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家族で異世界生活  作者: しゅむ
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03 不思議な煙

前回のお話

狼もどきマジ怖い

 優剛は麻実を3人席まで誘導して腰を下ろした。


 そして、優剛は自分の手を麻実に見せるようにして口を開く。

「はぁー怖かった。ほら、見て。まだ手が震えてる」

「……震えてないじゃん」


 3人席まで誘導されて座った麻実は少しだけ余裕が戻った様に見える。


 しかし、恐怖心は忘れられない。麻実と由里が優剛の腕に巻き付くように掴まって身体を密着させて座り、真人は優剛の膝の上に座りながら腰に腕を回して、ぎゅっと猿の様にしている。

 時折、真人の頭が優剛の顎を襲うが、優剛は上手く頭を上や横に動かして回避を続ける。


 優剛は3人に自分の見解を伝えた。

 ここが何処で、どんな世界か。しかし、優剛は危機感を感じさせないように面白おかしく脚色して3人に伝える。

 勢い余って『剣と魔法の王国』と口走ってしまう。


 魔法と聞いた由里が自分の手を見つめながら口を開く。

「私も魔法……使えるかな?」

「まだわかんないけど、使えたら良いね」


 由里は変身するアニメのキャラクターの様に魔法が使ってみたいのか、シャララーンと効果音を口から出して変身のポーズを取る。そんな


 女の子らしい発想に優剛は微笑むが、真人の言葉が優剛の微笑みをかき消す。

「怪獣いるかな?」

「目の前にじゃん……」

「あんな犬じゃない。怪獣だよ。怪獣」


 真人にとって怪獣は巨大ロボットと戦うような巨大怪獣なのであろうが、優剛にとっては外にいる狼もどきが既に怪獣であって、あれ以上の怪獣は勘弁して欲しいと苦笑いである。


 優剛は怪獣の恐怖を振り払うように話題を変えて麻実に尋ねる。

「麻実、この煙の膜は見える?」

「どこ?」

「え? 見えない? 透明だけど白っぽい煙」

「うーん。見えない」

「あれ? 由里と真人は見えるんでしょ?」

「「見えるー」」


 由里と真人は指をさして煙の膜の位置を麻実に教える。麻実は2人が見えている事がわかると、2人が指し示している場所を眉根を寄せて顔を近づけるが、煙の膜が見えない様だ。


(なんで見えない? 麻実の全身を覆えてないから?それとも時間? 目で見るんじゃない?)


 ある武術の達人や緑の達人も言っていた『見るんじゃない。感じるんだ』

 優剛の頭に浮かぶのは達人たちの名言だが、優剛たちは感じているわけではなく、確かに煙が見えている。


「……ほあちゃぁあ」

「え? 何?」

「ごめん。なんでもない」


 優剛は思わず呟いてしまった雄叫びを麻実に聞かれて、恥ずかしさから誤魔化した。


「見えなくても大丈夫だよ。くっついてれば大丈夫だと思うから離れないようにね」

「ん。離さない」


 麻実は優剛を掴んでいる手にぐっと力を入れて離さないアピールをする。優剛は可愛らしい麻実を久しぶりに感じて、嬉しさでニヤける顔を見られるのを隠す為に窓の方に顔を向ける。


 優剛が窓に顔を向ければ凄まじい近距離に由里の顔があった。

「由里、顔が近いよ。煙は見えてるでしょ」

「やだ」


 由里は麻実に対抗しているのか、同じように優剛の肩に顔を押し付ける。優剛も特に問題は無いと考えて、窓から外の狼もどきを観察する。


 優剛が観察を始めてすぐに狼もどきの群れは行動を開始する。


 朗らかだった優剛の表情が真剣なものに変化していくのを由里は見逃さず、さらに腕に力を込めて優剛に巻き付いていく。


 優剛の視線の先には先程、遠吠えをした狼もどきと近くの一回り小さい個体を捉えていた。

 その小さい個体が前に出てた事で、優剛の視線は小さい個体に釘付けだ。


 小さい狼もどきは遠吠えをした狼もどきと同じように、陽炎と白い煙を上空に立ち昇らせる。その瞬間にその場から消えるような速さで跳び上がり旅客機の翼に喰らいついた。


(うーわ。予備動作から予想すると体内の違和感で身体能力強化も出来るのか。心が折れそう。適当に餌を投げつけて、食べている間に逃げる作戦も無理そうだなぁ……)


