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平等に愛しているよ
ハッと息を飲み、ノワールは口元を手で押さえた。
「ノワール…?」
どうしたんだろう?また発作かな…凄く心配。
「……父さん…」
「私はお前もジャンヌも平等に愛しているよ。
どちらが欠けてもいけない…どうかジャンヌを助けてやってくれ」
あぁ、そうか…ノワールは自分がフランツに愛されていないと思っていたんだ。
「分かった。行こうカノン」
「うん!」
私達はフランツに見送られ、一度屋敷に戻ってニードを連れるとアルビレオに乗ってジャンヌの自治領に向かって飛び立った。
きっと、ジャンヌがいればノワールはフランツと完全に仲直り出来る。
希望を胸に抱き、私達はまるでファンタジーのような神々しい天空城へとたどり着いた。
「凄い…」
ノワールの屋敷の周りも凄かったけど、ジャンヌの自治領も凄かった。空に浮かぶ小さな島を利用して城の倉庫や離れが建てられ、ヴァルカーンや人が行き来する。
城下町も空から分かるほど活気があり、住宅街は高級感のある館が建ち並んでいる。
一言で言えば高級街。
アルビレオから降りた私達はジャンヌの城へ向かった。