきなり、違う存在になるのも驚きがあるだろうが。
今のミラを見る限りは違う気がした。
種族が変わる恐怖はあまりないようだが……精霊になるのに、戸惑いがある感じくらいだ。
「そう言えば〜? 目の色とか色々変わってるね!!」
もうちょい、強く抱きしめてええかと思っていると。
人型になった、リョクに奪い取られてしまい……驚くミラを巡って、抱っこ合戦する羽目になったわ!?
次回はまた明日〜




