16. 異世界人の戦闘力
前回のお話
ハンターって何?
優剛が1階に戻ってくると、すぐにヒロが優剛を見つけて、手を振り上げながら声をかけた。
「ユーゴ、こっちじゃ!こっち!」
優剛も了承の意を示すように手を振った際に「あいつが3級?」そんな呟きが聞こえてきたが、声がした方向は見ないように、そして聞こえない振りもしながら、足早にヒロとレミニスターがいるテーブルを目指して歩んでいく。
「ん?ユーゴも何か飲むか?」
「いやいや。大丈夫。早く帰ろう。」
優剛はハンターに絡まれない内に帰りたかったので、早く帰ろうとヒロに促した。
「ユーゴも長い説明を受けて疲れたじゃろ?何か飲んで休んでから帰れば良いじゃろ。」
(ひぃぃぃ。3級になっちゃいました。ヒロは絡まれたいの?)
先ほどからチラチラとこちらを窺いながら、「あいつが?」「嘘だろ?」という会話が聞こえている優剛は、心の中で彼らに返答しつつも、とにかく絡まれる前に帰りたかった。
「大丈夫だよ。疲れてない。帰ろう。」
「うーん。まぁ良いじゃろう。帰るか・・・。」
ようやくヒロは腰を上げようとした時に思い出したように言い出した。
「おぉ。忘れるところだった。ハンター証を見せてくれ。ノブナガ様に報告せねばならんからな。しっかり『3級のハンター証』を確認しないといかん。」
(のぉぉ!その声量でそこまで3級ってハッキリ言うか!?)
優剛は渋々ポケットに手を突っ込んで異空間から黒いカードを出す。そしてヒロに手渡した。
(・・・はい。黒くてすみません。)
優剛のズボンのポケットから出された黒いカードを目撃した周囲のハンターたちは、優剛が3級ハンターだと確信した。そしてハンターたちの話し合いは熱を帯びていく。そんな周囲のハンターたちに優剛は心の中で謝罪を繰り返す。
「ふむ、ふむ。確かに黒カードだな。よし。飲み終わったら帰るぞ。」
そう言ってカードを優剛に返して、再び座り直すヒロ。優剛は嘘だろ?という表情でヒロとレミニスターの飲んでいるカップの残量を確認する。
(ヒロはもうすぐ飲み終わるけど、レミさん半分以上あるやんけ!)
残量を確認した優剛は渋々椅子に座る。早く飲めと言えるほど優剛は礼儀知らずでは無かった。
(あぁ・・・。来ます?こっち来ます?)
あるテーブルではヒロに推薦を直談判しようという事を話し合っているハンターたちの話がまとまって、ハンターたちがこちらに向かって歩んできた。
「ヒロイース様、レミニスター様、少しお時間よろしいでしょうか。」
穏やかな口調で話しかけてきたのは、ヒロよりもわずかに背と横幅のある革鎧を身に着けた体格の良い男性だ。
「ん?良いぞ?誰じゃ?」
「俺はモーリア。4級ハンターで推薦者を探しております。もしよろしければ推薦者になって頂けないでしょうか。」
「うーむ。よく知らん奴を推薦したくは無いのぉ。」
ヒロはやんわりと断る。断る理由も至極真っ当なものだ。優剛は出来るだけ目立たないように声を出さず、視線も向けない。テーブルの一点を見つめてレミニスターの紅茶が早く無くなる事を祈る。
(軍人だ・・・。ガチムチの軍人みたいだ。)
優剛は映画やTVで観るような外国の特殊部隊の隊員のような体格をした4人組をチラっと素早く確認した。
「しかし、この者を推薦したのでしょう。正直に申しまして、こんな奴より俺の方が良い働きが出来ると断言します。」
それを聞いた使用人たちが少しむっとしたような表情でモーリアを睨む。
(ちょー。使用人が主人の会話している相手を睨むんじゃないよー。冷静でいるのも仕事の内でしょ?)
