87. 主力
前回のお話
戦場こえぇぇぇ。
優剛をラーズリアの天幕に案内している男は緊張していた。ラーズリアの話では優剛は穏やかで、怒ったりもしない。適当に連れて来れば良いと言われたが、とてもそんな気にはなれない。
自分が優剛と模擬戦をしたのは数分間だったが、他の模擬戦を見学すればするほど全く強さの底が見えなかった。ラーズリアの背中は辛うじて見える。遠くに豆粒ほどの大きさで見えている。
しかし、優剛の背中は近くにあるようで、全く手が届かない。ラーズリアとの模擬戦を見学した際は驚愕で開いた口が塞がらなかった。自分と模擬戦をした時とは比べ物にならない魔力を感じた。
手加減されていた。怒りでラーズリアと模擬戦している優剛を睨みつけたが、すぐに冷静な自分が問いかけて来る。小さな子供と本気で戦うか?
否。戦わない。手を抜いて戦って悪い所を指摘する。まさに自分が優剛にやられたままである。力の差があり過ぎると納得させられてしまう。
しかも、必死なラーズリアの形相に対して、優剛の余裕のある表情を見ればまだまだ底が見えない。
模擬戦が終わった後は子供たちとヒーローごっこという遊びを見学した。真っ赤な顔で拒んでいた優剛は、頼み込むラーズリアと子供たちに渋々という表情で項垂れていた。
魔王を見た。本物の魔王だ。本やおとぎ話で聞いた魔王が目の前に居た。戦いは激しいものだった。子供の遊びとは到底思えない激しい戦いだった。魔王に殴られ、蹴られて吹き飛んでも雄々しく立ち上がって、魔王に向かって行く勇者の姿は心が震えた。仲間たちと一緒に勇者たちの応援にも熱が入った。
しかし、「黙れ雑兵ども」と魔王が言った瞬間、呼吸が難しくなった。胸を締め付ける苦しみに耐えながら、目だけで勇者を応援した。そして、魔王は死んだ。確かに燃えて死んだ。あれで生きている生物など居ない。しかし、魔王は生きていた。涼しい顔で立っていた。
ヒーローごっこという遊びだった事を勇者に褒美を配る魔王を見て思い出した。しかし、恐ろしくなった。優剛は本物の魔王だ。気軽に話しかけて良い相手ではないのだ。
様を付けて呼んだら魔王に止めてくれと言われた。しかし、呼び捨てには出来ない。
今、自分が案内しているのは本物の魔王なのだ。粗相があってはいけない。
「申し訳ありません。もう少しです。良ければ馬を・・・。」
「大丈夫ですよ。気にしないで下さい。」
しばらく歩いた優剛は大きな天幕の前で待たされた。案内してくれた男性から待つように言われたからだ。男性は凄まじい速さで天幕に入っていった。そして、すぐに同じような速さで天幕から出て来た。
「入って下さい。」
天幕に入った優剛は広い天幕の中に視線を走らせる。すぐにラーズリアが入って来た優剛に向かって手を挙げて口を開く。
「おぉ!ユーゴ、来てくれて嬉しいぞ。ハルもありがとう。」
優剛は軽く手を挙げて、ハルも尻尾を軽く振って応える。そんな優剛の様子に疑問を感じたラーズリアが口を開く。
「ん?どうした?」
「いや・・・、戦場は怖いなって思ってね。」
「見ていたのか?」
「少しだけね。」
「ハッハッハ!慣れだ慣れ!」
大きな笑い声をあげたラーズリアが「うっ」と言って脇腹を抑える。
「ん?どした?」
「優剛の予想通りで悔しいが、俺の足止めに特化した部隊が居てな。そいつらにやられたんだ。」
「見せて。」
優剛がラーズリアに歩み寄って肩に触れようとした瞬間に、ラーズリアの護衛のような男性2人が優剛の前に立ち塞がって口を開く。
「今、回復術士を待っています。素人の出る幕ではありません。」
2人を見て驚く優剛とラーズリア。しかし、その驚き方は対照的だ。
優剛は屈強な兵士に動揺したかのようにオロオロとして、視線が定まらず1歩2歩後退する。
