第118話 朝シャン
お待たせ致しましたー
風珀様には……進展が無さすぎると、少しばかり呆れられてしまったが。
私としては、今くらいでちょうどいいと思う。
何故なら……恋をするのも、そのお相手が出来るのも……私にとっては何もかもが初めてなのだから。
正直に伝えると、風珀様はため息を吐かれた。
【……初心過ぎる】
と、また盛大なため息。
そこまで……なのだろうか?
けれど、仕方がない。
恋事情など、人間だった頃を含め……本当に初めてなのだから!!
「……申し訳ありません」
【謝らなくて良い。……けど、あれだね】
「はい?」
【最低、口付けは出来たんだ?】
「! …………は、い」
たしかに。
珀瑛様は……口付けがお好きなのか。
想いを告げてくださった後も、今朝も。
蕩けるような……ときめく口付けをしてくださった。心の芯が溶けそうで、身体が非常に悶えてしまいそうだったが。
【そう考えれば、一歩は進んでいるかな】
「……そう、ですね」
まだまだここでの生活は始まったばかりなのに……たくさんのことが変わった。
私自身も……周りのことも。
【となれば、もうひとつ!】
風珀様が、何か思いつかれたのか指を立てて私に向けた。
「はい?」
【お風呂で磨きに磨こう!】
「……はい?」
こんな朝から? と聞くと、風珀様は『朝シャンだ!』と断言されたのでお風呂に行くことになり。
鏡を消して、服を脱いだ私を風珀様はじーっと見つめてこられた。
【ミラ、胸大きくなった?】
「……そうでしょうか?」
緑斗様方のようではないと思うが……大きくなっているのであれば、珀瑛様は喜んでいただけるだろうか?
【大きい胸には夢が詰まっている。男は特に喜ぶもの!】
特に、主はミラに首っ丈!
と、断言された風珀様にお風呂に連れられ……泡風呂などで、たっぷりと身体を磨かれてしまった。ほんの少し痛いくらいだったが、湯に浸かると溶けてしまいそうになった。
(……胸が大きいと、良いことがある?)
それはつまり……睦み事と関係が?
まだとは、珀瑛様もおっしゃってくださったが……寝室を共にすると言うことは、いずれはそうなるはず。
のぼせないように、考えながら湯に浸かるが……いつもより、ぬるく感じたのだった。
次回はまた明日〜