 餌を食べ終わった狼もどきに追いかけられて、あっさり追いつかれる自分たちを想像してしまい溜息が漏れてしまう。

「はぁー」

「どうしたの?」

「ん。大丈夫。なんでもないよ」


 麻実が優剛の溜息を心配して声をかけられるが、誤魔化すように強がった。そして、視線は狼もどきに固定しながら、周囲の乗客の様子に聞き耳を立てる。


 機内の様子は、すすり泣く声や、「あぁ」「うぅ」の様な絶望に呻く声が聞こえるだけで、周囲の乗客で騒ぐ者や動ける者もいないと予想できた。


(今も頬と横腹は少し痛いけど、2人に頭突きされたのは幸運だったなぁ。)


 優剛は恐慌状態から救ってくれた2人に感謝しつつ、煙で出来る事を増やそうと決意する。

(身体能力強化って座ったままだと、実験できないな……。ん?)


 優剛が見つけたのはシートベルトの先端についている金属製の凸部分だ。


(これを曲げられたら、凄くない? ヤバくない?)


 早速、優剛は凸部分を親指と人差し指で持ってから曲げようと力を込めるが、形を変える事は無かった。


 優剛は「ですよねー」と呟いて目を閉じる。その際の顔が真剣で怖かったのか、由里と真人は聞こえないふりをして優剛にしがみつき続ける。


(身体を体内の異物を使って動かす感じかな? 筋肉を使わないで無理やり動かすイメージで……。お?)


 優剛は指が動いた感覚があって目を開いた。そして、持っていたシートベルトの凸部分を見ると、グニャリと先端が曲がっていた。


 それを見て驚いた麻実が問い詰める様に優剛に問う。

「へ? 何してんの!?」

「えーっと。シートベルトの先端曲げ……かな?」

「いやいや……それ曲げられるの?」


 優剛は大仰に超能力者の真似をしてシートベルトの凸部分を、今度は両手を使ってグニャグニャ曲げてみせる。


「種も仕掛けもありません。しかし、私の手にかかれば……」

「わぁー。お父さん凄い!」


 麻実と由里は口と目を大きく開けて優剛のパフォーマンスを見ていたが、真人は声を出して称賛する。


 優剛は嬉しくなって「ふふん」とドヤ顔である。

「え?どうやっ」

「ァオオオオオオン!」


 麻実の質問に割り込むようにして、再び狼もどきの遠吠えが辺りに響き渡る。超能力者気分で調子乗っていた優剛は外を見ておらず、完全に虚をつかれてビクっと身体を震わせてしまう。


(うおっ! ビックリしたぁ。あれ?)


 優剛は3人の様子を順番に確認するが、3人とも特に手足が震えている様子は見られない。

「よし!」


 優剛は拳を握りこんでガッツポーズを作る。恐慌状態にさせる遠吠えに煙の膜が有効である事が証明されたのだ。


 しかし、その遠吠えを合図に『ドン!』という衝撃音と共に機体が揺れる。優剛たちの反対側にいる狼もどきが機体に体当たりしたのであろう。もちろん他の狼もどきも翼に喰らつき始める。