ラーズリアは笑うのを堪えるようにして震えている。
「クックック。ユーゴは聖女に回復魔術を教えた魔術士だぞ。俺がその場に居たんだ。間違いないぞ。」
「なっ!あの聖女様に・・・?」
「この場に聖女が来たようなものだ。道を空けてやれ。」
2人は優剛に警戒の視線を向けたまま道を空けた。妙な真似をすれば殺す。剣を抜きはしないが、その手は剣の柄が握られている。
「怖いです。ラーズリア様。」
「キモイぞ・・・。」
「なんだよ、ラーズ!・・・治してあげないよ?」
不貞腐れる優剛は既にラーズリアの肩に手を置いて、診断と治療を始めている。
「そこの骨にヒビが入ってるね。あとは・・・打撲くらいだね。」
優剛はラーズリアの肋骨を指差して告げた。
「ヒビ?折れてないのか?」
「折れてないね。折れた方が治りは早いって言うよね。」
「おぉ。それは俺も聞いた事があるぞ。」
護衛の2人は優剛の言葉が信じられなかった。優剛はラーズリアの肩に手を置いただけだ。身体中を触ったり、服を脱がして見た訳では無いのに負傷箇所を言い当てたのだ。
「まぁ、イラつくのもわかるけど、辛抱するしかないんじゃないの?」
「むぅ・・・。俺が抑えられてる影響で思うように攻め込めんからな・・・。焦りもするぞ。」
「今は各国の主力を待ってるって聞いたよ。」
「その通りだ。主力が来れば巻き返しだな。ん?そこまで知っていて何故ユーゴは来たんだ?」
ラーズリアは腕をグルグル回して、伸ばしてから首を傾げて優剛に尋ねた。
「学園の徴兵を聞いたからだよ。」
「あー。アレか。アレは無いな。」
「は?無いの?なんでよ。バスタは徴兵するって言ってたよ。」
優剛は慌てたようにラーズリアに尋ねた。ムラクリモやバスターナンから聞いていた話とは違っているのだ。
「各国の主力が来ても状況が変わらなければ、それは非常事態だ。直ちに兵を退いて防衛戦に移行する事になるだろう。学園のエリートは次代の貴重な戦力だ。育成の為に地方に逃がしてそこで力を研ぎ澄ます。徴兵して戦場で使うのは余りに惜しい。」
ラーズリアの言葉を聞いて優剛は頭を抱えて蹲る。
「ぬおぉぉぉ!」
蹲った優剛を見て笑みを深めるラーズリアが口を開く。
「ティセやユリが徴兵の対象者に選出された。とか言われたか?」
優剛は蹲ったままラーズリアをガバっと見上げる。
「くっくっく。それは地方に逃がす為だよ。次代の貴重な戦力を国に所属させれば命令する事が出来る。全ては危険な場所から遠ざける為の徴兵措置だよ。未来の優秀な戦士を戦場とは真逆の方向に強制的に集める為のな。」
「バスタァァァアア!!」
優剛はガバっと立ち上がって咆哮する。その身体には少なくない魔力が纏われている。
優剛の背中で尻尾を巻き付けて張り付きながら、目を閉じてリラックスしていたハルが、驚いて優剛から離れて天幕の隅で丸くなる。
機嫌の悪い優剛は放置に限るのである。
「おい、ユーゴ抑えろ。落ち着け。それ以上纏ったら見てる奴らがビビるぞ。くっくっく。」
「あの野郎、髪の毛全部抜いてやろうか。」
「ぶっ!止めてやれ・・・。ユーゴが勘違いしたのも悪いんだ。」
「むぎぎぎ。」
確かに勘違いである。ムラクリモも同様の勘違いをしていたが、翌日には既に徴兵の理由と派遣先も確認が取れた。正しい情報を優剛に知らせたいが、遠いフィールドに居る優剛には連絡方法が無い。
その勘違いはバスターナンも同じであった。優剛に襲撃面会された翌日に学園の生徒を徴兵する事について詳細を確認。そして、勘違いに気づいて顔を青くした。
すぐにラーズリア邸とフィールドに使者を出して、優剛に手紙を届けるように指示を出した。しかし、使者の話では優剛は戦場に向かったようで、手紙は届かなかった。
