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お母さんが怒るから
薄っすらと最上層区が見えるが、結構な距離があると思う。
(僕が近付くと…お母さんが怒るから)
あぁ、そういえばそうだった…アルビレオは何故かデネブに嫌われているんだった。
「大丈夫だ。有難うアルビレオ」
ノワールは私を抱き抱えると翼を広げバサバサと飛ぶ。
「帰りはどうするの?」
「少し時間はかかるが自分で君を抱えて飛んで行くよ」
軽々と抱えてるけど、私重くないかな?でも
「嬉しい」
素直に彼の胸に頬を擦り寄せればぎゅっと抱く力が強まった。
「そんなに可愛くされると抱きたくなる…」
「や、やだ…昨日お風呂でいっぱいしたじゃん…」
のぼせるまで何度もノワールに責められ、結局彼の部屋で氷枕で寝込んだ。お腹や背中には見えないのをいいことにキスマークがいっぱいつけられたし…ほんと、ノワールがこんなにスケベだとは思わなかった。
「あんなのじゃ物足りないな」
「もうっ…」
そんな冗談を言っている間に神殿の前に着いた。
「まだジャンヌは来ていないみたいだな」
「分かるの?」