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家族で異世界生活  作者: しゅむ
62/215

62. 人形劇

前回のお話

ビビッてねぇし!やってやんよ!

 麻実はベッドで身体を起こして座る先代国王の頭に短剣を突き入れていく。

 そして、刃が頭蓋骨を抜けたところで止めて引き抜く。その際に血が垂れないように傷つけた血管を魔力で摘まんで止血する。


 麻実に腹パンされた影響で跪いたままの優剛が口を開く。

「麻実、手伝おうか?ベッドに血が垂れたら大変でしょ?」

「大丈夫よ。もし、止血忘れがあっても血が外に出ないように魔力で抑えてるから。」

「はーい。頑張ってねー。」


 気軽な優剛の声援に麻実は答えなかったが、バスターナンが口を開いた。

「ユーゴも回復魔術が使えるのか?」

「使えますよ。」

「バスタ、麻実に回復魔術を教えたのはユーゴだ。こいつは本当になんでも出来るぞ。」


 やはり跪いたままの優剛がラーズリアに反論する。

「さすがになんでも出来ないよ。」

「例えば何が出来ない?」


 ラーズリアの質問に一瞬沈黙する優剛であったが、ハッとした表情に変わって回答する。

「絵だ!絵が描けない!あと物作りも苦手かな。」

「それなら俺も出来ん。」


 優剛は立ち上がってラーズリアと無言で握手する。馬鹿2人が握手する。


 その後も如何に自分たちの絵が壊滅的かを語り合う2人。バスターナンは幼少期に嗜みとして絵を学んだ事もあり、絵心は持っているようで、2人の気持ちは理解出来なかった。


 2人が軽快に話し合う部屋の中では、麻実に頭を切られた先代が目を閉じて、頭の中の血腫を除去する手術が続いている。


「あっちとこっちで全然空気が違う・・・。この2人が変なのか・・・?」

 バスターナンの呟きに答える者は居ない。


 しばらくして麻実が完了を告げる。

「終わりました。これが頭の中にあった血の塊です。」


 麻実は手に持った小さな血の塊を先代に見せる。取り出す時は魔術で分解していたが、外に出して元の大きさに戻していた。

「こんなに小さいのに儂の半身が動かなくなるのか?」

「小さいから半身で済んだのです。大きければ言語や記憶にも支障が出ます。」

「なんと・・・。」


「あとはリハビリをすれば動くようになるかと思います。リハビリメニューは後で紙に記載してお渡し致します。」

「具体的にはどんな事をするのだ?」

「右手を開いて閉じる。ベッドの上で足を動かす。誰かに支えて貰いながら立つ。そして歩くです。徐々に支える力を弱くして、最終的には支え無しで歩く。そして、走ります。それらとは別に基本的な筋力トレーニングは明日から始めて下さい。」


