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銀髪碧眼の女の子との衝撃的な出会い


 日課である小説投稿サイトで小説を読み、新作のラノベを買い、休み時間に読む。

自宅に帰って録画したアニメを見て、その後読んだ小説の感想やレビューを書く。

寝る前に自分のブログへ新作ラノベや見たアニメのレビューを投稿。


 ふぅー、今日の日課も無事にこなせたな。

我ながら良い投稿をしたぜ。カウンターも右肩上がりだ。


 俺のペンネームは『神速の黒翼』、本名は鳴神翼なるがみつばさ

高校に通う、いたって普通の高校二年生だ。


 ラノベの世界は良い。そして、アニメも大変良い。

俺の心を埋めてくれるから。


 幼馴染?

隣に住んでいる幼馴染とはここ近年話もしていない。

朝、玄関を出た時に会ってもお互いに声もかけない。

昔は良く遊んだのにな。


 萌え的な妹?

現実の妹を知っているのか?

兄を兄と思っていない妹だぞ?

俺のとっておきのティラミスを勝手に食べる妹は悪だ。


 クラスの美少女?

そもそも美少女なんてそんなにいないだろ?

いても、普通の女の子だ。

まぁ、ちょっとかわいい子はいるけどさ。


 キリっとした生徒会長?

うちの学校の生徒会長は男子だ。

萌えも無ければ女子でもない。

線も細いし髪が長いので、女装させたら面白そうだ。


 銀髪碧眼の女の子?

そもそも銀髪の女の子なんてコスプレ以外で見た事もない。

もしいるんだったら、是非お会いしてみたいもんだ。


 さて、話を戻そう。

ようは、俺の周りに萌え要素は全くない。

この二次元の世界が俺の心を満たせてくれる。


 日課も全てこなし、あとは寝るだけなのに、今夜はなかなか寝つけない。

なんだか胸騒ぎがする。こんな事はめったに無いんだけどな。


 ベランダに出て夜空を見上げる。


 お、流れ星! 何か願い事でも言ってみるか!

『銀髪碧眼の女の子!』

『銀髪碧眼の女の子!』

『銀髪碧眼の女の子!』

よし、三回言ったぜ!


 ん? はて? なんかあの流れ星、異様にでかいような気が……。

って、のぉぉぉぉ! こっちに向かってきてるんじゃないか!?

なんだ、あの光は! って、やばい!


 は、早く逃げないと! いや、その前に警察に電話!

あわてて俺はスマホを操作し、番号をプッシュする。


 早く、早く、絶対にあれはやばい!

直撃したら絶対に被害が出る!


「もしもし! 警察ですか! 今、目の前に――」


『ただ今から、二三時三十分、五十秒をお伝えいたします――』


 って、時報じゃないか!

のぁぁぁ! もう目の前に流れ星がぁぁ!

あぁ、先行く親不孝をお許しください。

せめて一度でもいいから可愛い女の子とチューしたかった……。


 死を覚悟し、目を閉じるが一向に何も起きない。

少しだけ目を開けると何かが光って浮いている。


 何だこれ? 水晶玉が光っている?

現実か夢か。それとも、未知との遭遇か……。


 とりあえず、見なかったことにしよう。

だいぶ慌ててしまったが、しょうがない。

心を落ち着かせ、さっさと寝てしまおう。


 俺は部屋に戻り、窓とカーテンを締める。

ふぅ、なんだか変な夢を見たな。


 よし、寝よう。

布団に潜り込み、さっさと寝る事に決めた。


――コンコン


 聞こえません。


――コンコン


 風かな?


――コンコン


 気のせい、気のせい!


――コンコン


 だぁぁぁ! うるさい! 何だよ! 俺は寝るんだ!


 ベッドから飛び上がり、カーテンを開ける。

窓の外には一人の女の子がこっちを見ている気がする。


 生れて初めて見た銀髪碧眼、そして美しい姿の少女の姿を。

来ている服はボロだし、いたるところに傷がついている。 

あ、流れ星に言った願い事が叶ったんだ!


 ……夢だな、絶対に夢だ。

全く、俺の妄想力も大したもんだ。

カーテンを閉め再びベッドにもぐりこむ。


――コンコン


 夢じゃない?

再びカーテンを開けもう一度しっかりとみてみる。

そこにはさっきと同じ、銀髪碧眼の美少女が立っていた。

コスプレさん? それとも泥棒さんかな?


