表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

35/147

第35話 話を聞いて気になった

お待たせ致しましたー

 珀瑛(ハクエイ)様とのお話は……とても、『楽しい』ことばかり。


 龍羽(リュウハ)様のところで別れた大精霊の皆様方のことや。


 この精霊界の成り立ちなどを。


 教養などが、ほとんど無い私にも……わかりやすく教えていただき。


 私はベッドで横になっていたが、珀瑛様が面白おかしく身振り手振りされるのに……何度笑ったことか。


 あの城にいた頃とは、大違いだ。私なんかに……まだ笑顔が出来ることが残っていただなんて。



「……まあ。そのようなことが」


「リョクはああ見えて、結構アホやで? そのフォローに回るんは、いっつもスーや」


「頼もしい方だと思っていました」


「そりゃ場合によってはな? 一応、天を司る大精霊の一角やし」



 珀瑛様のお話によると。


 普通の精霊はともかく……大精霊には、通常の属性以外にも『天』と『地』を司るようになるようで。


『天』はお空の状態や、さらにその上……私に分かりやすく言うと、お星様の属性に連なるところに部類するそうだが。そこに関与する特別な属性だとか。


 逆に、『地』。


 地面だけでなく、さらにその奥底の地底火山など。炎の属性である凰華(オウカ)様の補助をされるのが、珀瑛様の司る地の属性だそうで。


 かなり簡単に教えていただいたが、精霊から大精霊になる時に……その属性は決まっているそうだ。


 一瞬……その。


 凰華様と珀瑛様が、良い仲だと思ってしまい……。



「……珀瑛様は、凰華様と……ご夫婦なのですか?」



 などと、聞いてしまった!?



「……へ? オーカと?? なんでなん??」



 しっかりお耳に届いていたようだが、珀瑛様は手をパタパタと左右に振られた。



「……違うのですか?」


「ちゃうちゃう! 大精霊の属性云々で(つがい)になるわけやないで? 大昔の場合はあったかもしれへんけど、今の俺らはないわ」



 その事実を聞くと……少し、ほっとしてしまった。凰華様には大変申し訳ないが……その、珀瑛様がお独りだとわかって……嬉しくなってしまったから。



「その。凰華様はお美しいですし」


「あんなババアは嫌や」


「ば!? え?」


「ちょぃ、言い過ぎたけど……あーゆーのは好みちゃうねん。俺的には、ミラみたいなかわええ子がいいわ!」


「わ……たし、ですか?」


「おん」



 それは……その。


 期待をしても……いいのだろうか?


 まだ出会ったばかりでも、お互い……などと。


 あの城にいた時に、何も口出し出来なかった……すべてに怖がっていた私には出来なかったことを。


 今なら……と、起き上がって口にしようとした時に。



【花風呂の準備、出来た】



 風珀(フウハク)様が壁からするりと出て来られたため。


 お話は……一旦、中断となってしまった。



「しっかり温まってきぃ?」


「……はい」



 珀瑛様はずっと笑顔でいらした。


 そのお隣に……少しでも近づけるのであれば。


 明日からの……あの召喚魔法でまたお役に立てるのなら、頑張ろうと……私は強く心に決めた。精霊の方々に出会ってから……私は少しずつだが、心から力が溢れるようだ。


 何も出来ないわけじゃないから……とこの目で見たからだろう。


 とりあえず、風珀様ともう一度お風呂に向かえば……泡だけでなく色とりどりのお花が浮いていて……本当に贅沢な、とため息を吐いてしまった。

次回はまた明日〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