第24話 また愚かな
お待たせ致しましたー
「……な、ぜだ」
何故だ……何故だ何故だ何故何故だ、何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故何故ぇえ!?
「何故、このような……ことに!?」
今目の前には……あの子供に召喚させた……異界の財が。
全て、宝物庫の中で……俺の、目の前で……存在していた財宝すべてが、黒ずんだ土くれと化していったのだ!?
たしかに、これを他国へ送った直後に起これば……怒りになるのも無理はない。
だが……だが!!
いったい、何故!!?
俺は特に何もしていないのだぞ!!?
「……す、べて」
その土くれに触れても……乾いた土でしかなかった。
愛でていた財宝の見る影もない。
あまりの衝撃に、腰が抜けたが……次第に、俺は怒りが湧き上がってきた!!
「……あの、子供めぇ!!?」
そうだ。
このようなこと、流刑地に送ったあの子供しか出来ないわけがない!
俺達を……謀ったのか?
自分が要らぬ者だとわかった途端に……神などに乞うて、俺達に辱めを受けさせたのか?
ほとんど、簡易的な行儀作法くらいしか植え付けていないあの子供。
早馬の知らせはまだだが……戻ってきたら、何をしよう。
いっそ、俺の手でなぶり……殺してやろうか?
いいや……それでも足りぬ。あの神殿どもにも放り込んでやろうか?
怒りの矛先が決まると、あとは早い。
土くれは致し方ないが、すべきことは決まった。なので、宝物庫から去ろうとした時に。
『それ』は起きた。
【愚かな……ヒトの子】
まばゆいほどの光が、宝物庫に現れた。
なんだ……と思ったが、考えられることはひとつ。
『神』だと言うこと。
「……おお、神よ」
この哀れな男に、慈悲を届けてくださったのか?
流石に、神であるのなら俺もひざまずいて最敬礼を披露した。
なのに、神らしき光から……ため息のようなものが聞こえてきた。
【……愚か、実に愚かな。お前は何も理解していない】
「……な、に」
救ってくださるどころか……俺を、阿呆と蔑んだ?
どう言うことだ!!?
【理解していないようだな? 我らが愛し子を傷めつけていた罰だ。受け取るが良い】
その言葉の直後。
俺は激しい痛みが全身を襲い……光がいつのまにか消えてもずっとのたうち回り……息子の王太子が来るまで、ずっと痛みに悶えていたのだった。
次回はまた明日〜