 麻実の説明に先代が目を見開いて確認する。

「それだけか?」

「はい。しかし、長い間、動いて無かったですから、多少の痛みはあるかと思います。」

「むぅ。」


 痛みと聞いて難しい顔になる先代に優剛が余計な事を言う。

「爺ちゃん怖くなった?僕がリハビリを短縮してあげようか?」

「貴様・・・。覚えておれよ。真っ先に貴様をこの右手で叩きに行ってや・・・。」


 先代は優剛に怒りの言葉を放ったと同時に、自身の右手が僅かに上がった事で驚いて言葉が止まる。バスターナンもその動きを見ていたので驚きで固まってしまう。


「父上・・・。今・・・。」

「あぁ・・・。僅かだが動いたな・・・。ぐぅぅおおお。」


 先代は非常に辛そうな声を出しながら意識的に右手を動かす。

 麻実がそんな先代に優しく声をかける。


「少しくらいの無理はしても良いですが、立って歩くのは少しずつ慣らしていって下さい。倒れて怪我をする原因にもなりますからね。」

「あ・・・あぁ。すまんな。これが聖女の力か・・・。」


 動くと思っていなかった身体と麻実の優しい言葉。2つの出来事が重なり、感動したような表情で麻実を見つめる先代とバスターナン。

 そんな部屋でラーズリアが小声で優剛に確認する。

「なぁ、さっきユーゴが言っていたリハビリってのは短縮出来るのか?」

「出来るよ。身体の色んな部分の筋肉を剥がしたり、伸ばしたり、鍛えたりをするんだけど、ある程度は魔力で強引に進められるしね。」


「では・・・。」

「駄目でしょ。あの目を見てよ。麻実のリハビリメニューを待ち焦がれている目をしているよ。」

「はは。確かにな。どれくらいの期間が必要なのだ?」


「うーん。寝たきりの期間が長かったからかなり長い時間が必要だと思うけど、魔力があるからかなり短縮出来ると思う。・・・3か月くらいかな。本人の努力でもっと短くなるかもしれないよ。」

「それは朗報だな。」


 そう言ってラーズリアは麻実に近づいて軽く肩を叩く。

「マミ、俺からも礼を言うぞ。ありがとな。」


 そんなラーズリアに軽く頭を下げる麻実。

 そして、思い出したかのように麻実に向かって先代が頭を下げる。

「マミ、儂を治療してくれた事を感謝する。すぐには動かないと言っておったが、少しなら動くしな。・・・疑って悪かった。」


 麻実は綺麗な動作で一礼すると口を開く。

「恐縮でございます。」


 そんな麻実に向かってバスターナンが口を開く。

「マミ!ありがとう!父上を・・・。父上を・・・。」

「まだ終わりでは無いですよ。これからが辛いリハビリなのですから。」

「そうだな。そうだったな。あとでリハビリメニューとやらを教えてくれ。」

「うむ。貴様は・・・覚えておれよ。」


 先代は優剛を睨みながら辛いと言われるリハビリに臨む覚悟を決めたようだ。


「マミ・・・。その・・・。俺の側室にならんか?」


 この爆弾発言には既に立ち上がっていた優剛も驚いた。


「父上のリハビリもあるし、王城に住むのも良いだろう。正室は無理だが、側室なら問題ない。麻実の美しさなら異論も出ないだろう。」

「おぉ!良い・・・。」


 先代が麻実の皇室入りを肯定する言葉を最後まで言う事は無かった。

 バスターナンが優剛に肩パンチされて吹っ飛んだのだ。


「ねぇ、バスタ。友達の妻を略奪するのって友達って言えるのかな?どうなのかな?」

 優剛は床に倒れるバスターナンを見下ろしながら告げた。


「・・・言えないと思います。」

 バスターナンは倒れたまま敬語で答える。


「そうだよね?側室って話は冗談だよね?王様が言う事のどこまでが冗談なのかわからないんだよね。」


「貴様!現国王に対してぶれ・・・」

「今はバスタと話しているんだ。爺ちゃんはちょっと黙ってようか。」

「ぉぅ。」


 優剛は先代を魔術で軽く威圧した。その結果、先代は上擦った声で小さな返事を返すのが精一杯だった。


 上から睨みつける優剛に気圧されて、バスターナンは倒れた状態から正座に変わっていた。


 そんな優剛に麻実が優しく告げる。

「優剛、国王様の冗談よ。私は側室にはならないから大丈夫よ。」


 麻実の言葉で優剛はバスターナンに朗らかに告げる。

「なんだ。やっぱり冗談かー。肩パンチしてごめんね。」

「いや・・・。良いんだ。俺の冗談はわかり難いからな。ハハハ。」


 バスターナンは優剛に手を借りて立ち上がって口を開く。

「そ・・・そうだ。別室でリハビリメニューを書いて貰おう。父上、また後程。」


 先代は小さく首を縦に振って応えた。


 優剛たちはバスターナンの後ろに付いてゾロゾロと退室していく。

 先ほどの部屋に戻って来た優剛たちは再び丸テーブルの椅子に座って寛ぎ始める。


 麻実は給仕から渡された紙とペンでリハビリメニューを書いていく。

 さらに先代の主治医と思われる魔術士が麻実に面会を申し出ているとの事で、麻実は別室に案内された。麻実としてもリハビリメニューの詳しい内容を誰かに伝えたかったので、この面会は渡りに船だった。