戦場に向かったなら良いか?と甘い考えが頭をよぎったが、すぐにバスターナンは思い直す。優剛が徴兵の真実に気が付いたら再び襲撃面会される。怒った優剛が1人の貴族を再起不能にした件は、レミニスターから報告を受けている。
優剛の襲撃面会は防げない。命までは取られないが、何をされるかわからない。今から許して貰うための言い訳や、何か機嫌を取れるような物の準備を始めていた。
ムラクリモはすぐに伝えるのを諦めた。仮に優剛が戦場に行っても問題が無い。次に会った時に謝ろう。それだけを心に決めて忘れる事にした。
優剛が死ぬ?この大陸が消し飛んでも優剛だけは生きているという確信がムラクリモにはある。優剛が戦場に行くのなんて近所に散歩に行くのと変わらない事だ。
優剛の気持ちが落ち着いて魔力が身体から漏れなくなった時に、天幕の入り口から綺麗な軽装鎧を装備した青い瞳の金髪美男子が入って来た。
「ここから凄い魔力を感じたが、何かあったのか?」
金髪美男子を見たラーズリアが口を開く。
「おぉ!ラグナ、お前が来たのか!?」
「なんだ、ラーズか。さっきの魔力はお前か?」
2人は歩み寄って握手をする。
金髪美男子の背は優剛と同じくらいで体格も似ている。異世界基準で言えば小さく細い。そして、後ろからゾロゾロ入って来る者も含めて、似たような体格で耳の先端が少し尖っている。
(エルフ!クッコロさんに続いてリアルエルフだ!)
優剛はエルフたちを見て少し親近感を抱く。エルフの体型が優剛と近いからだ。先頭の美男子エルフはキラキラ輝いているような錯覚すら覚える。
金髪美男子が優剛に気づいてラーズリアに尋ねる。
「そこの小さいのは誰だ?装備が他とは違うようだな。」
「紹介しよう。あいつは俺の友人でユーゴだ。」
(あぁん!?お前よりデカイわ!)
僅か1,2cmの差しかないが、僅かに優剛が大きいように見える。男という生き物は、身長が近いと醜く争うものなのだ。
ラーズリアは優剛を手招きして呼び寄せる。優剛は少し不機嫌ではあるが、決して表には出さずに金髪美男子に挨拶する。
「優剛です。よろしくお願いします。」
「うむ。ラグナイド・オーリンだ。」
ラグナイドは握手する為に伸ばされた優剛の手を不思議そうに見つめて口を開く。
「ユーゴは俺たちが怖くないのか?」
「え?」
筋骨隆々で大きいな異世界人は怖いが、優剛と体格の近いエルフは全く怖くない。優剛は何が怖いのか不思議で首を傾げる。
「本気か?ユーゴは人間だろ?見えてないのか?」
「金髪美男子のエルフ集団なら見えてますよ。」
「魔装だ。俺たちは人間と違って常に魔装してるぞ。人間の社会では常時魔装する事は、武器を抜き身で所持しているのと同じであろう?気を遣って魔装しない事もあるが、ここは戦場だからな。」
優剛は納得して「あぁ」と口から声が漏れた。確かにエルフたちは魔装しているが、非常に薄い魔装である。しかし、優剛から見ても精度は高く、動かなければ魔力が漏れる事は無い。
動いた時にチョロチョロ漏れる魔力を見て、指摘したい気持ちを抑える程度である。
対する優剛は誰にも感じ取られないように、常時隠蔽しながら全力で魔装している。漏れる事もない。そんな優剛が魔装している相手を見ても、怖いと思わないのは当然である。
しかし、人間も多いこの場で自分も魔装をしているとは言いにくい。導き出される優剛の答えは・・・。
「ラーズと親しくしてたから怖くないですよ。」
誤魔化した。
「なるほど、肝が据わってるようだな。」
そして、良いように解釈された事で、優剛はホッと胸を撫でおろす。
そんなラグナイドに後ろのエルフが声を掛ける。
「ラグナイドはん、異常も無いようですし、ラーズリアはんも見つけました。本題に入って下さい。」
「せやな。」
(は?関西弁?)
