寄る辺なき道
今日を終えるために、前だけを見て、進む。
振り返れば過去がそこに
あるはず、だから。
それだけを支えに。
不都合な現実からは目をそらして、進む。
立ち止まって、振り返ってしまえば。
確かな過去は見えなかった。
昨日の誰かによって踏み均された道だけがそこにはあった。
向き直って、また前を見て。
誰かたちが踏み均した道を見つめる。
今日を終えるために、また、進む。
ただ進む。
道を外れてしまうと、もう標はない。
寄る辺が見えなければ、もう進めない。
何も形には残らない、かもしれない。
ただ進む。
ただただ、今日を終える。
今日が終われば、明日の誰かの一部となるから。