 部屋に残された男たちは時間を持て余していた。

「なんか暇になっちゃったね。」

「模擬戦しよう。」


 そんなラーズリアの期待に満ちた目を無視して優剛はバスターナンに質問する。

「ゴロゴロして良い?」

「もぎせ・・・。」

「しないからね。」


 バスターナンはラーズリアの方を見ないで断る優剛に気圧されそうになりながら、優剛に尋ねる。

「ゴロゴロとはなんだ・・・?」

「んー。こんな感じー。」


 優剛は綺麗な絨毯に寝転がって伸びをする。

(おぉ。質の良い絨毯ですなぁ。)


「なぁ、汚くないか?」

「魔装して弾けば良いじゃん。」

「おぉ。なるほどな。」


 優剛が寝転がった直後は怪訝な顔をしていたラーズリアも、優剛と同じようにゴロゴロし始める。


「次は何をするんだ?」

「え?このままのつもりだったけど、いつもやってるみたいにやるね。」


 ラーズリアの問いかけに優剛はいつも家でゴロゴロしている時にしている魔術の訓練を始める。

「うーーん。今やってるのはこんな感じ。」

 寝転がったまま大きく伸びる優剛だけを見たら、休日に家でゴロゴロしている邪魔なおっさんである。

 しかし、優剛は火と水で出来たマネキンのような人形を魔力で生み出した。大きさは30㎝ほどで空を飛んでいる。


「おぉ。凄い・・・な。は?」


 ラーズリアは空を飛ぶ火と水の人形を見て感嘆を口にしたが、その後の人形の動きを見て驚きの表情に変わる。そして、立ち上がってじっくりと観察を始める。


 人形は空を飛びながら格闘戦を始めたのだ。

 火の人形が右の拳を放つが、水の人形は顔を横に傾けて回避行動を取って、火の人形の拳が頬を掠める。

 顔を横に傾けた勢いを利用して、蹴りを放つ水の人形。しかし、素早くお辞儀するように蹴りを避ける火の人形。

 人形は同時に後ろに飛んで距離を取ったと思ったら、すぐに接近してお互いが拳や蹴りを放つ。


 腕で、足で、お互いが相手の攻撃を防御する。目まぐるしく攻防が変わり、人形は綺麗に避ける事は無くなっていく。


 人形の戦場は現在テーブルの上だ。

 バスターナン、ラーズリア、レオネルの3人の視線は人形に固定されている。給仕も仕事を忘れているようで、目を見開いて人形の攻防を見つめている。


 遂に火の人形の下から突き上げた拳が、水の人形の腹を貫いた。

 水の人形はそのままゆっくりと前方に倒れて、全身が火の人形に触れる。

 ジューっという音を立てて、蒸発する水。当然だが火も消えていく。


 火の人形は慌てて、距離を取ろうと後ろに跳ぶが、水の人形はガッシリと火の人形を掴んで離さない。やがて形を維持出来ずに火と水の人形はほぼ同時に消滅する。


 驚きに固まる目撃者たちに優剛の声が届く。

「面白かった?」


「ユーゴ!・・・む?どこだ!?」

「下だよ。下。」

 バスターナンは優剛が座っていた椅子に向かって叫ぶが、優剛は寝転がっている為、テーブルに隠れて見えなかった。


 バスターナンは立ち上がって優剛を視界に入れて問いただす。

「なんだ今のは!?」

「人形劇。」


 目撃者の想いは1つである。俺の知っている人形劇じゃない・・・。

 しかし、すぐに戦闘狂が目を輝かせて優剛に近づいて来た。


「ユーゴ!今の人形と模擬戦・・・。いや、戦いたい!」

「ラーズ・・・。馬鹿な事を言うな。いや、まぁ、人形の形に魔力を練るだけでも凄いが、小さい人形が相手では満足しないだろう?」

「むぅ。バスタの言う通りだ・・・。大きくは出来ないのか?」