2人の会話を聞いてラーズリアが口を開く。
「おい、おい。エルフ語で密談は止めてくれよ。」
「ハハハ。すまんな。ラーズを探してたんだ。見つけたぞって話をしただけだ。」
(はぁ!?エルフ語?)
優剛は大いに困惑していた。異世界に来て初めて日本語が聞けたからだ。
「しかし、中途半端な戦力を送ってすまなかったな。」
「気にするな。俺も敵にこれほどの手練れが居るとは思わなかった。」
(あ・・・異世界語だ。エルフ同士で話すと関西弁になるのか・・・?)
「まぁ、俺が来たからには安心しろ。」
「ハッハッハ。期待してるぞ。」
話を進める2人に好奇心を抑えきれなくなった優剛が割り込む。
「ラグナイドさん、僕のエルフ語はわかりますか?」
天幕の中は沈黙で支配された。誰もが驚いた表情で優剛を見つめている。優剛は普通に日本語で話しかけただけだ。ただし、標準語で。いや、この場合は東京弁で。
「ユーゴはエルフにエルフ語を教えてもろたんか?」
「いやー、自然に・・・?」
「なんでや?魔人様の遺したとされるエルフ語を、なんで人間のユーゴが喋れるんや?エルフやろ?どこぞのエルフに教えてもろたんやろ?」
関西弁でグイグイ来るラグナイドに、優剛は困ったように頬を掻く。
「ラーズ!こいつなんやねん!?」
「いや・・・、俺にエルフ語で言われてもわからん・・・。」
ラグナイドが異世界語で言い直して貰ったラーズリアが、優剛のこれまでの経歴を説明する。普段は戦闘狂だが、ラーズリアは非常に頼りになるのだ。
説明を聞き終えたラグナイドが驚愕の表情で優剛を見て口を開く。
「魔人様やろ?なぁ?少し訛ってるみたいやけど、流暢にエルフ語を喋ってるんやで?」
「なんでやねん!よーみぃや!わし人間やろ。」
優剛はツッコミを入れた。悪ノリであったが、手の甲で軽くラグナイドの胸を叩いてツッコミを入れた。
ツッコミを入れられたラグナイドはフルフル震えて優剛を見つめながら口を開く。
「ツッコミやと・・・?流暢なエルフ語で・・・ツッコミやと!?」
言語を理解していないラーズリアが優剛に尋ねる。
「なぁ、ラグナは驚いてるように見えるが、なんて言ったんだ?」
「僕は人間だからよく見ろ。って言ったよ。」
ラグナイドが身体を震わせながら口を開く。
「ラーズ、こいつ・・・只者じゃないぞ・・・。」
「・・・知ってるぞ。」
静かに見つめ合うラーズリアとラグナイド。そんな2人に悪ノリしている優剛が、あえて異世界語でツッコミを入れる。優剛の手の甲は2人の胸を軽く叩く。
「男同士で見つめ合うな!気色悪い!」
ラーズリアはツッコミを入れられてもどうして良いかわからない。その為、不思議そうに優剛を見つめる。
対するラグナイドは綺麗な青い瞳を輝かせて口を開く。
「アホ抜かせ!誰がこんな・・・にんげ・・・ラーズ・・・。」
「惚れとるやないかーい!」
ラーズリアを見つめるラグナイドに優剛の切れ味鋭いエルフ語のツッコミが炸裂する。これには待機していた美男子の集団からも笑いが起きる。
(よし!爆笑頂きました!)
