ログアウト2
「おぉ、結構くれたね……」
フレンドへのプレゼント機能でケーマから銀貨20枚銅貨20枚が譲渡されたことを確認して、そんなことを呟く。
流石トッププレイヤー、残る借金は銀貨10枚。コレなら一週間以内くらいには返して貰えるだろう。
あの後質問責めにしてくるケーマをいなして町の中に入った。リアル時間はもう12時半だからね……
ログアウトしてご飯食べないと。
町の中の掲示板によって、レイドの開始時刻がリアル時間で6時、参加受付が5時からであることを確認。
へぇ……出向かず町で迎え打つんだ。
避難指示とかも書いてあって、確かに町の人通りは少くお店とかもよく見ると閉まってたりするね。
少し歩きながら町の中心近くまで行き、道端でログアウトを選択。
目の前に光が溢れ――― 自分の部屋で僕は目を覚ました。
「ふわぁぁぁ 」
大きくノビをして、椅子から立ち上がる。
階段を降りればチャーハンのいい匂いが……
「いっっただっきまーす! 」
机についてパクつく。チャーハンみたいな中華も前世になかったからね。
なんかよく分からない肉まんモドキみたいなのはあったけど。
ニクマンが懐かしいとか言ってユミが作った奴。
スライムの中にオーク肉が入ってたんだっけ……
正直言って美味しくなかったけど、今なら泣いていたユミの気持ちもわかる。
僕の場合は食糧事情が向上しているから生きられているけど、ここで生まれ育ってからあっちに行くのは絶対キツイ……
頑張ってたんだなぁ……
それもあそこで……
チャーハンを食べながら、なんか湿っぽい気持ちになってしまった。
あれから16年。肉体が若返ったことで曖昧になった精神状態で何度も何度も振り返る。
さっきのダンジョンの扉のことも相まって、今日は特に深く考えてしまった。
帰れたとしても…… ユミとライアンはもう居ない。
はぁ……
「光人、光人? どうしたの?」
「あっ、なんでもないよお母さん。ご馳走…… 美味しかったよ。」
考え込んでいたら、いつの間にかご飯を食べ終わっていたようだ。お母さんの呼び掛けにハッと意識を戻し、お礼を言ってさっさと部屋に戻る。
―――いつもは美味しいご飯に味がしなかった。
落ち込みながら、これからすることを考える。時間加速3倍のところに居たから不思議な感じだけどまだまだ午後の1時である。
装備の受け取りは4時だから、そこそこに時間がある。YMOはやめとくとして……
「はー、ゲームするか。」
怠惰な土曜日である。気分が沈んでる時にはゲームしか無いな。
Two hours later……
「うぅぅ…… いい話だったよぉぉぉ…… レビューしとかないと」
YMOを購入する前にやっていたRPGをクリアし、僕は泣いていた。
あれ? おっかしいなぁ……
沈んだ気分を上げようとしていた筈なのにどうして僕は泣いてるんだろうなぁ……
トイレに行き、通販サイトに絶賛レビューを書き、SNSでネッ友と感想を言い合う。
ヤバいな。氷獄鴉に対する恨みが晴れていく……
最後にネッ友――アーチさんにYMOをおすすめし、メッセージを閉じる。
「YMO、ログインするかぁ……」
ヘッドギアを被り、寝転がる。時刻は3時半になっていた。丁度いい時間だろう。
「Life in.」
バーチャル空間で黄色い本を開き、3度目となるコードを読み上げる。
再び光が溢れ……
僕は草原に降り立った。
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