 ラーズリアは期待の眼差しを優剛に向ける。

「出来るよ。人形ならラーズと戦っても良いかな。どんな人形と戦いたい?」


 そんな優剛の回答にラーズリアの身体からキラキラが見えるかのように喜ぶ。対照的にバスターナンは不気味なものを見るかのように優剛を見ている。

 この辺りの違いは戦闘狂と一般人の違いではあるが、決定的なのは優剛と接していた時間の長さだ。ラーズリアは優剛の非常識さを知っている。バスターナンも優剛に関する調査報告で知っていたが、これほど非常識だとは思っていなかった。


「もちろん強い人形だ!」

「それってどうなのよ・・・。電撃人形を作ったらラーズが人形を斬った瞬間、ラーズも感電して終わっちゃうじゃん。」

「むぅ。それはつまらんな。・・・硬い人形だ!」

「じゃあ、ミスリルで作ってみるかー。」


 優剛は早速、異空間からミスリルの岩を取り出す。柔らかい絨毯にドンという音で現れた大きな岩。


 脳内の処理が追い付かないバスターナンは思った事をそのまま口にする。

「そんな大きなミスリルの原石を何処から取ってきたのだ?」

「ブラックテイルドラゴンの巣の近くだよ。」

「なんでもありだな・・・。」


 レオネルは先ほどから続いている優剛の非礼を咎めない。優剛が怒ったら国が滅ぶという事が誇張された表現では無い事を自覚したのだ。


「早く!早く!」

 子供のようなラーズリアに促されるように優剛が、ミスリルの岩と魔力を同期させてミスリルの人形を作り出す。

 グングン大きくなる人形はラーズリアの身長ほどで止まり、次に手足や身体が力強く太さを増していく。


 男性物のマネキンもビックリの体格を備えたマネキン人形が完成していた。


「こんな感じかな?」

「おぉ!強そうだ!」

 ラーズリアはミスリルの人形をノックするように軽くコンコンと叩く。


「硬い!硬いぞ!やろう!すぐにやろう!」

「いや・・・。ここは駄目でしょ・・・。」

「・・・ハッ。ここは駄目だ!ラーズが暴れて良い場所じゃないぞ!」

 再起動したバスターナンがラーズリアに告げた。


 優剛もラーズリアが暴れる可能性を考えて人形を消す。同時にミスリルの岩も異空間に収納した。


「すぐに外の訓練場に行こう。」

 飛び跳ねるように部屋を出ていくラーズリアを、優剛は駆け足で追いかける。


「バスター、麻実が戻ってきたら訓練場に居るって言っておいて。ん?訓練場って1つだよね?」

「あ・・・。あぁ。王城にある訓練場は1つだ。」

「ラーズーー。待ってよ!僕を置いて行ったら僕が訓練場に行けないよ!」


 廊下に出た優剛であったが、既にラーズリアは居ない。完全に置いて行かれた優剛は縋るような瞳でバスターナンを見つめる。

「俺が案内してやるからその目を止めろ。」

「あざぁーっす。」

「おい、マミが戻ったら訓練場まで案内するんだ。」


 給仕は深々と一礼する。給仕に命令を終えたバスターナンは、レオネルと共に訓練場を目指す。

 バスターナンもレオネルもラーズリアと同じくらいの体格で非常に背が高い。

 その為、その後ろを優剛がチョコチョコと追従する様子は小間使いのようである。


「おかしい・・・。あの部屋ではユーゴが圧倒的に見えたのに、今のユーゴにそんな雰囲気は感じられない・・・。」

 バスターナンとレオネルは後ろを何度も振り返り優剛を確認する。


「今なら勝てそうな気がします・・・。」

「レオネル、それは夢か幻だ。」


(すいませんねぇ。素の状態が弱そうで・・・。)


