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環の空間
「カノン……」
「ん……」
呼ばれて瞼を開くと目の前に広がるのは宇宙のような真っ暗な空間。
「あれ…私なんでこんなとこに…」
「目が覚めたかい?」
声のする方に目を向けるとそこにいたのは
「環?!」
さっきゲームに出て来た美しいエルフの男、環がそこにいた。
「名を呼んでくれるとは光栄だ」
「あ…うん。
で、私なんで此処にいるの?」
どうやって此処に来たんだっけ?思い出せない。
「私が君を此処へ呼んだ。
君を、君が必要とされる世界へ導くために」
サァッと足元に済んだ真っ青な空が広がる。
「わっ」
まるでガラス床の上に乗っているように落下はしない。
「私を…必要としてくれる?」
その問いに環は頷く。
「君を必要とし、魂から結ばれている者がこの惑星シーディアにいる」
「惑星シーディア?」
足元の空にはいくつもの島が浮いている。
「そう。この星は全体の9割が海であり、空には浮遊大陸が浮かぶ。
人口のほとんどが人魚と有翼人種ガルーダだ」