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メガネっ娘萌え現る


 ◆鳴神 翼◆


 二人の一悶着も終わり、凛はゲットしたネックレスをニコニコしながら身に着けている。

勝手に奪うし、つけるしシープラもそれでいいのか?


 凛の向こう側にシープラがいるけど、隠れていて良く見えない。

ひょっこりと首を動かし、シープラを覗いてみる。


 うわっ! 何その顔。

某有名漫画の『計画通り』のような恐い顔になってますよ!


「凛さん、無理矢理はダメですよ。言ってくれれば脱ぎますから……」


「脱がなくていいわ! 凛、無理矢理するのは良くない。話せば分かるから」


「そ、そうだね。私としたことが……」


「凛ちゃんもそれ付けるの? いいの? 後戻り、出来ないよ?」


 弓が少し脅しをかけてくる。


「いいよ、私も翼君と弓ちゃんと一緒に頑張るから!」


 あっさりとした回答。

でも、凛はあの光景を知らない。

実際に自分の目で見たら気が変わるのかも知れないし、まーいいか。


「ネックレス、無くさないでくださいね。結構高いので」


 高い? でも、これって買える物なのか?


「で、これからどうするんだ?」


 シープラが腕を組み、目を閉じる。


「方法は二つ。萌え体のリーダーをやっつけに行くか、来るのを待つか」


「行けるのか?」


「無理ですね。今のモエルギ―では未来に帰れません」


「じゃぁ、迎え撃つしか方法が無いじゃないか」


「ですねー。おびき寄せてやっつけちゃいましょう!」


 そう簡単に言うなよ。


「でもさ、どうやって? それにその萌え体ってどのくらいいるの?」


 弓さん、ナイスつっこみ。


「さぁ? 勝手に増えているから、総数は把握しません」


「何だよそれ! 無制限なのか?」


「はいっ! 無制限解放中です!」


 笑顔で俺達に話しかけてくるシープラ。


「そのリーダーっておびき寄せられるの?」


 お、凛さんいいところついてきますね。


「可能性があるとすれば、一般の萌え体で回収できないようなモエルギ―をひねり出せば、自らくる可能性があります」


「それって?」


「五十三万モエルギ―。この値が一つの目安。一般萌え体は十万も回収できませんから」


 かなりの値だ。

確か俺の数字って十万位だったよね?


「無理じゃない?」


「いえ、翼さんの理論では複数の萌えを重ね掛けする事により、モエルギ―は倍加されます。萌王拳もえおうけんです」


 おーい、新しい単語出してくるなよ。

追いつかないぞ?


「萌王拳ってなんぞや?」


 弓がだんだん追いつかなくなった。

大丈夫、俺も追いついていけないから。


「例えば、黒髪ロングからポニーへ、そしてプリーツのミニスカにニーハイ、そして、お姉さん属性をかけ合わせます」


 何それ、いい感じじゃないですか?


「おにいちゃん、シープラさんおかしいよ? お兄ちゃんはどう思う?」


「弓、まずは話を聞こう」


 聞く事大切。これ大事。


「萌え体は一つの萌え要素にしか反応しません。そこで、こちらから複数の萌えを展開するのです!」


「あれか、要は萌え体に対して、こっちが全力の萌えをすればいいのか?」


「そんな感じですね」


「おっけい。早くそいつをおびき出して、やっつけよう、早く終わらせようぜ」


――ピシャァァァン


 いきなりシープラのビンタが俺の頬を直撃。

なんで?


「バカ! いきなりそんな全力を出したら、あなたの体がもたないわ! 修行よ、少しずつレベルアップしていくのよ!」


「いきなり殴るな! 痛いじゃないか!」


 シープラの胸ぐらをつかみ、揺さぶる俺。

頬がひりひりする。


「まぁまぁ、翼君も落ち着いて。それって、私達もレベルアップしていけばいいの?」


「そ、そうでひゅ。皆さんでレベルを上げぇー、迎え撃ちまふ。苦ひい……」


「俺はともかく、こいつらを危険な目に合わせるなよ!」


「お兄ちゃん……」


「翼君……」


 二人の視線が熱い。


「弓なら大丈夫! お兄ちゃんは私しが助ける! さっきだって実際に助けたじゃん!」


「わ、私だって翼君の力になりたい! ここまで聞いたら引けないわよ! 私も戦う!」


「ですって。鳴神さん、どうしますか?」


 二人の熱い視線、そしてその心意気。

しっかりと受け取った!


「分かった。ただし、危険だったらすぐに逃げる、あと基本的には俺が戦うからなっ!」


「分かった、さっすがお兄ちゃん! 話が分かるね!」

(これでお兄ちゃんにもっと近寄れる! また、なでなでしてもらうんだ!)


「ありがとう! 私も絶対に力になるね!」

(ふふ、作戦成功! これで窮地に陥った翼君を助けて、私のポイント稼ぐわ!)


 二人の目が熱い。

何だ、俺の事心配してくれているのか……。


「無理、すんなよ」


「な、る神さん、首が、息がそろそろ……」


 あ、ごめん。忘れてた。


――ピコーンピコーン


 何だこの音?


「た、大変! 萌え体が現れたわ!」


 何だそれ!


「どこ!」


「いくわよ!」


 おーい、二人とも他に突っ込むところないのか?


「この先、三百メートル。近い!」


「私が一番乗り!」


「ずるい! 私も行く!」


 二人は部屋から飛び出していった。

部屋に残った俺とシープラ。


「はぁ……。で、方角は?」


「流石主ですね。あの二人とは違います」


「方向も分からず、飛び出るかって。後でそれについて聞かせろよ」


「仰せのままに。北に三百ですね」


「どれ、行きますか」


「お供致します」


「来ても参戦しないんだろ?」


「もちろん!」


 玄関を出て、北に向かって走り出す。

全く、なんで俺ばっかりこんな目に。


 でも、世界から萌えが無くなるのは困る。

そんな規制された未来?

俺がモエルギ―の論文を書いた?

そんな事知るか!


 だったらモエルギ―も、規制のない萌えがある未来も俺が作ってやる!


「いました! 奴は『メガネっ娘萌え』です!」


「一応聞くが、その影響は?」


「襲われた娘のメガネが無くなり、美人になります!」


「あー、あるある。でも、視力低下は敵だ! そのメガネ、守るぜ!」


 踊る、舞い踊る。

シープラと二人で。


「行くぜ! 『フェチズムワールド展開! メガネトターラ・メガヒカール!』」



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― 新着の感想 ―
[良い点] DB要素出まくってますなw 萌要素はただ掛け合わせるんじゃなくて愛称もあるかと たとえな黒髪ロング+眼鏡っ子はσ(^_^;)的に違和感がありますねw [気になる点] 凛と弓はどこいった?w…
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