焦る優剛。しかし、モーリアは使用人など眼中になく、気が付く事も無い。そしてヒロに自己アピールを続ける。
「うーむ。悪いが他を探してくれんか。お主を推薦する前に、騎士団の中から推薦するのが先じゃな。」
「なっ!?で・・・では、なぜこいつを推薦したんです!?こいつは騎士団に所属しているようには見えない!」
乱暴な口調になってきたモーリアが声を荒げて優剛を指差す。
「うーむ。なぜと言われてものぉ・・・。人には言えん理由があるんじゃよ。それで引いてくれんか?」
ヒロは申し訳なさそうに断った時、それまで黙っていたモーリアの後ろの男が声を荒げた。
「おい!貴様、領主様たちを脅しているのか!?」
声を荒げた男は優剛の肩口を掴んで立ち上がらせると、優剛を上から睨みつける。
(ひぇー。大迫力―。)
優剛は絡まれる前はビクついていたが、肩を掴まれてからは何かのスイッチが入ったように、怖がるような様子を見せる事も無く余裕があった。
「ちょっと!離しなさいよ。」
掴まれて睨まれている優剛を見て、レミニスターの使用人が物怖じせずに言い放つ。
「あぁ!?なんだてめぇは。」
「レミニスター様の使用人よ!」
イコライズの魔力を覚醒させた優剛に対してフィールド家に仕えている使用人たちは古い者ほど、優剛に対して感謝の念を持っていた。この使用人もイコライズが生まれる前から仕えていたので、優剛がハンターに乱暴に扱われる事が我慢出来なかった。
「はっ!使用人風情は黙っていろ!」
男はヒロやレミニスターがいる事も忘れて使用人を睨みつける。
(うおぉ。メイドさん半端ねぇ。)
「私の使用人がすまんな。お前も少し落ち着きなさい。」
優剛は使用人とハンターの睨み合いをハラハラとした気持ちで見守っていたが、レミニスターの介入で、使用人とハンターの睨み合いは終わった。しかし、優剛は掴まれたままだ。
「私たちはユーゴに脅されてはいないよ。だからユーゴは離してあげなさい。」
レミニスターは普段の口調とは違って、穏やかで丁寧な口調でハンターに告げた。
「ちっ。」という舌打ちをしたハンターは優剛を椅子に押し付けるようにして離した。
(こえぇええええ。まだメッチャ睨んでいるぅぅぅ。)
椅子に座らされた優剛はスイッチが切れたのか、再びビクつく。
「お前たちみたいな者を推薦する気は無いのぉ。」
優剛が座った事で3度目の断りを入れるヒロ。
「俺の仲間が失礼しました。しかし、俺の実力を見て下さい。こんな奴より俺を推薦した方がヒロイース様の為になります。どうかお願いします。」
モーリアは懇願するように頭を下げた。
「うーむ。困ったのぉ。」
このような懇願は無視してもなんら影響は無いのだが、得体の知れない者を推薦したとなると、レミニスターの悪評にも繋がる事で、顎ヒゲを触りながら困ったような表情をするヒロにレミニスターが声をかける。
「父上、ユーゴが有能だと証明出来れば良いのでは?」
「ん?おぉ!そうじゃな。」
2人はもちろん。使用人たちも既に問題が解決したような表情になった。
「ユーゴ、そいつらと模擬戦でもするか?」
紅茶を飲み終われと祈りながら、テーブルの一点を見つめていた優剛は、驚きの表情で模擬戦するか?と聞いてきたレミニスターを見る。
「何言ってんのレミさん。僕はたた・・・」
「よーし!そうと決まれば裏の訓練場に移動じゃ。ほれ、お前たちも他の推薦が欲しい者もついてこい。ユーゴに勝てたら推薦してやろう。ガッハッハ。」
優剛の「戦えない」という言葉を遮るようにヒロは立ち上がって、モーリアたちを含めた周囲のハンター全員に、優剛に勝てば推薦してやろうと煽りながら、訓練場に向かって行く。
(筋肉おじさんも何言ってんの!?おぉ?こっち見てニヤつきながらヒロについて行くやつ多いな!)
