有翼人種ガルーダ族です
クッキーも食べてみる。サクサクしたバター風味のクッキーにはナッツが練り込んであり、これもまたとても美味しい。
「そちらは私が焼いたものです。こういったお菓子や料理などは得意なのですよ」
「そうなんだ。羨ましいな~…私、料理はちょっと作るけど、お菓子ってあんまり作った事ないんです」
小学校の時に家庭科でクッキーは焼いたけど。こんなに美味しくは出来なかった。
「よろしければ私がお教えしますよ」
「ほんと?!あ……でも…私、思いっきり怪しまれてるし……」
賊に間違われてさっき殺されかけたし…。
「いいえ。貴女は嘘はおっしゃってないでしょう。
話して下さい。どうして此処に来たのですか?」
「えっと…」
私はニードの優しさを信用して…地球の事、両親が離婚した事、自分の居場所がなく、部屋に引きこもった事、そして環がこの世界に連れて来てくれた事を話した。
「……なるほど。では、貴女は精霊王の導きにあった、ということですね」
「精霊王?」
「はい。環様の事です。
我々ガルーダ族は古くより創造主と精霊王を祭ってきました」
そう言えば環の事を創造主の子って呼んでたっけ。
「環って一体どんな人なの?あと…ガルーダって?」
「環様は創造主エステハーリア神とエルフの間に生まれた方です。
エステハーリア神は獣竜の始祖。
そして我々はエステハーリア様の眷族である獣竜ヴァルカーンと共に空に生きる有翼人種ガルーダ族です」