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ナカマ

金曜に終わります。

 懐かしい声、懐かしい後ろ姿、そして冷たいポーション。

 体中の傷が癒え、対照的に相手には傷が大量に付いている。


「あぁ……」


 何も言うことができない。

 なにも考えることができない。


「ライト? 大丈夫ライト? どうしたの?」

「ユミ…… ライアン……」


 大切な大切な、死んだと思っていた仲間がそこに居て。盾を構え刀を構えている。


 近くにいるライアンに触れれば、ちょっとモフっとした感触が、僕の手をくすぐる。


 そっか、ライアンは獣人にしたのか。


 ユミの元まで近付いて、良くしていたように頭を撫でれば、手にコツンと当たるものが2つ。


 そっか、ユミは鬼人になったのか。


「ライト! ライト起きてライト!」


 この場に居るのは僕ら3人だけの筈。

 なのに聞こえる、どこか安心する声。でもどこで聞いたのか思い出せなくって……


「起きろ変態!」


 パシーン!!


 その時、頬に大きな衝撃が走った。


 そして入れ替わる光景。


 僕の手が置かれているのは、ユミではなくモミジの頭。あぁ、これは死んだわ


「やべっ、ライトすまん多分俺の剣のせいだ!」

「ユミって誰なのかなぁ??」


 なんか全力で謝ってくるケーマさんと、詰め寄ってくるホノカ…… そして未だ対面する氷獄鴉を見て理解する。

 僕はまだ死んでいない。そして助けに来てくれたのは彼らだったのだと。


 嬉しい反面、どうしようもない寂寥感が襲ってくる。


 でも……


「ボサっとするなライト! 私が此処を抑えられるのも長くは無いぞ! 仲間の危機なんだから動け! 助けろ!」


 鴉の放った氷を金棒のフルスイングで打ち返すモミジの一言で我に帰る。


 再び会えたと思った昔の仲間は幻だった。

 でも今の僕には……


 新しい、仲間がいる。


「モミジスイッチ! 【幻影一閃】」

「了解ケーマ!」


「モミジ姐さん、いっぱい傷が……」

「大丈夫だ。」

「いや、倒れちゃマズイです。【ヒール】」

「……ありがとう、ギンナ」


「ライト…… 心配したんだから……」

「ごめん。あと盾、ありがとう」

「でも結局、あんな大怪我をさせちゃった…… 守れなかった……」

「ホノカ……」


 急ごしらえのパーティーで、一緒に戦った経験も本当に少ない。お互いのこともよく知らない。


 でもここでは、今は…… 僕達は友達(フレンド)で、仲間だ。


「ごめんみんな。助けてくれて、ありがとう。」

「いいってことよ!」

「当然だよライト!」

「あぁ。」

「またモミジ姐さんはぶっきらぼうなんだから……」


 感謝の言葉を告げて。息を1つ呑んで。

 手元に炎の矢を創り出す。


 色とりどりの装飾(バフ)が施されたそれは不完全な虹になって


「【弧線打ち】」


 上空へ放たれる。それは城壁からの攻撃を吸収し、光を強め……


 カァァァァァァッ!!!


 ケーマさんが抑える鴉の目へと一直線に突き刺さった。


 痛かったのだろう。思わず鴉は上空へと逃げ帰って行く。

 ここで逃がす訳には行かないから……


「ごめん。今度こそ行ってくるよ」

「……いってらっしゃい」


 隣でちょっと悲しげな顔をする、赤髪の女の子に一言告げて。


 僕の胸はもういっぱいだ。


 周りの仲間への、感謝や信頼。

 幻の仲間への悲しさや寂寥感。

 戦いを前にしたワクワク……

氷獄鴉への敵意

 そして隣の彼女への、ちょっとだけ淡い気持ち。


 目の前にウィンドウが広がり、2つの言葉が紡がれる。


 ――――【必殺(オリジナル):……】

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