完了報告に来ている多くのハンターがヒロの言葉を聞いて、報告を後回しにして訓練場に向かう。中には優剛を見て、既に推薦を得られたかのように仲間内で喜び合う者も多かった。
「訓練場ってギルドの裏にあるの?僕は逃げても良いんだよね?」
少し怒りを含んだ口調で優剛はレミニスターに問いかけた。
「逃げるのは困るな・・・。父上や使用人から朝の訓練の事は聞いている。ユーゴなら大丈夫だ。4級ハンターでユーゴに触れる奴はいないだろう。」
「本当に?本当に彼らは僕に触れない?僕がいた世界の日本って凄く平和な国で、戦闘に関しては全くの素人だからね?」
「ユーゴは父上と一緒に騎士団の訓練に1度参加するのも良いな。この世界の一般的な戦闘力がわかるぞ。まぁ今からわかるか。はっはっは。あっ。俺も見に行くぞ。」
そう言って優剛の肩を叩いて、さらに優剛を掴んで引きずるようにして訓練場に向かう。
「私も朝の訓練見ました!ユーゴ様はあんな奴らに負けるはずありません。」
使用人たちも絶望の表情をしている優剛を励ますように声をかけてくる。
優剛はレミニスターに引きずられて訓練場に到着した。訓練場は非常に広く、隅には木で作られた人型の的が置いてある。
優剛が来た事で沸き上がる訓練場。そして1つの質問がハンターから飛び出す。
「ヒロイース様!そいつが怪我で動けなくなったらどうするんですか!?」
「治療すれば良いじゃろう?ここはハンターズギルドだ。誰かしら回復魔術を使えるじゃろ。」
そんなヒロの返答に沸き立つ訓練場。そして「おい!誰か回復魔術が使える奴を呼んで来い!」とそこかしこで叫ばれている。
(何この雰囲気。メッチャ怖いんだけど・・・。)
雰囲気に圧倒されながら優剛は人で出来た円形の中央に連れてこられた。
「ユーゴなら問題は無いから気軽にな。全力でやると相手が死ぬかもしれんから手加減はしてやれよ。」
ユーゴの心配ではなく、挑戦者の心配をして優剛から離れていくレミニスター。
「悪く思うなよ。こっちは推薦が貰える絶好のチャンスだ。」
剣と盾を持ったモーリアが優剛に近づいてきた。
きっかけを作ったモーリアたちが最初の挑戦者のようで、続く挑戦者の順番をモーリアの背後で激しくハンターたちが言い争っている。
「ユーゴ、武器はどうする?訓練場の武器は刃が無いからそれで良いか?」
「・・・ヒロ、僕は武器なんて持ったこと無いからわからんよ。」
「お?そうか。では、剣でも持つか?まぁ・・・危ないから素手で良いじゃろ?」
(僕が危ないんじゃないのかい!?)
ヒロも挑戦者の心配をして優剛に素手で戦わせようとする。
「とりあえず剣は頂戴・・・。」
「うーむ。ユーゴが振ると両断しそうで怖いのぉ・・・。」
(出来ねぇよ!)
非常に不満そうな表情で訓練場にある剣を優剛に手渡すヒロ。負けないくらい不満そうな表情で剣を受け取る優剛。
「おーい。準備出来だぞい。お前からやるのか?」
「そうです!あぁ。この日を夢見てきました。」
既に勝った気でいるモーリアは感極まったような表情をしている。
「殺さんようにな。」
ヒロは優剛に声をかけて少し離れていく。
「では始めて良いぞー。」
2人から少し離れたヒロは軽い感じで模擬戦開始の合図を出した。それに沸き立つ周囲のハンターたち。
「後ろも控えているんだ!すぐに終わらせてやるぜ!」
モーリアは叫ぶようにして盾を前に突き出しながら、優剛に駆け足で迫る。
優剛は既に脳を全力で強化していたので、非常に遅いモーリアの動きを油断せずに観察していた。
(こっから急に早くなるんでしょ?絶対油断しないからな!)
