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私が死んじゃったら…
「ノワール…」
嬉しかったけど…悲しかった。
ノワールは私が先に…死ぬって分かってて私を愛してくれた。
「私が死んじゃったら…ノワールは…ノワールはどうするの?」
「俺と君の子を責任持って育てる。そして君の墓に毎日花を添え、守り続けるよ。俺の命が終わるまで」
「ぅ……」
ブワッと涙が溢れた。そこまで…そこまでノワールは私の事を…。
「……いいのに…そこまで…しなくて……新しく、好きな人が出来たら…寂しくないように、結婚してもいいよ…」
私が死んだ後、何百年もノワールは一人ぼっちになっちゃう。そんなの寂し過ぎる……。
「だったら、寂しくならないように君との思い出をいっぱいくれ。
俺の子をいっぱい産んでくれ」
「…ノワール…うんっ」
先の事は分からない。
でも、私がノワールを愛していて…ノワールも、私以上に私を愛してくれている。
それだけは分かる。
「…体が冷めただろう?一緒に風呂に入ろう。すぐ脱いで来る」
「うん…」