「「キャ!」」

「んー!」


 衝撃音と揺れに驚いた3人が優剛を締め付ける。しかし、機内の乗客は誰も声を上げない。遠吠えによる恐慌状態で声を上げる事が出来ないのだ。


「とりあえず落ち着こう。みんな喋れる?」

「うん。喋れるわよ」

「大丈夫ー」


 真人から返事は無かったが、顔を優剛の胸元にグリグリしているので問題は無いだろう。優剛の仮説通りに3人とも遠吠えに抵抗できたようだ。


「OKOK。僕から離れると遠吠えで、また震えるから煙の中に居てね。麻実は見えないから離れちゃダメだよ」

「わかったー」


 優剛は言いながら手を挙げる由里に精神的な癒しを感じた。

 そして、「ん」と言ってグリグリを続ける真人。何度か真人の頭が優剛の顎に当たるが、不思議と痛みは無い。


 麻実は自分が見えない煙で遠吠えが防げる事がわかると作り方を優剛に尋ねる。

「ねぇ。その煙の膜? 私も作りたいんだけど」

「ですよねー。簡単に作り方を説明するよ」


 身体の中にある違和感を身体の外に引っ張り出して作る事を伝えるが、3人は違和感がわからないと言う。


「んー。身体の中の違和感がわからないと作れないと思う。とりあえず身体の中から違和感を探してね。この飛行機が壊されて中に入ってくるかもしれないから、ゆっくり教えてる時間は無いんだよ」


 狼もどきの知性がどの程度かわからないが、飛行機を1つの生物として見た場合は不味い肉と皮しかないから諦める可能性がある。

 しかし、狼の様に嗅覚に優れている場合、旅客機の中に食べ物がある事はすぐにわかってしまう。奴らにとっては人間も食べ物である。

 優剛はその可能性が高いと考えて、逃げる為に必要な異世界特有の煙や違和感で出来る事を増やしたかった。


 真人は麻実側のシートベルトを引っ張り出して、シートベルトの凸部分を曲げようと試みる。

「ボクもやる!」

「違和感がわからないと出来ないと思うよ。違和感を動かして身体を無理やり動かすと出来るよ。まずは身体の中の違和感を探しなさいな」


 真人はつまらなそうに口を窄めて、曲げようと試みるが曲がる事はない。

「むぅー。動かない」

「体内の違和感を知る。動かす。外に出して膜を作る。今は3つだけしか知らない。もっと出来る事があると思うから、ちょっと待っててね」


 優剛が真剣な表情で3人に伝えれば、3人は3人で相談しながら違和感を探し、優剛の邪魔はしないのであった。


 --------------------


 しばらく機体を爪で引っ掻く音や体当たりの衝撃音が続いていたが、諦めたのか音が聞こえなくなった。


 それからどの位の時間が経ったのか。


 乗客達も恐慌状態が収まり、機内が騒がしくなってくる。悲鳴や怒号も飛び交い、優剛以外の3人は不安から優剛を掴む力が強まっていく。


 優剛は締め付けられる腕の痛みと、身体に腕を回している真人の締め付けが苦しかったのか、集中する為に閉じていた目を開ける。


 3人は自分の身体に沿わせる様にして煙の膜を纏っていた。

「おぉ! 凄い! みんな出来てる! しかも、3人の方が綺麗だね」

「最初は大きい膜を作ったけど、穴が開いてダメだったの。穴から声が入ってきたら嫌だから塞ぎ続けてたらこの大きさになったの」


 ドヤ顔の由里が制作過程を説明してくれた。

「それ位の大きさの方が良いね。余裕が出来たらお父さんも小さくするね!」


 そう言って優剛は少し大げさに由里を褒める。そして優剛も自身で作った膜を小さくしようとするが、長い時間この形であった為、急に小さくするのが難しく今は断念する事にした。


「ボクは曲げられたよ。ほらっ」

「私も曲げたよ。見て。見て」


 由里と真人はそう言って、少し丸くなったシートベルトの凸部分を優剛に見せてくる。

 煙で膜を作るだけでなく、身体能力の強化までも2人は出来るようになっていた。


 優剛は由里と真人を順番に抱き締める。

「おぉ!凄いよ2人とも!」


 そして、ぎゅーっと抱き締めている時に気が付いた。

(あれ? その力で殴られたり、蹴られたりしたら僕……死ぬんじゃない?)