 優剛はバスターナンの案内で無事に外の訓練場に到着する。

 訓練場の真ん中で腕を組んだラーズリアが不機嫌そうな顔で待っていた。


「遅いぞユーゴ!」

「訓練場の場所がわからない僕を置いて行くから悪いんでしょう!」

「ユーゴなら匂いを辿って来れるだろうが!」


 そんなラーズリアの言葉にバスターナンが小声でツッコミを入れる。

「そんな犬みたいな・・・。」


「嫌だよ!アレやると臭いの知ってるでしょう!?」

「いや・・・。出来るんだ・・・。」


 優剛はバスターナンの言葉を無視して、ミスリルの岩を再び異空間から取り出す。

 そして、先ほどと同じようにミスリルのマネキン人形を魔力で作り出した。


「よーっし!やろう!」

 ラーズリアは双剣を魔法袋から取り出して構える。


(相変わらず双剣を握ると雰囲気が変わるなぁ・・・。)


 優剛の魔装とは違った意味で恐怖を感じる。双剣を構えるラーズリアからは刺すような圧力が発せられている。


「うむ。また、腕を上げたのではないか?」

「バスタが俺を王都に軟禁していなければ、もっと強くなれたはずなんだぞ。」

「・・・帰って来ないお前が悪いぞ。」

「僕もそう思うよ・・・。」


 味方の居ないラーズリアだが、その表情は嬉しそうであった。

「ユーゴ!早くやろう!」

「良いけど、ラーズの剣ってこの人形で受けれるのかな?って言うかラーズと素手で戦う相手って居るの?」


 優剛の疑問にラーズリアは行動で回答する。

「我慢出来ん。」


 我慢の限界を迎えたラーズリアがミスリル人形に突撃する。

(馬鹿で野獣かよ・・・。)


 凄まじい速度で繰り出される双剣の連続攻撃を、ミスリル人形は後ろに下がりながらギリギリで回避する。


「おらぁ!」

 気合の声と共に繰り出される双剣は絶妙にタイミングをズラした2連撃だ。1つを避ける、あるいは防御しても、続く2撃目は相手の隙を付いてダメージを与える。


 ミスリル人形は1つ目の剣を1歩下がって回避。そこに絶妙のタイミングで突きが襲い掛かる。

 人形の足はまだ地面に着いておらず、次の回避行動は取れない。身体の中心を狙った突きは、身体を回転させても回避する事は出来ない。


 ガン!という音でラーズリアの突きが止まる。

 人形の右ストレートが剣と正面からぶつかったのだ。


「ハッハッハ!壊れんぞ!この人形は壊れんぞ!」


 楽しそうに笑うラーズリアが魔装に使う魔力量を引き上げる。しかし、完璧に制御された魔装は外に魔力を漏らす事は無い。


(あれで斬られたら、バッサリだな・・・。)


 優剛も冷静にラーズリアの魔装を分析。使用している魔力量から身体能力の上昇と、剣の切れ味が増した事を推察する。


 すぐに追加の魔力を人形に付与する為に、魔力玉を離れた人形に飛ばす。

「げっ!」


 しかし、魔力玉が人形に肉薄した時には、既に人形の両腕は切断されていた。

 元々、人形と接近していたラーズリアは高めた身体能力で、再び人形を斬りつけたのだ。さらに横薙ぎの一撃が人形の首を襲う。


(終了~~。)

 優剛は諦めた。どう頑張っても追加の魔力玉が人形に届く前に、人形の頭と身体が分断される。


 キン!という高い音と共に人形の頭と身体が分断された。

 その場に立ち尽くす首の無いミスリル人形。人形の近くには人形の頭と両腕が転がっていた。

最後まで読んで頂きありがとうございました。

皆様の読んでいた時間が少しでも良い時間であったなら幸いです。


評価や感想もお待ちしております。ブックマーク登録も是非お願いします。

次回もよろしくお願い致します。

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