優剛の視界を塞ぐようにモーリアは優剛の顔の前に盾を突き出して、右手に持っている剣で優剛の左肩を狙って、斜めに振り下ろす。
(こっから急に早くなるんでしょ!?)
再び同じ事を考えながら優剛は少し後ろに動いて剣が当たらない位置から、ゆっくり動くモーリアの剣を睨みつける。
モーリアの剣は優剛の前を斜めに通り過ぎていく。周囲のハンターたちはモーリアを煽るように囃し立てる。
「おーい!早く終わらせてくれよ!後が控えてんだよ!」
「わかっている!1度避けられただけだ!」
モーリアは再び同じように盾で優剛の視界を塞ぎながら、今度は優剛の脇腹に鋭い突きを放つ。
(これか!この突きが本命か!?急に早く動かして脇腹を串刺しか!?)
優剛は突きが急に早く動き出しても良いように、早めに横にステップして突きを躱す。
その優剛の動きに沸き立つ周囲。対するモーリアは攻撃を避けられて、先程までの余裕の表情から怒りの表情に変わる。
「くそが。ちょろちょろ動きやがって!」
(え?遅いままなんだけど?次?)
優剛は困惑の表情でヒロとレミニスターを交互に見る。
「誰も助けてくれねぇぞ!」
そんな優剛の内心に気づかないモーリアは何度となく剣を振り、あるいは突きを放つが、優剛に当たる事も掠る事も無い。盾を使っての攻撃すら優剛に当たる事は無い。
「えーっと・・・。すいません。悪気は無いんですけど、全力ですか?」
優剛は困惑の表情を浮かべながらモーリアに確認する。
「くそが!!避けるのが上手いからって調子に乗りやがって!」
モーリアは顔を真っ赤にして剣や盾を振り回して優剛に襲い掛かる。
周囲のハンターもモーリアの実力は知っているのか、優剛の動きに驚いているのか、先程までの騒ぎ立てる様子は無くなり、小声で会話を始める者も出てきた。
(あー。これで全力なんだ。これならヒロやレミさんが言うように当たらんわ。相手の使っている魔力量の見極め方とか必要だなぁ・・・。)
優剛は心のノートに相手が使用する魔力量の測定方法を見つける事をメモした。
(うーん。とりあえず足でも刺す?)
優剛はモーリアの足に狙いを定めた。モーリアが突きを放つタイミングで相手の左側にスルっと避けて、前に1歩踏み込んでいた左の太ももに剣を突き刺した。
(うわぁぁぁ。気持ち悪い感触・・・。)
優剛は初めて生き物に刃物を刺す感触に嫌悪感を覚え、持っていた剣を手放してしまった。そして、そのまま後方に小さく跳んでモーリアの様子を観察する。
優剛が後方に跳んだ時、モーリアは右腕を伸ばし切って突きを放ち終わっていたが、左足の踏ん張りが効かずにグラりと倒れた。
モーリアは自分の太ももを貫通している剣を見て叫び声を上げた。
「ぐあぁぁ!」
そして周囲をキョロキョロして「うぅ・・・。誰か・・・誰か治してくれ・・・。ぐぅぅ」と小さく呻き声を上げながら回復術士を探すモーリア。
優剛の動きが殆ど見えていなかった周囲のハンターたちも静まり返っていた。
優剛はそんな状況の中で倒れているモーリアにゆっくり近づいていく。
「ひっ!俺が悪かった。俺の負けだ。これ以上は止めてくれ・・・。」
モーリアも優剛の攻撃が見えておらず、気が付いた時には太ももに剣が深々と突き刺さっていた。
「あー。いや、回復術士の人がいないみたいだから、僕が治してみようかと思って近づいたんです。」
優剛は「ダメですかねぇ?」とモーリアの太ももに右手で触れる。
「治せるのか!?応急処置の金しか持ってないから、半月はまともに仕事が出来ないはずだ。治せるなら頼む・・・。頼むよ。」
最後は呟くような小さい声だったが、優剛は「出来る事はしますよ」と言って、右手に魔力を集める。
(こんなに早く人間で医療魔術が試せるとは思わなかった。仮定の証明にご協力いただきまして感謝致します。)
