城壁へ
祝50話!!! 多分100話はこないから祝えるうちに祝おう!
「ライト!」
「ホノカ! 良かった……」
ラドーに連れられやってきたのは、ギルドの最上階。ギルマスの執務室だった。
ラドーの言った通りそこにはしっかりホノカが居て、ほっと一安心。
でもどうしてわざわざ呼び出されたんだろう? 僕としては丁度合流できたから良かったんだけど……
「なんで呼ばれたか知ってる?」
「わかんない。あのまま流されてたらラドーに拾われたんだ。」
「僕もだよ。うーん……」
「うおっほん!」
そんな風に2人で首を傾げていると、それまで此方をニコニコ見つめていたギルマスがおもむろに咳払いをする。
「急に呼び出してすまんの。まぁ用事という用事ではない。楽に聞いとくれ。」
楽に…… とは言われたけど、一応僕らは背筋を伸ばし次の言葉を待つ。
「君ら2人に集まって貰った理由…… それはこの紙のためじゃ!!」
そう叫ぶと同時にギルマスは机の中から腕を引き抜いた。
その手には2枚の書類が握られている。
「それ、なんですか?」
「これはじゃな…… ふっふ、遊軍許可証じゃ! レイドでは普通、役職ごとに固まって行動しなければならん。じゃが平均と比べて強すぎる個は自由に動いて貰った方が良い。この紙はそれを保証するための物じゃ!」
「お、おぉー! でもなんで僕らに?」
「それは、【神様が選ぶ最強移住者リスト】の一番上にライト…… お主の名前が載っておったからじゃ。」
「神様の選ぶ最強移住者リスト?」
「そうじゃ。最初の移住者がこの星に降り立ったその時に、ギルド本部に降臨なされた神の神器じゃ。レベルやスキルなど多角的視点からリアルタイムでの最強移住者top100がわかるのじゃ!」
「そ、そんな凄いものが! で、僕が一番だったんですか?」
「そうじゃ!」
おぉ、光栄。でもまたこれギスりの原因になりそうな気が…… ま、いっか。
「待って! それじゃあ私はどうしてその許可証が貰えるの? 生産と支援しかできないよ!?」
「それはいくつかの理由があるんじゃが…… そもそもお主らパーティーじゃろ? それを崩すのは戦力的に如何なものかというのが一点。そもそもホノカ、お主がこのリストに47位としてランクインしているというのがもう一点。言ったじゃろ? あくまで多角的だ、と。それにお主レベルだけ見れば最上位じゃし。」
「えぇー! そんな感じだったの!? ウィルねぇ式トレーニング、疑ってたけど本当に凄かったんだ……」
「ウィルねぇ? あぁ、お主ウィルカンのところで学んでおるのか…… ま、まぁアイツ"腕だけは"超一流じゃから、しっかり技術を盗むんじゃぞ!」
ちょっと強調されていたところに違和感を覚えたけれど、やっぱり彼女はギルマスにも認められる程の職人だったらしい。
黒金弦月もいい仕上がりだったし、任せて本当に良かった。
「質問はもうないか? それではこの街を守るため…… 頑張って欲しいのじゃ!」
「「はい!」」
返事と共に手渡された紙は、責任に比例するように幾分か重かった。
ってん? あ、羊皮紙だからか。懐かしい。
っと。
「失礼しました!」
挨拶をして、僕らは執務室の外に出る。
するとどうだろう? 少し肩が軽くなった。やっぱちょっと緊張してたっぽい。呼び出しとかは慣れないんだよなぁ。
「いやぁ、緊張した! ライトは結構平気そうだねー。羨ましい!」
「僕も結構緊張してたよ。今は怒られたりしなくてちょっとホッとしてる。」
「あっ、わかるー! でも結果はいいことずくしで良かった! ライトにも会えたし!」
「本当にね。」
彼女の言葉通り、本当に緊張してたんだろうな。いつもよりちょっとハイテンションだ。
「ハイテンションといえば……」
「といえばってそのハイテンションどこから出てきたの!?」
「ははっ……」
ハイテンション繋がりで出てきたモミジ姐さんさんとギンナのこと等を話ながら、僕らは階段を降りていく。
そして一階に辿り着いたころには、僕らは完全に失念していた。
「うっわ……」
「いやー……」
ギルドの一階ロビーには、まだまだ溢れ出そうなほどの
ひと、ひと、ひと!
行きはラドーが一緒にいたから道が自然に開けていたけど、帰りはどうだ?
それでもなんとか掻き分け、外に出る。だがしかしそこには僕らの大敵
「人の波……」
「時間もそろそろだしね。焦ってる人も多いのかなぁ? 私たちも早く行かないt…… きゃっ!」
そしてうん。
またしてもホノカが流さ、れ……
「待って!!」
革鎧の間に吸い込まれて行く手を取る。
でも駄目だ! 引っ張られる!
「【スト……レングス】!」
微かな声とともにSTRが増加する。そして……
「ぷっはあああ! あっぶな! あぶなかったよ!」
「スキル有り難う…… いやぁ……」
なんも言えねぇ……
あっぶねぇ……
「ちょっと遠回りして行く?」
「そうだね、ここは危険だよ……」
「じゃ、行こっか!」
ホノカに引っ張られながら、僕らは冒険者ギルドをぐるりと回り裏道に到着。
横になって走り出した。
「もう人混みには行かない……」
「でもあれ全部城壁に行く人なんだよね……」
「きゃっ、怖いこと言わないでよ! ホラーよりホラーだよ! もう、許可証使いまくりだよ!」
「ははっ! レベリングしてて良かったね」
「ほんっとそう。有り難うウィルねぇ!」
僕らは手を取り走って行く。
……うん手を?
「って、さっきから手……」
「……いーのいーの! ライト速いし周りも暗いから……。 ……こっちの方が、いいの。」
「それならペース落とすよ?」
「いいって言ってるでしょ! 行くよ!」
うん? ちょっと怒ってる?
「あっ、ごめん」
「ふん!」
城壁まであと少し。
会話は途切れ、手に残る温もりだけが彼女を示し続ける。
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次からレイド、とのことで最後まで書き溜めてから投稿します。8月中には出します。ポイントの用意をしておいてください。




