17/111
ジャンヌ登場
「かわいそう…」
ノワールがあんな嫌な性格になったのはそのせいじゃないのかな…。私だったらもっとひねくれてると思うけど。
「とても、強い女性でした……」
思い出しているのか、ニードの目が少し潤んでいた。
コンコンッ
その時、不意にノックがし、ドアが空いた。
「ニードただいまっ!って、あら…どちら様?」
金髪のグラマーな女性が部屋の中に入って来て私を上から下まで目を輝かせて見つめる。
ん…この人はノワールと違って翼が真っ白だ。
「この方は……と、そういえば名前、聞いてませんでした…」
「あ、あの。私はカノンっていいます」
「私はジャンヌ・シルヴァスターと申します。こちらはニード・ベクター」
ニコニコしながら名乗ったその女性が、ノワールの姉であるとすぐに分かった。
「ノワールのお姉さんですね。凄く美人でビックリです…」
ノワールとは似ても似つかない姉。
「まぁ、美人だなんて…カノンこそ可愛らしいですわ」
ジャンヌが一歩こちらに寄ったかと思うとぎゅ~~~っと抱き締められた。