優剛の行動と言動から内心を見破れる者がいるはずもなかった。誰もが慈悲深い優剛の行動に驚いている。
(まずは視る魔力で身体の内部が見えるのか・・・。OKOK見えるね。ん?わかる。が正しい表現かもしれないな。)
優剛は患部より少し大きめに魔力の塊を作って、怪我の状態を確認した。
(動脈は・・・これかな。魔力で摘まんで血流を止める。静脈は多いから無視かな。)
モーリアの太もも内部では魔力の塊から、先端が二又の触手が生えてきて、それを操る事で動脈の血流を止めて、大量出血を防ぐ。
「抜きますよー。」
太ももを縛って止血する前に剣を抜こうとする優剛に「え?」という声と驚愕の表情を浮かべる何人かを無視して剣を抜き、地面を滑らすように剣を投げた。
周囲のハンターたちは剣が抜かれたのに大量出血していないモーリアの太ももを不思議そうに見つめていた。
(次は血管を繋ぐか・・・。魔力で縫ってから治癒力を強化したら繋がるでしょ・・・。ダメならこのまま回復術士を待とう。)
優剛は自分の仮説が間違っていた時の為に、このまま現状維持する事も想定しながら動脈の縫合を始めた。
動脈の縫合は優剛の仮説通り、細い糸のように変化させた魔力で繋ぎ合わせて、治癒力の強化に優剛の魔力を使えば、綺麗に血管が縫合された。
(よーし!よし!あとは適当に治癒力の強化に魔力を使ったら治るんじゃね?)
仮説の証明が上手くいって内心では喜んでいた優剛だが、周囲の空気を読んで、非常に真剣な表情で治療していた。
(へぇー。部位によって治る速度は違うんだね・・・。生命の神秘だね。骨は魔力で繋いでから治癒したら早いかも・・・。)
筋繊維や静脈などが修復されていく過程を見ながら、切断されている骨も魔力で繋いでいく。
(最後に内出血していた血を外に出さないと、吸収されるまで真っ青になっちゃうから、傷口から外に血を出すか・・・。)
優剛は太ももの中心部から治療を初めて、徐々に外側に向けて治療していた。そしてその際に、内部で漏れ出ていた血液を魔力で回収して、治療と同時進行で外側に向けて回収した血も移動していた。
モーリアの太ももの傷口から血が出て来る。2か所から出てきた2つの血は、フワフワと空中で1つの小さな玉に合わさって、優剛の顔の横で血玉となって浮いていた。
「どうですか?立てますか?」
魔力で視た限りでは治療を終えたと思っている優剛は確認するようにモーリアに尋ねた。
「え?あ?・・・え?」
モーリアはその言葉に困惑するような声を出してから、立ち上がって再び同じような声を出して、太ももを撫でたり、叩いたりしだした。
「・・・痛くない。・・・です。」
「おぉ!それは良かった。走ったりも出来ると思いますよ。」
モーリアが立ち上がって、その場で跳んでいるのを見れば、数十秒前に剣が突き刺さっていたのが信じられないという表情でハンターたちは優剛とモーリアを交互に見ていた。
そして治療が終わった事を周囲も理解したのだろう。
「お・・・おい。お前、もう大丈夫なのか?」
1人のハンターがモーリアに大丈夫なのかと確認した。
「・・・あぁ。なんともない。」
先程の剣が刺さっていた痛みや光景が夢であったかのような、困惑の表情で返答するモーリア。
「回復なんて面倒ですねー。はーい。怪我した人はどこですかー?有料で応急処置くらいはしてやりますよ。その後は自分で勝手に治して下さいよー。」
面倒そうなミドリナと騒ぎを聞きつけたギルドマスターがハンターに連れられて訓練場に入ってきた。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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