「ええで!ユーゴは最高や!悪魔どもを鎮圧したら、エルフの国に遊びに来いや。儂が案内したるで。」
興奮するラグナイドと爆笑しているエルフたちを見れば、何やら優剛がエルフに受け入れられたのはわかる。しかし、言葉のやり取りがわからない為、不思議そうなラーズリア。
そんな天幕にさらなる来客が訪れる。
「おーい。ここで大きな魔力を感じたが、大丈夫か?」
「ん?」「お。」(でか。)
入って来た大きいな獣人にラーズリアとラグナイドは揃って歓迎の声を口にする。
「ヴァル、お前が来たのか!」
「ヴァルは相変わらず無駄にデカイな。」
「ガッハッハ!ラグナは相変わらず小さいな。ちゃんと食ってるか?」
大きな獣人はラーズリアと握手する。握手といっても腕相撲をするような、ガッチリと握り合う握手だ。そして、ラグナイドに対しては、弟を可愛がるように頭をワシワシ撫でる。
「止めろ。エルフはみんなこんなもんだ。ヴァルみたいな巨大な獣人と一緒にするな。」
ラーズリアよりも頭1つ大きい獣人の身長は2mを楽に超えているように見える。さらに丸太のように太い腕はあらゆる物を薙ぎ払う力が備わっているように見える。
黒茶の髪の毛は顎髭と繋がり、ライオンの鬣のように風貌である。
しばらく3人でじゃれ合った大きな獣人が優剛を指差してラーズリアに尋ねる。
「こいつなんだ?明らかにラーズとラグナの部下じゃないだろ。」
「「俺の友人だ」」
「ん?お前らの友達か?・・・人間なのに珍しいもんだな。」
ラーズリアには友達が少ない。幼少期、軽くジャレるだけで吹き飛んでいく同年代の者たちは、ラーズリアを避けるようになった為、友人の作り方がわからず今でも友人が少ない。
エルフのラグナイドが人間と友人関係にあるなど、この大きな獣人には信じられなかった。
エルフはエルフ以外の人種と付き合う際は、侮られない事を重要視している。魔力の適正も高く、魔力量も多いエルフは、体格が劣っていても非常に優秀な戦士である。しかし、その体格から他種族に侮られやすい傾向がある。
その為、細く小さいエルフは体格の大きな他種族には、やや高圧的な態度を取る事が多い。
そして、他種族がエルフに力を示せなければそのままエルフが上。という関係で終わる為、エルフが他種族と友人関係に発展する事は少ない。
多くの場合が途中で喧嘩になるからだ。それらを乗り越えた者たちだけが、エルフと友好関係を結べるのだ。
優剛がラグナイドに認めて貰えたのは、同じ体格とツッコミだ。同じ体格であれば力を示す必要などない。あとは人柄の問題だが、エルフ語でツッコミまで入れる優剛は、ラグナイドにとって十分に友人と言える要因になっていた。
驚く大きな獣人に近づいた優剛が手を差し出して挨拶する。
「優剛です。よろしくお願いします。」
「おぉ!よろしくな。俺はヴァルオーン・ムーヨリットだ。」
普通の握手である。しかし、優剛にはヴァルオーンの金の瞳が輝いたように見えた。
思い出されるのは初めてラーズリアと出会った時。あの時も今みたいに力強い握手だった。
(力強い?・・・ハッ!)
「おぉ!さすがお前らの友人だ!」
「そうだろ?ユーゴは最高だぞ。」
「あぁ。ツッコミが・・・。ん?ヴァル!止めろ!ユーゴが壊れるだろうが!」
何故か握手したまま喜ぶヴァルオーンとそれを見て胸を張るラーズリア。そして、こんなことを言うヴァルオーンは、いつも握手する相手の手を握りつぶしている事に気が付いたラグナイドが慌てて止める。
しかし、ヴァルオーンの手でスッポリ隠れた優剛の手が、どうやら潰れていない事に気が付いた。優剛が平然としているからだ。ラグナイドは驚きながらも口を開く。
「ユーゴは魔装もしてないのに平気なのか?」
「いや・・・、まぁ・・・。」
(魔装してます。すいません。)
「ガッハッハ!あとで模擬戦したいくらいだ!」
「はは・・・、止めて下さいよ・・・。」
大きく笑うヴァルオーンは手を離して、優剛の肩をバシバシ叩いている。
(こいつも戦闘狂だ・・・。絶対ラーズと同じだ・・・。)
優剛はラーズリアと同じ匂いのするヴァルオーンとは、なるべく関わらないようにしようと心に固く決意する。
そんな決意は戦闘狂には無意味であるとも知らずに。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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