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魔法使い、初体験は木工工房で。(特に深い意味はありません)

二話目です。頑張ります。

  「はぁ、確かにその兄ちゃんの装備を作るってなったら鍛冶屋(ウチ)じゃねえわな。見たところ弓使いだろ? また木工バカ(あのエルフ)の所に入門、か。先客がいると思うが、気にせず入ってくれや。」


  慧眼だなぁ。どうやら一発で弓使いだと見抜かれていたらしい。流石多くの冒険者と触れあう鍛冶屋さんだ。


「あー、木工工房は右の扉だ。そこで入門を希望すれば受け入れて貰えるだろ。」


  店の右側は、確かに弓や木刀などの木製の製品が集められていた。

  しかし、テツウチさん悲しげな顔するなぁ。


「僕、サブウェポンで短剣を使うので多分またご縁がありますよ。ホノカは木工一本に決めたの?」

「いや、多分鍛冶にも挑戦してみるつもり! 」

「と、言うわけで…… まだお世話になります。それじゃあ!」


  そうフォローしながら、ウィルカン工房という文字が可愛く彫られている扉を開ける。


  音もなく扉が開くと、その先には結構な広さの工房が。

  そしてとても芳しい木の香りが鼻腔をくすぐる。


  しかし、嗅覚より刺激されるものが……


「ああ? クソッ、どうして出来ねぇんだっ!」

「ちょっと、もう少し丁寧に削りなさいよ! ほらっ、木が割れちゃってる!」

「ちっ、NPCの癖にさっきからお前、うるせぇなぁ? こちとら未来の匠、茶漬け蕎麦様だぞ? お前は黙ってスキルよこしゃあいいんだ

 よっ!」

「NPCってなによ! ニュアンス的に貴方の国の侮辱の言葉かしら? 今日初めて会ったのにその態度…… 失礼ね! 茶漬け ふふっ、茶漬け蕎麦!」


  聴覚である。若い男 (おそらくプレイヤーだろう)と、エルフの女性が大声で言い争っていた。

 

  話されている内容からエルフのお姉さんが、恐らくこの工房の主なんだろう。


「ラ、ライト…… どうする? 流石に今行くのは怖いんだけど……」

「そう、だね。ちょっとここで待ってようか。」


  僕たちは扉のすぐ近くで話が終わるまで待機することにした。

 

  と、その時。ヒートアップして僕らに気付いていなかった男性が、ふいに此方を見る。


「あぁん? 何見てんだお前ら!」

「えっ、誰に向かって言ってんのよ!? あっ、お客さん?」


  お姉さんの方も気付いた様だ。


「なぁ、お前らも入門希望か? ここは止めた方がいいぜ。何てったってNPCがバグってやがる。普通プレイヤーのために尽くすのが仕事だろ? なのにスキルの一個も発現しやがらねぇ。」

「それはっ、あんたが真面目にやらないからでしょ! 雑にやりすぎっ!」


  このゲームのスキルは、事後承認が多い。僕の弓術のスキルは大半『元々出来たことがスキルになって威力補正が入る』みたいな形式が多い。


  おそらく木工も1つ作品を作り上げるとかなんとかでスキルが修得できるんだろう。


「ちっ、シカトかよ。いいご身分だなぁ? 男女でイチャコラしやがって! ゲームは非リアがやるもんだろ!? 調子に乗るな!」


  スキルについて考察していると、こちらにまで飛び火してきた。

 

  てっ、てか僕とホノカはそう言うんじゃないし!


「あぁ、ムカついてきた。お前ら、プレイヤーってことは殺してもオッケーなんだろ? 悪いな、ストレス解消に殺らせて貰うわ。」


  黙っているうちに、どんどん相手の論理が飛躍してきた。


「ちょっ、どうしようライト! あいつ彫刻刀持ってる!」


  ホノカが叫ぶ。向こうからこちらまでは結構距離があったけど、相手はもうその間の半分…… 5m程の距離に迫っていた。


「お前らの落ち度は俺の前でイチャついたことだ。死ねぇぇぇ!」

「ちょっと、止めなさいよ! 元々あんたと私の問題でしょ!?」


  お姉さんが後ろから引き留めるが、止まらない。男は彫刻刀を振り上げる。


「ヒッッッッ」


  ホノカは初めて感じる殺気にとんでもない恐怖を感じて、身を縮ませる。

  でも無理もない。ここはゲームとは言えとてもリアルだ。15歳の少女が感じるには殺気(それ)はとても重すぎて……


  彫刻刀が振り下ろされる一瞬前、僕は彼女を抱き寄せる。


  次いで、狙いを失い力無く振り下ろされる腕に向かって牽制のために羽を1枚抜いて投擲。


  真っ直ぐ飛んで行った青い閃光は一直線に腕に向かい、そして突き刺さる。


  彫刻刀が地面に落ちる。


  が、そこでは終わらない。男はポリゴンとなって爆発。


「え、あ…… 死んだ? どうして?」


  腕に抱いたホノカの体温が感じられなくなるくらい、背筋が凍る。


  前世、今世含めて30年とちょっと


  「僕が…… 殺した?」


  (ライト)は初めて人を殺した。

読んで頂きありがとうございました。面白かった! 続きが気になる! 等々思われた方は、良ければ『評価』『ブクマ』『感想』お待ちしております!


さて、朝食を食べていてストックは増えていませんが頑張ります。

1時台~5時台まではお休みを頂きます。オラをランキングに連れてってくれぇぇ!

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