表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
飛べないトリビト  作者: アルグ
第一話『壊れた家族』
3/111

まるで…壊れた家族は戻らないって代弁だね

「……」


私は床に落ちたゲーム機を拾い、電源ボタンを押すが…最悪の予想通り画面は真っ暗なまま。

何度も何度も押しても…真っ暗のままで起動音すらしない。


「ぅ…」


涙が零れた。


「うぅ……」


これは…最後の楽しい誕生日の思い出だった……あの時既にパパは不倫してたけど私もママも知らなかった。

大きなケーキとオードブルを囲んで家族三人で祝った私の14歳の誕生日。


「カノン、開けてみなさい」


パパがくれた紙袋の中に入っていたのはDSとRPGツクールDS。私がずっと欲しがっていたものだ。

嬉しくて嬉しくて…誕生祝いが終わった後、毎日やっていた。

自分が作ったゲームを何度もクリアして、飽きてもずっとやって手直ししてた。


それから間もなくだった。パパとママは離婚した。

パパは新しい女との生活の為、毎月20万で私をママに押しつけた。


悲しかった……。でも、もっと悲しかったのは、その時既にママに彼氏がいたこと。二人して…裏切ってたんだ。


両親が離婚したこともあって私は名字が母親の白鳥になった。

学校で友達に何か言われるのが嫌だった…いじめられるのが嫌だった……「白鳥カノン」って呼ばれるのが嫌だった!!


「まるで…壊れた家族は戻らないって代弁だね」


壊れたゲーム機も、私が作った幸せな楽しい物語も返ってこない。


「はぁ……」


もう一度だけ、スイッチを押す。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