表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/19

妹フェチ現る


「ん? シープラ。今俺の事呼んだか?」


 俺は今なぜかシープラと二人で教室に残っている。

一時限目の自習でやれなかったプリントを一人でしているのだ。

シープラは何か事務手続きのような書類を黙々と描いている。


「呼んでいませんけど? 何か?」


「そっか、何か呼ばれた気がしたんだけどな……」


 そこまで難しくないプリント一枚。

さっさとやって帰ろう。


「終わった! よし、俺は帰る。じゃぁな!」


「あんっ、待ってくださいよぉ。もう少しで終わりますからっ」


 その話し方もそろそろやめてほしいもんだ。

クラスの奴は絶対に騙されている。こいつの本性を知ったら……。


「お、終わりました! 一緒に職員室へ行きましょっ」


 そもそも、そんなに絡んでくるな!

ただでさえお前は目立つのに、学校で腕なんか組んだら余計目立つじゃないか!

シープラの腕を振りほどき、一人で職員室に向かう。


「ま、待ってくださいよぉ」


 見た目は可愛い。そぶりも悪くない。

だが、こいつの本性はまだ分からない。なぜ、俺の所に……。


 プリントも先生に渡し、正門に向かって歩き始める。

すると、向こうから袴姿の女の子がこっちに向かって走ってくる。

珍しいな、こんな時間に校外で走り込みなんて。


 しかし、近づいてくる姿が次第にはっきりしてくると良く見た顔が。


「ゆ、弓! お、お前何してるんだ!」


「お、お兄ちゃん! た、助けて!」


 妹の通う学校は俺の通う高校の隣。

中学を卒業した生徒はほとんどこの高校に進学してくる。


「妹さん?」


「あぁ、何あわててんだ?」


 昇降口で妹の弓に抱き着かれたが、息遣いが荒い。

本気でここまで走って来たのか?


「お前、何してるんだ? 部活はどうした?」


「しゅ、主将が!」


 弓の指さす方を見るとゆっくりとこっちに向かって歩いてきている。

何か嫌な感じがする。


 弓は俺の背中に隠れ、主将の方を見ている。

こんなに怯えている弓を見るのは初めてだ。

もしかして、怒られているのか?


「お前、ちゃんと部活していなかったんだろ? だから主将に追いかけ――」


「ち、違う! いつもの主将じゃないの! 何か、変だよ!」


 目の前まで歩み寄ってきた主将さん。

腕を組み、仁王立ちしている。


「弓。そこで何をしているのかな? さぁ、早くこちらに……」


 こいつ、目つきがやばい。

獣の目をしてやがる。もしかして、弓は何かされたのか?


「おい、お前。俺の妹にちょっかい出してんのか?」


 おっと、言葉使いが悪いですね。

弓の先輩だけど、俺の方が年上だ。

ここは先輩としてしっかりと指導してやらんとな。


「妹? お前が弓の兄者か?」


「あぁ、そうだ。それが何か?」


「ふ、ふははははぁぁぁ! 手間が省けた! 弓ちぁゃん! 君に感謝する!」


「どういうことだ?」


「お前を消滅させれば、私が兄に! そして、妹ゲットだぜ! ひゃっはぁぁ!」


 突然俺の胸ぐらをつかみ、首を絞められた。


「うぐぁぁ! お、お前何してるんだよ!」


 主将の腕をつかみ、腹に思いっきりケリを入れた。

相手ももろにくらったようで、数メートル向こうまで飛ばされている。

少しだけ距離が取れたが、相手は本気のようだ。

どうする? 先生を呼んでくるか?


「主よ、あの目を見てください」


 目? いっちゃってる目をか?


「あの目、赤くぼんやりと紅くないですか?」


 確かに黒い瞳ではない。

少し紅くなっているな。最近はカラコンが流行っているのか?


「確かに紅いな。それが?」


「萌えていますね」


「はい?」


「間違いなくモエルギ―に操られています」


「貴様、何者だ? なぜ、モエルギ―の事を……」


 どうやら正解のようだ。


「主よ! 普通には倒せません! 早くフェチズムワールドを!」


 え? 何? こいつもあの黒い奴の仲間なのか!


「こいつは『妹フェチ』です! さぁ、モエルギ―を集めるのよ!」


 そう叫んだシープラは、踊り始めた。

あ、これって毎回しないとダメなの?


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。



当作品の評価&感想は最新話の最下部より可能です!
ブックマーク未登録の方は、ご登録をお忘れなく♪
是非よろしくお願いいたします。


↓小説家になろう 勝手 にランキング参加中!是非清き一票を↓
清き一票をクリックで投票する



アルファポリス様 →  cont_access.php?citi_cont_id=819323104&s

アルファポリス様 →  ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
[良い点] 正式名称 フェチズムワールド そうかぁ~ [一言] さあ翼くん 魔法少女に変身だ! ところでこの主将 妹居ないだろな~
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