夜闇を歩むは今夜の英雄達
すっかり日が落ちた大通り。周囲の店には人気が無く、ただ街の中心であるギルドを目指すプレイヤーが歩いているばかりだ。
「はー、やっぱドキドキしてきたよ……」
「僕もだよ。こんな大規模な戦闘を、こんなリアルに近いゲームでやったこと無いからね。」
夜の暗さが、僕らの会話の音量を自然と下げさせる。周りでは結構大声で話してる人たちも多いけども。 習慣ってなかなか変えられないよね。
それはともかく、レイドについて考えよう。ホノカにはこんな風に言ってみたけど、僕だって冒険者。レイド、スタンピードの経験くらいはある。まぁゲームじゃなくてリアルなんだけど。
前世の僕らのパーティーは、銀等級の冒険者の中では頭一つ抜けていた。まぁ死んでなかったら実質金等級だった訳ですし。
だからあの日の1,2年前くらいから、レイドでは冒険者を取りまとめ、仕切る役割をしていた。
その経験から今回のレイドを『冒険者のススメ・レイドマニュアル編』に照らし合わせれば、
種別:対集団(取り巻き&ボス型)
攻防:防衛討伐戦
戦域:市街地・城壁外
参加人数:5000~
備考:対空中・味方雑兵多数
のため、上から3番目のC難度と言った所だろうか。これは成功と失敗がだいたい五分五分になる程の難易度で、かなり危険な戦闘となるだろう。
ゲームというのは難儀なもので、多くのプレイヤーが近接職を選んでしまう。普段はそれでも大丈夫だろうけど、今回は鳥が相手。人数の半分は使い物にならないことを覚悟した方がいいだろう。
「はー、やっぱり緊張してきた!」
「まぁここまで来たらリラックスして頑張ろうよ。キルされちゃっても生き返れるのが良いところでしょ?」
まぁ僕は死ぬ気は無いんだけど、一応ホノカをフォローしておく。
そんな風に会話で緊張を紛らわしながら脳内で戦略を練っていると、遂に目的地にたどり着いた。
この真っ暗な街の中で、ただ一ヶ所煌々と松明が燃える建物、冒険者ギルドに。
中に入ろうとするも、入れない程の大盛況。やっぱ鯖とか無いのかな? プレイヤーの場所を分けるとかはできないようだ。
仕方がないので外の広場に待機することにする。天幕が多数張ってあり、ここでも受付ができるようだ。でもここも人がギュンギュンギチギチで、身動きなんて取れない。
「どっ、どうする? 待つしかないよね?」
「そう…… だよね…… うっ、羽根抜けそう」
人と擦れることでの脱毛効果がエグい。折角綺麗な青色になったのに、肌色ぶちぶち精肉前鳥になってしまう。
「受付が終わった方は南側城壁に向かってください! そこでジョブごとの役割が与えられます! ギルド員に従ってください!」
拡声器でも使っているのだろうか? そんな案内が何度かなされ、それによってドッと人が移動し出す。
いやおい…… 受付の時に案内しておけばこんな過密にならなかったんじゃん……
「あっ、列が見えた! よかったぁ…… あそこに並ぼっか!」
「そうだね! 行こう!」
僕らは空いた人の隙間を縫いつつ、一番近い天幕の行列を目掛けて歩き出す。
が、するすると歩けていたのはほんの一瞬。数百もの人の波が南へと指向性を持ち、僕らに激突してきた。
「「あっ!」」
二人とも文字通り『あっ』という間に流され、分断された。
一瞬頭が真っ白になる。その間にかなりの距離を離されてしまった。
どうしよう。
今度こそ守る、って決めた以上この離れてしまった状態は不味い。なんとか合流しなきゃ……
フレンドコール? いや確実性に欠ける。
うーん、うん。
「【飛行】!」
ハッハー! 人がゴミのようだぜぇぇぇぇ!
大きく飛び上がった僕は翼を広げ、上空を旋回する。夜の空気は冷たく、とても気持ちがいい。
「ホノカ! ホノカー?」
でも、想像していた以上に見つからない。赤い髪の毛はこの世界じゃそんなに珍しくないからなぁ。
「うーん、見つからない…… って痛っ!」
突如羽根に何かが当たる感覚がして、速度が落ちる。
「あっ、あぁぁぁぁぁ!」
そしてそのまま僕は上空10mちょいのところから自由落下を開始して……
地面に墜落した。
『面白かった!』『続きが気になる!』『面白くなかった!』という人は、是非ブクマ、評価、感想、レビュー等々お待ちしております! きっと次の話がちょっと早めに投稿されます。
取り敢えずプロローグが改稿し終わった&まだ戦闘始まらなそうだったので、投稿しときます。あと何話かこんな感じになるかも。
改稿したプロローグめっちゃ面白くなった(主観)のでまた読んでね。
https://ncode.syosetu.com/n7663hc/
「我犬派。故に思うことあり」
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昨日書いたエッセイです。よければご一読を。サボりじゃないです。10分で書いたので。




