第114話 呼び名
お待たせ致しましたー
朝っぱらから、軽い(?)触れ合いをすることになった後。
珀瑛様から提案と言うものがあった。
「ミラ! 頼みがあんねん!」
「……頼み、ですか?」
手を合わせてまで……何を私に頼みたいのだろうか?
ガラクタゴミの召喚の方だろうか?
そう思っていると、思いっきり肩を掴まれたが。
「多分、思っとることとちゃう」
「え?」
「俺の呼び名や」
「……珀瑛様の?」
「それや! リョク達に言っとったやろ? 仲間になったんやから、敬称とは不要やで!」
「……そうは言いましても」
きちんと大精霊となっても、私は私のままだった。
皆様は尊敬する方々であるし……それに、少し抵抗はあった。つい昨日、覚醒したばかりの私なんかがいきなり生意気な態度を取るなどと。
首を横に振ると、珀瑛様は思いっきりため息を吐かれた。
「……せやなあ。ミラはそう言う子や」
「…………申し訳ありません」
「ええねん。癖とかは簡単に取れへんしな?」
けど、完全に諦めていないようなお顔だった。
諦めて欲しいとは思うけれど……私が珀瑛様を、呼び捨てなどで呼ぶのを想像すると……羞恥で悶える気持ちが込みあがり、震えてしまいそうだった。
(呼んで……いいと、しても)
ハク様……とか、呼んでいいのだろうか?
敬称を取るのは難しいが、それだけなら……と、気持ちが傾く。
無理と言っておきながら、呼びたいと思ってしまった。なんて自分勝手な。
珀瑛様が、ベッドから降りて『うーん』と身体を伸ばしていらっしゃる時に。
口から、小さいが出てしまった。
「……………………ハク、様」
呼んでしまったのだ。
本当に小さな声だったのだが、この距離で珀瑛様に聞こえないわけがなく。
くるっと身体の向きを変え、珀瑛様はまた私の肩を掴んだのだった。
「も、もっかい言って!? 今の!!」
「き、聞こえて!?」
「おん! マジで嬉しかったわ!!」
尻尾を思いっきり振られたくらい喜んでくださっていたが…………無意識で呼んでしまった呼び名をもう一度口にした後。
さらに喜んでくださったのはいいが、思いっきり口を吸われてしまったのだ!?
次回はまた明日〜