 窓を開け、意思疎通を試みる。見た感じ日本人ではない。

いざとなったらケリを入れて、ダッシュで逃げよう。


 多分俺よりも小さい子だから、腕力では負けないよね?

というか、日本語でいけるか? 英語とかロシア語とか話せないしなー。


「わたーし、にーほんじーん。ゆーは、だれ?」


「あなた、変な言葉を使うのね」


 チクショー! こっちが気を使ってやったのに!

あ、あれだろ? コスプレさんだろ?


「人ののベランダで何してるんだ? ここはコスプレ会場じゃないぞ?」


「お願い助けて」


 人の話を聞け! ん? 助けて?

美少女が助けて? うーん、絶対に怪しい。

変なツボとか高額な絵とか買わされないかな?


「断る。初対面の人を助けるほど、俺はお人よしじゃない」


「お願い。この星の生命いのちがかかっているの……」


 半分泣きながら訴えてきているが、残念な子だったのか。

銀髪にカラコン。そして、星の生命とか無断侵入とか。


「あー、わかった。明日病院行った方がいいな。じゃ、そういうことで」


 俺は部屋に入り、窓を閉めようとする。

が、彼女は勝手に部屋に上がり込んできた。


「何、しているのかな?」


「お願い助けて。時間が無いの。私にほんの少しでいいからモエルギ―を分けて」


 はい、アウト―! 訳分からない。

そもそもモエルギーってなんですか?

もしかしてご飯の事か?


「なんだ、メシか?」


「そろそろ、この姿を維持するにも、限界が……」


「その姿って? いやー、色々と設定しているんだな」


 可哀そうに。随分と重症らしい。

せめて、ご飯位食べさせて、さっさと出て行ってもらうか。


「設定? は、早くモエルギーを私に……」


 なぜか段々と息を荒くし始め、ついに両手で胸を押さえはじめた。

顔も赤くなっていき、本当に苦しそうだ。


「わ、わかった! いまご飯持ってくるからちょっと待ってろ」


 振り返り、部屋から出て行こうとする、

が、腕を掴まれ動けなくなった。


「モエルギ―、貰えるんですね?」


「良くわからんが、メシだろ? 今すぐ持ってきてやるよ。何か残っていたと思うし」


「主よ感謝する。では、いただきますね!」


 銀髪碧眼の美少女は俺の頭に手を回し、そのまま抱き着いてきた。

そして、彼女の唇が俺の唇と重なり、彼女の生暖かい何かが口に入ってくる。


「んっ……」


 ちょっー! 俺の、俺のファーストキスがぁぁぁ!

名も知らない女に奪われた! もう、お婿にいけない……。


「ぷぱぁっ……。いい。この味、濃いわね! 申し分ないわ! もっと、貰うわね!」


 口を塞がれ、頭をがっちりホールドされて、何もできません。

彼女の口から何かが入ってきているが、これが大人の……。


 次の瞬間、俺は体の中から何かを奪われた様な錯覚に落ち、目の前がくらくらし始めた。

そして、彼女がぼやけて見え始め、そのまま床に倒れ込んでしまう。


「ぷはっー! 主よ、良い物持ってるね! 思った通りだ! はは、あははははっ!」


 指一つ動かせない俺は、彼女の声だけが耳に入って来る。

視界に彼女の顔が見えてきた。


「ご馳走様。大変おいしゅうございました。ありがとねっ」


 彼女に抱きかかえられ、そのままベッドに運ばれる。

そして、部屋の電気が消され、辺りは真っ暗な闇となる。


「まだ動けないかな? ま、そうだねよ。あそこまで抜かれたらしばらく無理かな?」


 シュルルと布の音が聞こえ、暗闇に女性らしいラインのシルエットが浮かびあがる。


「おじゃましまーす。服汚れているから、しょうがないよねっ」


 ベッドに寝かされた俺は、そのまま彼女に抱き着かれ、顔の横に柔らかい何かが当たっているのを感じる。

彼女の温もりを感じ、少しだけ癒されるような感じがした。


 確かに流れ星に願いをしたが、こんな結果は望んでいない。

俺は一体何をされたんだ? でも、この温かさ嫌いではない。

彼女の寝息を聞きながら、俺の思考は停止した。



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