 命の危機はすぐに解消する必要がある。

「その力を使って叩いたり、蹴ったりしたらダメだからね」


 優剛は身の安全の為に、念を押すように何度も2人に言って聞かせるのだった。あの力で真人に起こされたら無事では済まないと直感したのだ。完全に潰れてしまうだろう。


 それを眺めていた麻実は改めて優剛の煙の膜を見ていた。体内の違和感を実感した直後に目を開けた麻実は、優剛を中心にした煙の膜が見える様になっていたのだ。


 夫婦だからか、対抗して大きい膜を作りたかった麻実がジト目で睨みながら言ってくる。

「優剛の煙の膜って大きくない? 私は身体に沿って作るのが精一杯なんだけど!?」

「おぉ!麻実も凄いね!上手に出来てるね」

「うっ……うん。まぁね」


 麻実は優剛に褒められて悪い気はしないようで、先程の対抗心は消えてしまった。

「優剛は何が出来るようになったの?」

「うん。煙が見えるならこれも見えるよね」


 そう言いながら優剛は手の上に丸い煙玉を作って浮かべる。それだけで終わらないのがゲームオタクで漫画好きの真骨頂である。


「さらに、飛ばせるのです」


 丸い煙の玉はゆっくりではあるが、ふよふよと安定感の無いシャボン玉の様に優剛の手から離れて、反対側の手荷物を入れる棚にぶつかって消えた。


「お父さん、すごーーーい!」

「でしょ。でしょ。凄いでしょ?」


 真人に褒められてご満悦であるが、麻実の一言が心を抉る。

「それ、役に立つの?」

「あー。うん。当たっても痛くないし、現状は役立たず……です。こっこれからに期待してよ!」


 優剛は申し訳なさそうな表情で、投げたら早くなるかもしれない、早かったら痛いかもしれないと今後に期待をするように可能性を説明した。


 麻実は優剛が投げた丸い煙玉を見て口を開く。

「まぁ凄いと思うけど、完全に異世界ね」

「ここまで出来たら疑えないでしょ?」

「異世界ー」

「シャララーン」


 大人は異世界である事を確信してしまい、子供たちは何やら興奮している。


 麻実は少し申し訳なさそうな表情で告げる。

「お手洗いに行きたい」


 しかし、由里と真人も「ボクもー」「私も」と言って同意した事で、何か勝ち誇ったような表情に変わった。


 優剛は『ほれ見ろ。私だけじゃないんだぞ』という表情の麻実に告げる。

「それじゃみんなで行こっか」


 いつ状況が変わるのかわからない。3人から離れるつもりがなかった優剛はそう言って動く際の注意点も述べる。

 動きながら膜を維持する事、穴を開けないようにする事などの注意点を述べてから4人は席を立ってトイレに向かうのであった。


 トイレに向かえば機内の様子は嫌でも見えてくるし、聞こえてくる。

 狼もどきに怯えてしまって泣き崩れている者。抱きしめ合う様に固まってすすり泣く家族や恋人たち。蹲ってしまった客室乗務員に声をかける乗客や口論をしている乗客も確認できた。


 先程まで自分たちが居た空間とは別世界の様な機内の状態に由里と真人は自然と優剛の足に掴まり、麻実も優剛の手を取って恐る恐るトイレに向かう。


 ようやく着いたトイレの扉の前では優剛が「いるよー」と呪文のよう唱えている。用が終れば、慌てて扉を開けて優剛にしがみつく。これを3回繰り返した後、優剛は「水を貰いに行こう」と言って4人でまとまって客室乗務員のいる場所まで行く。


