あたふたライト君
三話目です。十二時台にも投稿致します。
「ライト、ライトッ? 大丈夫よ。今のは正当防衛だから! 」
初めての経験に頭がボーッとしてくる。ていうかなんで死んだんだアイツ。
僕が投げたのは羽だ。スキルもなんにも使ってないし……
「あぁ、うん、そうだね。」
確かに、今のは彫刻刀とはいえ凶器を翳してきたあちらが悪い。抱き寄せてなかったらホノカは……
ん? ……抱き寄せ?
「はっ、あっ、ごめん! 」
「いやっ、こちらこそ…… 守ってくれて、ありがと」
ボーッとしていて気付かなかったが、確かに凶刃から庇ってから今まで、ずっと腕のなかにホノカがいた。
咄嗟にそっと腕を放すが、離れていく体温がどこか名残惜し…… って何考えてんだ僕。
感謝の言葉に、少しだけ気が晴れる。前世でもこういう場合、罪に問われることは無かった。
盗賊や暴漢は殺してもオッケーな世界。ともすれば此方よりも倫理観がゆるゆるだった。
「でも、それでも……」
僕は奇跡的に人を殺したことがなかった。ユミに集ってくる暴漢はライアンが近接で処理していたし、盗賊は武力を持つ冒険者を襲わない。
「大丈夫だよライト。貴方のお陰で私は助かった。気に病む必要なんて何処にもないし、あくまでここはゲームだから」
「たし、かに…… それはそうだね。もう大丈夫。切り替えた」
「やっぱりモンスターとは違った?」
「っていうか覚悟が…… 牽制のつもりが急に死んじゃったし……」
「私もビックリしたよ。なんでだろうね」
「それはステータスの差ね」
「え、エルフのお姉さん!? 知っているのか!?」
「貴方、見たところ普通の鳥人よね?」
「あ、はい! 先程進化しました。」
「それなら普通よ。だって貴方進化するほどレベルが高いんでしょう? そりゃあんな羽をちょっと飛ばしただけの攻撃でも致命傷に成りうるわ。」
「「な、なんだってー!?」」
ホノカと一緒に大きく仰け反る。お約束だ。
「あー、成る程。ステータス制だから、ダメージが外傷としてじゃなくって、HPへの攻撃になった。そして死んだ…… っていうことなのか。」
結構立ち直れてきた。相手も痛みは無かったようだ。
確かにな、ゲームだもんなぁ……
『痛みでリアルがショック死』
なんてさせる訳には行かないから、そこら辺しっかりしてるよなぁ。早とちりし過ぎた。
やっぱ故郷を感じて感覚が引っ張られちゃってる。ホノカを始めとした他のプレイヤーとそこら辺齟齬がないようにしとかないと。
「んで、貴方たちカップルはここへ何をしに?」
「「カップルじゃないです!」」
強い否定をする。今日何人目だろう…… 二人で歩いてると邪推する人が多い気がする。
「まぁいいわ。見たところお兄さんは弓使いね。わかったわ。どんな弓をつくって欲しいの?」
テツウチさんもそうだったけど、やっぱ職人って冒険者の使用武器とかわかるんだなぁ。
とかなんとか考えながら、やんわりと訂正する。
「それもお願いしたいんですけど、それ以上にこの子に生産のスキルを教えてほしくって。」
「弟子入りぃ? さっきの男みたいに文句言ったりしないでしょうね? 」
数時間接しただけだけど、ホノカはそんなことしないだろうって僕は保証できる。
「大丈夫です師匠! 不肖ホノカ…… この私に木工の技術を教えて下さいっ!」
元気のいい返事と共に、彼女は赤い髪を跳ねさせた。
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やっぱりここをリアルと捉えている以上、葛藤とかは書いていきたいなぁ。みたいな