「あのー。お水が欲しいんですけど……」


 優剛が大丈夫そうな客室乗務員に告げると、4本のペットボトルを優剛に差し出してくる。客室乗務員は余裕が無いのか無言であった。


「あと非常食も欲しいんですけどありますか?」

「今は……配布……し……て……ない……」

「それなら大丈夫ですよ」


 優剛は途切れ途切れの口調で配布していない事を告げる客室乗務員に、優しく了解の意を伝えると4人でまとまって席に戻る。


 席に座った麻実は少し溜息を吐き出して口を開く。

「凄い状況ね」

「まだまだ落ち着いてる方でしょ。外には出られず、食料と水も無限じゃない。生き残りたければ奪ってでも水と食料を確保しないとね。それでも外に出られないなら餓死するしかない。機内は最悪の状況でございますわよ」


 最後にどこかのお嬢様の様に「お~ほっほっほ」っと付け足して言う優剛に苦笑しつつ麻実は感謝する。自分たちがここまで落ち着いていられるのも、危機感を煽らない様に時折ふざけて3人のメンタルコントロールをしているおかげかもしれないと。


「それでお水を確保して手荷物に入れたのね」

「実際は苦し紛れの本数で、無いよりはマシって程度だよね」


 そう言って優剛は外へと視線を移す。外には狼もどきが機体の周りで休んでいて、諦めたわけではない事がわかる。


(あれ?1番大きかったやつが居なくなってる。どこ行ったんだ?)


 遠吠えをしていた1番大きな個体の姿が消えていた。優剛は反対側の窓からも外を見たが、その個体は見つからなかった。


 優剛は「うーん」と唸りながら食事の時に貰った飲みかけの水に口を付ける。カバンに入れた水は緊急時用だ。残っている水があればそれで十分なのだ。


 由里は優剛の袖をクイクイっと引っ張って尋ねる。

「ねぇお父さん、なんでみんなに煙を教えてあげないの?」

「うん? まず、信じないよ。仮に信じたとして、みんなが僕にしがみついたら、3人を守れなくなっちゃう。他の人には申し訳ないけど、守れない人に希望は与えない方が良いと思ってる。さらに、僕が乗客の人達みんなを守る事になったとしても、こんなに大人数は守り切れないよ。守れなければみんなが怒るね。どうして守ってくれないんだってね」


 優剛は由里の質問に指を順番に立てて説明し、「まだまだ理由はあるんだよ」と説明を続けようとした時、優剛の耳に遠くで『ガシャン!』と何かが割れる音がした。


 優剛は説明を中断して立ち上がり、首を振って左右の窓から狼もどきの動きを確認した。その後に機内の前方をじっと見つめる。左右の狼もどきは煙を立ち昇らせる事は無いが、機体の前方に向けて走り出していた。


 優剛が出来る様になったのは煙を飛ばすだけではない。本命は別にあった。

 それは五感などの強化で、先程から聴覚を強化して様々な音を聞いていたのだ。


 さらに反射神経の強化まで成功しており、動いた物に反応して身体を動かす練習を密かにしていたのである。


 この事は説明が難しいので3人には黙っていたが、落ち着いたら教えるつもりでいる。


 優剛が機内の前方を見つめてしばらくすると、微かな悲鳴が機内の前方から聞こえてきた。


 優剛はすぐに立ち上がる。

「棚からカバン取るね。3人はいつでも動けるように準備してて」


 優剛は棚から手荷物を入れていたカバンを取り出す。由里が生まれる前にお出かけ用の赤ちゃん用品を入れる為に購入した斜め掛けのショルダーバッグだ。

 優剛が長い時間をかけて探し出した拘りの一品だ。


 革製品で丈夫な事もあって由里と真人の2人が育っても、未だに使用可能なカバンを優剛は凄く気に入っていたし、優剛は幼かった2人を思い出して、改めて守り切る決意を固めた。


最後まで読んで頂きありがとうございました。

読んでいた時間が良い時間であったなら幸いです。


初めて評価ptを頂いた時は非常に嬉しく思いました。評価して頂いた方に厚く御礼申し上げます。

また、ブックマーク登録も非常に嬉しいです。


未熟者ですが、どうぞよろしくお願い致します。

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